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41.交通事故現場

 お好み焼きを食べ終わった僕達はゆっくりと歩きながら家に向かう。急に昔の話をしたから恥ずかしくなって急いで食べて出てきた。


 小さい頃の話って記憶にないことが多いし、聞いているとムズムズしてしまう。


 言われてみたら忘れていた過去も少しずつ蘇ってきた。伸ばした髪も初めは香里奈とお揃いにするためだったとか記憶にない。


 思春期になったらニキビとアレルギー肌を隠すための便利なカーテンに早変わりだ。


「あっ、お兄ちゃんアイス! アイス!」


 お好み焼きを奢っただけでは足りないのか、香里奈はコンビニまで走る。横断歩道まで距離があるため、歩道橋を勢いよく登っていく。


「ここからあの横断歩道が見えるのか」


 今日は道路を封鎖せずにいつも通りに車が走っていた。あの横断歩道で僕はゴブリンを何体も倒してもらった。きっと車をぶつけた人は何にぶつかったのかも分からず、大変な思いをしているのだろう。


 僕は手を合わせて頭を下げる。これからは自分でどうにか倒しますと、今までやったことを反省する。


 そんな姿を香里奈はスマホで動画を撮っていた。


「お兄ちゃん何してたの?」


「この間あそこで事故があったって聞いたからさ」


「あー、謎の物体に当たったけど、誰一人倒れてもいないっていう事故だよね」


 事故はテレビやネットでも話題になるほどニュースになっていたらしい。目撃者も多かったため、一時期宇宙人が存在すると世の中が騒いでいた。


 その影響か周囲ではスマホで動画を撮影する動画配信者も増えてきている。


 一瞬の話題スポットとなっていた。


「車の人は無事だったのか?」


「特に怪我もないし、車も宇宙人愛好家達から新車がプレゼントされて良い経験ができたって言ってたよ」


 香里奈のスマホからは、事故をした人へのインタビューをしている動画が流れていた。それが聞けただけでも僕の心はホッと落ち着く。


 その後もコンビニでアイスを買った香里奈は、さっき撮ったばかりの動画を確認していた。どうやら僕が頭を下げている動画をSNSに投稿したいらしい。


 僕の動画を投稿して意味があるのかわからないが、香里奈にとってはSNSに動画を投稿することは大事だと言っていた。


 コンビニを出た僕達は家に向かって横断歩道を渡っていると、香里奈は急に止まった。


「ねぇ、お兄ちゃん。これって宇宙人なのかな?」


 香里奈に見せられた動画では僕が頭を下げている隣でゴブリンも頭を下げていた。


 一緒に写っていたのは、にこりと笑う知能の高いゴブリンだった。なぜあいつだけがスマホに映るのかはわからない。


 香里奈はその後も横断歩道付近で動画を撮影するが、ゴブリンはどこにも存在しなかった。香里奈は再び動画を確認すると、さっき撮ったばかりの動画の中でも消えていた。


 少しずつ現実世界にも影響が出ているのだろうか。さらに謎が深まるばかりだ。


 ただ、言えるのは早くあいつを倒さないと違う問題が出てくるのは時間の問題だろう。


「本当に宇宙人っていたんだね」


 僕はただただ頷くことしかできなかった。

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