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商人な魔術師  作者: 柚×花
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遺跡

遺跡に着いた。

遺跡は現代文化レベルからは想像できないものだった。


風化したレンガに混ざって錆びた鉄骨が伸びている。

窓も木戸ではなく硝子が入っていたようで硝子の破片もあちこちに落ちている。

同じレンガ造りの町並みだけどルテニアの町よりずっと近代的だ。壊れていてもレンガの質感が全然違う。


遺跡の中心部には大きな建物があって、城のようにも見えるが表面は金属で覆われていて流線型の潜水艦が陸に上がってきたようにも見える。

その大きさはラミュール王国の城よりも縦にも横にも大きいのだけど。


その大きな金属の建物はほとんど痛みが見られない。

入り口は開け放されているけれど中は通路ばかりで部屋の入り口はひとつも見つからない。階段もなく周囲をぐるっと一週する一本道。


戦争後は数年見張りが居たそうだが誰一人出てこなかった。生き残りは居ないだろうと思われた。


金属製の建物の探索は諦めて崩れたレンガの町を散策する。


もう昔の人たちが目ぼしいものは持っていってしまったようで崩れた室内はほとんどが空っぽだった。


新しい発見があるならあの大きな建物の中だろう。


私には宇宙船に見える。


乗っていた人数にもよるのだろうけど、あの大きさならアニメのように船内に水の循環施設や畑があったり家畜も育てていたり出きるのではないだろうか?

魔法がある世界だ。設備にそんなに場所を取らないだろう。


『記憶』の世界の空想物語には、棲んでいた星に棲めなくなり新たな生活の場を求めて旅立つものがあった。


そんな状況になり、いつ終わるかも知れない旅の準備としてアクアリウムのように循環する設備があってもおかしくはない。


宇宙に旅立てるほど文化レベルが高いなら戦争が終わっても船内に閉じ籠っている可能性は否定できない。


それが数世代にわたっていたとしても。


今度はレックスと来てこの興奮を共有したい。きっとこの妄想を理解してくれるのは彼だけだから。




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