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丸山蹴斗

丸山蹴斗。

彼は生まれつき体が小さかった。幼稚園の頃から背の順は1番前で、女の子の中に混ざってもとりわけ小さな方であった。

 しかし、それで何か悩んだということはなかった。一応、背が伸びるというキャッチフレーズの牛乳に溶かして飲む、セ○ビックという飲み物を毎朝飲んだりと、気にしていない訳ではなかったが大きなコンプレックスという訳ではなかった。むしろ小さな体の自分を気に入っていた。

 小さな体とは裏腹に運動神経は抜群で、かけっこもマラソンも学年で1番。球技もできて、明るく、勉強もできた。そのような理由から小学校では学校のスター的存在だった。所属していた地元のサッカーチームではキャプテンでエース。そんな順風満帆な人生だった。

 しかし中学に入るとそう上手くことは進まなかった。周りがぐんぐん成長し始め体格の違いはより顕著になった。抜群だったはずの運動神経も周りが成長するにつれ追い抜かれ、文学部よりはできるものの、運動部の中では落ちこぼれというレベルになってしまった。別に蹴斗が鈍くなった訳ではなく、周りの成長具合が高すぎて追い抜かれてしまったのだ。ただ蹴斗はそんな事はあまり気にしてはいなかった。明るくきっぱりとした性格だった事もあり、短距離走など無理なものは無理ときっぱり諦めていた。

 ただ負けず嫌いだった蹴斗は努力でどうにかなる部分は精一杯頑張った。中学になりテストで順位が発表されるようになり一層勉強も頑張った。浮き沈みはあったが何度か一位を取ったりもしていた。また学級委員や生徒会など出れる所は全て出て3年生の時には生徒会長を務めた。

 そんな蹴斗であったが彼の中での1番はサッカーだった。小さいながら相手を翻弄するドリブルや頭を使った駆け引きが得意で市内に敵はいなかった。ヘディングやフィジカル面で劣る部分はあるものの、誰よりも熱い情熱で泥臭いプレーを終始続ける事でカバーしていた。

 サッカーが大好きで自信もあった蹴斗は中学で公立の部活ではなく少し離れたクラブチームでサッカーに打ち込むことに決めた。



自分こそNO.1だと思っていた蹴斗だが、そこで井の外の大海の広さを知ることになった。

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