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24.現実世界の異変

 現実世界に戻った僕はすぐに振り返る。今回も薬草を食べたことによる影響を確認するためだ。


「脱ニキビ面だああああ!」


 鏡に映る僕の顔からニキビ跡が無くなり、ツルツルな剥きたての赤い(・・)ゆで卵だ。そう、まだアレルギーによる赤みは残っていた。だがニキビによる凹凸がなくなっただけで、僕としては満足だ。


 以前皮膚科に行った時は薬をもらったけど、根本的に体質を変えない限りは赤みが減らないと言われた肌。


 以前の僕は油で揚げた揚げ物を好み、基本的にハイカロリーなものばかり食べていた。食後には甘いデザートは必須だったことを考えると、あの時の皮膚科の先生はこのことを言っていたのだろう。


 今頃学校に行っていたら、過食で太り続けていた。いじめによって不登校になっているが、それだけ毎日精神的な負荷が強かった。


「お兄ちゃんちょっと来て!」


 香里奈に呼ばれた僕が玄関に向かうと、驚いた表情をした妹が立っていた。


 その手にはスマホを持っている。


「なんか玄関に鉄パイプが刺さっているよ」


「はぁん!?」


 急いで玄関に向かうと、確かに扉の隣には鉄パイプが刺さっていた。


「お兄ちゃん大丈夫?」


「ああ、ちょっとびっくりしただけだ」


 確かにびっくりしたのは間違いない。はっきりと見てはいないため、確証はできないが、鉄パイプの刺さり方が同じだった。


 鏡の世界と現実世界がリンクしているのは知っているが、今まで道具がリンクしていることはなかった。


「みんなも家に鉄パイプが刺さらないように注意してね! 以上KARINAでした」


 香里奈は何か話すとスマホを触り、ポケットにしまった。


「何やってたんだ?」


「最近この辺でおかしなことが起きているから動画に撮ろうと思ってね。この間も交通事故があったのに人が消えることがあったばかりだしね」


 僕は鏡の世界であったことを思い出した。きっとあの時も車が急に凹んで驚いている人がいるはずだ。


 急いで靴を履き、交通事故作戦を行った横断歩道に向かう。


 車がたくさん通る道路。学生達も学校が終わったのか、荷物を抱えて下校していた。この間とは異なり人が集まっていることはなかった。


「お兄ちゃん、そんなに急いでどうしたの?」


 香里奈は僕を追ってついてきていた。急に兄が走り出してびっくりしたのだろう。


「いや、少し気になることがあってね」


「お兄ちゃんもSNSとか見てたんだね! あのあとすごい話題になっていたもんね」


「SNS?」


「ほら、これとかここでしょ?」


 香里奈から見せられたスマホには事故があった同じ横断歩道の動画が載っていた。画面をスクロールすると、どこも同じ場所と記事ばかりだ。


「あっ、押しちゃった」


 僕は知らぬ間に一つの動画を押してしまった。再生された動画は今立っているところと同じ場所だ。


「お兄ちゃん何を押したの? エッチな動画じゃないでしょうね」


 スマホを一緒に覗き込む香里奈。しかし、僕は驚きのあまり手を離してしまった。


「うぉ!?」


 スマホの画面の中にあいつが映っているとは思いもしなかった。


「緑色の男の子?」


 動画の中ではゴブリンがこっちを見てニヤリと笑っていた。急いで振り返っても、そこにはゴブリンの姿はない。


「あっ、ここで動画は終わり……お兄ちゃん大丈夫?」


 僕の顔からは大量の冷や汗が溢れ出ていた。その後、香里奈は同じ動画を探そうとしたが見つけることができなかった。

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