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星間門

「今日のもよくわかんないものだな」


 手紙と一緒に届いた拳大の石。何の植物かわからないが何かの種らしきもの、怪しげな小瓶に入った液体にどこの星のものかわからない硬貨。


 送り主は数年前に別の星に出稼ぎに行った父さん。


 当時、新しい移動手段として話題になっていた星間門を使って遠く離れた生存可能な星に開拓しに行ったっきり、手紙のやり取りしかしていない。なんらかの機械トラブルがあったのか、映像等送られてくることもなく、毎日似たような内容の手紙が携帯星間門を通ってこの部屋に送られてくるだけだ。


 だいぶ会っていないので少し記憶が曖昧だ。どんな声だったか思い出せなくなってきてる。


 手紙を開くといつもの内容。


 元気にしているか。ちゃんと母さんのいう事聞いてるか。友達ができたか。学校に行っているか。こっちは自然が豊かで大変だけど頑張っている――毎度同じことを書いて飽きないのだろうか、とか、もう学校卒業したんだけど、とか思いつつ返事を書く。


 また、返事と一緒に差し入れを準備するが、最近発覚した星間門のトラブルの事も考えて貴重品などは入れないようにしている。


 時々、星間門を通ったものが向こう側に届かないことがあるそうだ。


 ある交易船が開拓している星の様子を見に行った時に発覚したらしい。当時、だいぶ騒ぎになっていた。


 理由は分からず、「神隠し」なんていう人もいる。


 だから大事なもの――特に生き物は送ってはいけないことになっている。


 向こうの生態系を守るため、だそうだ。


「まあ、いつもと一緒でいいか」


 ご飯くらいだったら問題ないだろう、と毎日返事を送るついでに食料を送っているが、これははたして向こうに届いているんだろうか。


 まあ、届いていなくても問題ないか。


 そんな事を考えながら携帯星間門を起動して、小さな門を開く。手がかろうじて入るくらいの大きさのそれは、開くと向こう側が見えない。真っ白だ。


 空間をつなぐ間にワンクッション入れていて、向こう側が海の中だとしてもこちら側に水が来ないようになっているとかなんとか。


 そのワンクッション入れているせいで神隠しも起きているのではないか、という人もいるが僕にはよくわからない。


 そんな毎日の日課をしばらく続いていたある日、1通の知らせが届いた。


 どうやら、父さんたちも神隠しにあっていたらしい。

テーマ

「星」×「つなぐもの」

→星同士をつないで物のやり取りが加速した世界。でも時々届かない時がある。

→異世界転移に使えそうだな。


そのうち長編にするかもしれないです。

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