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20.鬼畜なクエスト

 ステータスをいじりポイントを振り分ける。


――――――――――――――――――――


《ステータス》

駒田 健 Lv.8

[能力値] ポイント0

HP(体力) 19

MP(魔力) 17

STR(物理攻撃力) 17 (+3)

INT(魔法攻撃力) 0

DEF(物理防御力) 10

RES(魔法防御力) 0

DEX(器用さ) 13

AGI(素早さ) 14

LUK() 1

[固有スキル] キャラクタークリエイト

[スキル] なし

[称号] ホーンラビットの殺戮者

    幸運の持ち主


――――――――――――――――――――


 今回はSTR(物理攻撃力)に全振りすることを事前に決めていた。武器がない今、襲われた時に直接殴る物理攻撃をするしかないと思っていた。


 それが出来なければ"幸運の持ち主"頼りの交通事故作戦でどうにかなると考えていた。


 ただ、車が来るタイミングはわからないし、敵が通るタイミングが運良く同じになるとも限らない。


【本日のクエストはゴブリンの討伐です】


 聞こえてくるデジタル音にほっとした。同じゴブリンならどうにかできると思っていた。だが、その後に表示されたクエストは鬼畜な内容だった。


――――――――――――――――――――


【デイリークエスト】

[クエスト名] ゴブリンの討伐

[討伐数] 5体

[制限時間] 30分


――――――――――――――――――――


「おい、なんだよこれ!」


 今までの制限時間から極端に減った鬼畜仕様。数時間と長かった制限時間も30分になっていた。


 きっと称号を与えた神様のような人は、焦っている僕を見て笑っているだろう。


 そして、すでに視界の縁にある制限時間のカウントダウンは進んでいた。


 僕はいつものように窓から外を覗き、明るさを確認した。


「今度は朝方……なのか?」


 外は前よりも明るくなり、朝日が出る少し前のような明るさをしている。時間の進み方は未だに分からず謎ばかりだ。


「外にはホーンラビットはいな――うぉ!?」


 今回もホーンラビットはいないようだ。だか、それ以上にゴブリンの姿がはっきり見えるようになり、ホーンラビットのトングが刺さらなかったのに納得した。


「あいつらめちゃくちゃマッチョだったのかよ!」


 以前はスマホのライトで顔だけ確認できたが、よく見ると体は筋肉に覆われていた。いわゆる小さなゴリマッチョだった。


「やばい! 二分経過しているのかよ!」


 気づいた時にはすでに二分経っていた。力に全振りした僕はもう運に頼るしかない。


 どうすればいいのかわかったらあとは行動するのみ。


 玄関に向かった僕はさらに驚かされる。


「トングが戻ってきてる!」


 ゴブリンに取られたホーンラビットのトングは、玄関の下駄箱の上にいつものように置いてあった。装備したものは戻ってくる仕様になっているのだろうか。


 これで直接ゴブリンを殴らなくても済むかもしれない。正直STR(物理攻撃力)に全振りしたとしても、人を殴ったことのない僕が倒せる気もしなかった。


「視線を感じ――」


 僕は視線をトングの隣に向けると、どこか気持ち悪い首飾りもこちらを見ている気がした。


 実際に首飾りは僕の顔(・・・)を見ていた。いくつものゴブリンの赤い瞳が連なった首飾り。僕の動きに合わせて瞳が追従する。


「気持ち悪いわ!」


 僕は首飾りを手に持ち、玄関の扉を少し開けた。外に放り投げようかと思ったが、やはり脳内にはあの声が聞こえてきた。


【ゴブリンの首飾りを装備しますか?】


「やっぱりこれって装備品なのか……」


 ギョロギョロと動く瞳は装備しろと言わんばかりに僕を見つめていた。


 大体こういう装備品ってゲームの中だと呪いシリーズと言われ、装備した瞬間に呪われることが多いはずだ。


 だから僕は装備せずに再び下駄箱に置き、トングのみを装備した。


「行ってきます!」


 玄関に置いてある首飾りの視線が、ずっと僕に向いているような気がした。

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