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怪しい内容

『○月13日 まずい、奴が邪魔をしようとしている。後少しなのだ、ここで捕まるわけにはいかない。どうすれば』


『○月14日 問題は片付いた。奴はまだ私を疑っているが、一度潔白が証明されたのだ。新しく捕らえるのは難しかろう。多額の金を握らせた甲斐があったというものだ。あとは大罪人が処刑されてしまえば何の憂いもない。処刑が早まるよう手回しせねば』


 日記はここで終わっていた。

「え、ここで?続きは?」

 ページをめくるがそこから後ろは全て空白だった。

 これだけ気になる言葉を書いておいて......。

ベルは肩を落としたが、続きがないのだから仕方がない。日記を引き出しに戻した。

それにしても......曽祖父は禁術とか言われるような研究をしていたのになんで捕まらなかったんだろう。一度目はお金で見逃されてもこんなに余裕で居られないだろうに。大罪人が処刑されれば......大罪人?もしかして身代わりで捕まった人がいる?

そこに思い至ったベルは青くなった。この後の結末がどうなったかは分からないが、罪を被せられた人がいるのだ。

 とんでもないお爺さんだな。

 大罪人と書かれていることから察せられるように、このことは大きな事件になったはずだ。ローザが何か知っているだろうか。


 ガッタン、と荒っぽく止まるエレベーター。

「うぇ、気持ち悪い」

 流石に二回目は足腰立たなくなるというほどではないが、それでもやはり若干の吐き気を覚えながら出る。

 そんなに長くいたわけじゃないけど、疲れたなぁ。今日は早く寝よう。薄闇に浮かび上がる悪趣味な調度品は一層不気味さを増しているが、前世を思い出したベルにとっては子供騙しだ。ベルは平然とそれらの前を通り過ぎて自室に帰るのだった。


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