オイルと石鹸
ジャファルと部下の人に材料を集めて貰ってジルと試作品を作る。ココナッツオイルのいい匂いがする。
椰子の実ジュースは良く飲まれているらしく町の市場にも並んでいた。
もちろん実の白い部分も調理して食べるそうだがオイルにすることはないようだ。
試作品を作りながらジルが言う。
「お嬢さんは本当に面白いことを知っていますね。学校になんて行かずに実家をついでこういう面白いものを作って過ごせば良かったのに。」
ジルは昔から器用で新しいものを作るときに色々手伝ってくれていたのだ。
「私は魔術師になりたかったんだから夢が叶ったの。ジルはもっと喜んでくれてもいいんだよ?」
「夢が叶ったって苦労ばっかりじゃないですか。全然実家にも帰ってこないですし。本当の夢は教会で治療師をしてのんびり過ごすことでしょう?全然のんびりしてませんよ。」
「いいの。周りが幸せじゃないと自分も幸せになれないでしょ?出来る事はやらなきゃ損じゃない。やらないで後悔するのは嫌なんだよ。ジルも細かいことを気にしてると老けちゃうよ?嫌ならジャファルが手伝ってくれるからジルは帰ってくれてもいいんだからね。」
最近のジルは心配性なのかこう言う説教臭いことを言い様になったと思う。
「私が老けるときはお嬢さんも一緒ですよ。たいしてかわらないんですから。お嬢さんを放っておくと心配でもっと老け込んでしまいますから、こうして見張れる方がずっといいです。」
そんな事を良いながら魔術を使って作ってみたが、作るのも初めてだし、実物を見るのもはじめてだった割には結構簡単に作れた。
本来なら力仕事になるのだろうが、魔術を使えば簡単だった。
ジャファルが知らなかったくらいだからこの世界では私が初めて作ったのだろう。
そう言えば、明かりに油を使わないからサラダ油も無いよね。
揚げ物が作れるようになったらもっと美味しいものが食べられるようになるね。
「ジル、帰ったら別の植物で油を作ろう。それを使って調理すると揚げ物っていう美味しい食べ物が出来るんだよ。きっと使い方と一緒に流せば上流階級の調理人に売れると思う。」
「食べ物は良いですね。お嬢さんの考える料理は本当に美味しいものが多いから楽しみです。
」
石鹸作りはちょっと苦戦したが、それなりのものが出きるようになった。
先ずは元手がいるのでこの出来たオイルとせっけんを売りに行きたい。
どちらも使い方を知らない人に売るのは結構大変だよね。
そうなるとラミュールの記憶もちの人に売るのがいいかな?
シャルロット様はきっと買ってくれるね。
公爵婦人が広めてくれればそれなりに売れるはず。
あとは、リーゼス王国のクリスティーナ様にも紹介してみよう。