第04話 極東への旅路ー善神の憂い編
レックスはカーライル王国に連れ戻されかけていて、私の過去に関係が有る可能性が有るが詳細は不明。そして、フェリクスさんは復職してカーライル王国側にいる。
転移したてで混乱しているが、自分なりに整理してみたが迷走するのみ。
仮面のおかげで面は割れなかった事が不幸中の幸いだが、用心するに越した事がない気がする。
異界での出来事による影響も不明であるし、何もかも霧の中だ。
「こらぁー!船賃を払うように言っているのに、何を現実逃避しているんですかぁ?!」
甲高く粘着質な御怒りの声が耳にキンキンと響いた。
意識を戻して視線を上げると、明るい茶色の癖毛に丸い緑色の瞳をもつ、険しい顔をした少女が目に映る。
ヒューゴーと同じ種族だが、こう見えてライラさんは立派な大人の女性だ。
幼い口調は元からだが見た目も相まると、その方が上手くいく商売があるからだそう。
何か聞くんじゃなかったと本気で後悔した。
ともかく、確りと目の前の事を片付けよう。
「えーと・・・ごめんなさい、御幾らでしたっけ?」
そう言えば船賃を直接払うのは初めてだ。
護衛として乗船していたが間が空きすぎて記憶にない、取り敢えず船賃がお財布に残っている事を祈ろう。
「一人銀貨五枚で全員で金貨二枚ですねぇ」
ライラさんの瞳は金貨の様に輝き、小さな口元はニタリと悪い笑みをたたえる。
早く払う様にと手が差し出され、囃し立てる様に下から上に催促する動きをしだした。
「え・・・」
想定外の金額に思わず焦り、冷汗を滴らせながら財布の中身を探る。
如何にか一人分は払えそうだが、他の三人は如何なんだろうか?
振り向くと全員が目が合うなり苦笑い、そして各々の財布を開いてはひっくり返してブラブラと振って見せた。よりにもよって一人を除いて全員、無一文。
異界に落ちた事が原因なのか何なのか不明だが、ライラさんの手前で正直に言うべきか躊躇いを覚えた。
そんな私達を見て疑問に思ったのか、ライラさんは次第に眉を顰めては首を捻る。
「ん?等級に不満ですかぁ?ならば最高等級で一人金貨四枚枚と銀貨五枚で全員で金貨十八枚・・・」
ライラさんの顔が更なる期待の表情へと変わる。
最高等級って、何時の間に旅客船みたいな事まで手を出したのだろうか?
私達は青褪めては諦めて首を振り、それを全力で否定した。
「いやいや、最高等級で無くて大丈夫です!」
次第にライラさんの顔は曇りだす、刺さる様な視線を私達に向けると、何かを悟ったかのように青く広がる海原へと逸らす。
「それ以外ですか・・・無料で潮の香りを感じながら、海の魔物を間近で見物する事もできますよぉ」
ライラさんは穏やかな表情のまま、恐ろしい船旅を提案した。
つまり、船賃を払えないのなら魔物餌になって貰うが良いかと言う意味だと思われる。
覚悟を決めたヒューゴー達は真剣な表情でライラさんと向き合う。
「わりぃ、俺達は金を無くしちまって・・・」
「お金、払えまセン・・・」
「船に飛ばされるなんて思っていなかったんだ。何でもするから許しておくれよ」
ライラさんは暫し私達を無言で睨み、ザイラさんの言葉に悪い笑顔を浮かべた。
その表情には嫌な予感しかしない。
「許されないに決まっているじゃないですかぁ。その代わり!次の港まで船中の仕事を無給でしてもらうですぅ。あ、これに拒否権はないですよぉ」
静かな重圧を込めたライラさんの情けに誰もが震えあがる。
静かに自身の財布に手を伸ばすとシルヴェーヌさんが私を掴み引き留め、逃さないと言わんばかりにザイラさんと共に脇を固めてきた。
二人の瞳から抜け駆けは許さない、そんな事を言われている気がした。
こうなったら仕方がない・・・
「承知しました・・・」
先行きを考えて呆然としていると体が揺れ、何故か床が大きく盛り上がる。
体が傾き、慌てて飛びのくと同時に誰かの怒声が周囲に響き渡った。
「好い加減にせぬか!この罰当たりが!!」
自慢の白い毛並みは砂埃で薄汚れているが耳は立っている、その紅色の瞳とヒノモトの民族衣装には覚えがあった。
「うわ、コウギョク?!えっと、ごめんなさい!」
疑問と共に謝罪の言葉が飛び出す。
本人は次に何か言ってやろうと構えていた様子だが、溜飲を下ろしてくれたらしく私の返事を聞くなり口をまげて目を逸らした。
「ふん!此処で起こったら大人げないしの、まあ許そう。妾の寛大さに感謝するのだぞ?」
まさか、こんな早々に再会する事になるとは誰が想像できただろうか。
本当に別れ際の挨拶は何だったのかと言う話だが、レックスが解っていて妖精に座標をしていた様にさえ思えてくる。
「あはは、ありがたき幸せにございます」
私が大げさに媚びると、コウギョクは胸を張りながら見下しては腕を組む。
ザイラさんはそれを見て苦笑いを浮かべると、コウギョクに疑問を投げかけた。
「ところでアンタ、故郷に帰る船に乗ったんじゃないのかい?」
「何を言っておる、この船で妾達は日ノ本へ帰るのじゃぞ?」
何を当然の事をと言わんばかりにコウギョクは平然と振舞う。
船に飛ばされたものの行く先が判らず、不安に感じていたので安堵できた。
「こんな大きな船で入国できるのかい?国交を断っていると言ってたじゃないか」
少し躊躇いながらザイラさんが訊ねると、コウギョクが答えるより早くライラさんが我が物顔で口を挟みながら仕切り出した。
「この方は最高等級のお客様ですぅ、アンタ達と違ってキチンと払ってくれたですよぉ。ふふっ、仕事を割り振るから、首を長くして待つと良いですよぉ」
周囲の反応など物ともせずにライラさんは堂々と立ち振る舞うと、私達の顔を見渡しては踵を返して上機嫌な様子でこの場を去っていく。
ザイラさんはその後姿を青褪めながら苦笑いを浮かべながら見ていた。
「何かあの船主・・・苦手だわ。腹が立つと言うか何と言うか・・・」
少し力なく肩を落とすと、辟易とした様子でザイラさんは遠いい目で空を仰ぐ。
重い空気に咳ばらいをすると、コウギョクも気を取り直しては先程の疑問への返答をした。
「あー・・・こほん、国交の話に戻すと完全には断っていない。故郷まで遠回りになってしまうが、西の船が入港できる港は在るにはあるぞ」
「なるほどな・・・船主の狙いは其処かぁ」
ザイラさんは合点がいったと頷く。
ライラさんが此処を離れて暫く経つが、未だに戻ってくる様子はない。
時間が取れそうなので雑談に興じられそう、私もヤスベーさん達とライラさんの事を踏み入って訊ねてみる事にした。
「着物と簪を交渉材料にしてな、それに加えて日ノ本の交渉口を案内すると申したら此の扱いじゃよ」
コウギョクは本日、一番のしたり顔を浮かべて、自身が着ている民族衣装と髪飾りを指をさしながら胸を張る。
西ではお目に掛らない品を目にすれば、ライラさんは食いつき意地でも仕入れ先を訊き出すだろう。
成程、そのうえでの最高等級部屋かと頷くと、騒ぎを聞きつけたのかヤスベーさんが人混みを掻き分けながら現れたかと思ったとたんにコウギョクの頭を軽く小突く。
「紅玉殿、あまり誇張しすぎでござる。着古しの着物と髪飾りを差し出しても、受け取ったが色よい返事は無く、日ノ本との交渉窓口を切り札に漸く乗船許可を貰えたと言う所では無いか」
「ふん、細っかいのう。事実、上等な部屋を用意できたのは妾のおかげで間違いなかろうて」
コウギョクはヤスベーさんの言葉を鼻で笑い、自分に対して感謝の意を示せと言わんばかり。
ライラさんはキモノとカンザシに関して素っ気無い態度を取りながらも、話を聞くかぎりでは返却した様子は無い。これには、ちゃっかりとしているなと呆れてしまう。
「ヤスベーさん、先の二つは着服されていますよ、ライラさんに後で返して貰いましょう」
「なんと!では、どうせなら買い取って頂くとしよう」
ただ騙されていると思いきや、それを利用して資金を確保。
ヤスベーさんもただでは転ばないと言う訳かと思ったが、確か元はコウギョクの私物だった気がする。
コウギョクはヤスベーさんの言葉に御立腹の様で拳を握りながら震わせるも次第にそれも緩み、自身の財布に手を触れると大きな溜息をついた。
「はあ・・・まあ、此方の通貨は手元になく入用じゃし仕方あるまいか」
「ふむ、戻られたら早速交渉するとしよう!」
ヤスベーさんは満足げに何度も頷く。
実際、あのライラさんが船賃に加えて良い部屋に案内すると言う事は、日ノ本の品に相当な価値を見出していると推測できる。これは今度はライラさんが災難を被りそうだ。
「それにしても、商売の斡旋ができるなんて凄いじゃない」
「・・・そ、そうじゃろ、妾なら当然じゃ」
ヒノモトとの懸け橋になると言う事を褒めると、コウギョクは胸を張りつつも視線を泳がせ挙動不審になる。
「拙者もそれを聞いた時、如何に驚いた事か。紅玉殿には感謝が尽きぬ」
ヤスベーさんに持ち上げられると、コウギョクからますます落ち着きが無くなっていく。
そして何故か悔し気に顔を顰めるなり鼻を鳴らし開き直りだした。
「・・・別に妾は口利きするとは言っておらぬぞ。交渉口へ案内すると言ったがの」
要はただ交易ができる場所を案内はするものの、そこで上手く商売する手引きをするつもりは最初から無いと暴露する。
「・・・お前、騙してんじゃねぇか」
ヒューゴーが呆れ混じりにコウギョクに指摘すると、ヤスベーさんは頭を抱えて落胆する。
「ならば資金は諦め、せめて着物と簪は返して貰うよう」
落胆するヤスベーさんにコウギョクは嘘をばらされると思ったらしく必死に縋り付く。
「これはこれで良いでは無いか。で、でも、ライラには秘密じゃぞ?」
「心配無用、拙者も魔物の餌など御免被るでござる」
ヤスベーさんは自身を抱える様に腕を回すと、何度も腕を擦りながら身震いをする。
「私達も言うつもりはないよ」
確認の為にヒューゴー達に視線を向けるが、何も言わずとも皆一様に頷いてくれた。
「忝い・・・陸に着き次第、諸々を話すとしよう」
ヤスベーさんはコウギョクの後頭部を強引に抑えると、二人で深々と頭を下げる。
「痛っ・・・首がぁ!」
コウギョクの悲痛な声と共に甲板が騒然とする、コツコツと静かで小さな足音が此方に接近してくるのを感じながら生唾を呑むと、辺りはピタリと静まり返った。
「ほう・・・面白そうな事を話していますねぇ。じっくりと聞かせて貰えますかぁ?」
コウギョクとヤスベーさんの間から、ライラさんの張り付いたような笑顔が覗く。
確かに笑顔ではあるのだが、見ているだけで不思議と圧力を感じる。
「・・・これはバレてしまいましタネ」
シルヴェーヌさんは怯えながら後ずさりをすると、二人に振り向く様に指をさす。
ヤスベーさんとコウギョクは壊れた歯車の様に首を捻ると、揃ってライラさんに向けて勢いよく土下座をした。
「誠に・・・」
「申し訳ないっ!」
ライラさんは額を甲板に擦り付けながら謝る二人を冷めた目で見下ろすと早速、頭を下げたままの二人から事情を訊くと頭を抱えてしまう。
「まあ、キモノとカンザシぐらい買い取るですぅ。ただし、船室は一般の個室に移って貰うですよ」
ライラさんは自身の財布へ手を突っ込むと何枚か貨幣を取り出し、コウギョクの手に握らせる。
当のコウギョクは貨幣を握りしめ、部屋の等級が下がった事が衝撃的だったらしく目じりに涙を溜めていた。
「う、しょ・・・承知するのじゃ」
「ライラ殿の寛大な処置に感謝致す」
ヤスベーさんが承諾した事を確認すると、ライラさんは次に私達へと体を向ける。
「服を着替えたら全員で甲板の掃除をやって貰うですよぉ。手抜きは禁止!特にアメリアは半年もアレから休んでいたんだからバリバリ働いてもらうですよぉ」
ライラさんの声に皆の辟易とした声が聞こえてくる。
然し、私には甲板掃除以上の衝撃が頭に走っていた。
「一カ月とかじゃなくて・・・半年ぃ!?」
想定外の時の流れに衝撃を受けると同時に、かつての仲間の立ち位置の変化も腑に落ちるのだった。
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あれからライラさんの目を盗んで甲板にいる人々に話を聞いて回った。
やはり世界では異変が頻繁に起こり続けているらしく、ほんの一ヶ月前からの海の魔物と特定の海域のカーライル王国の船の巡回が増えたらしい。そして極めつけは夜が短くなったとの事。
やはり、異界の空に開いた穴は確実に世界に影響を及ぼしている。
それでも影も夜も無くなったわけではない、それは闇の精霊が世界から消失していない事を証明していた。
カーライル王国が特定の海域への警戒を強めていると言う事は、外界から隔離し監視されている闇の国に問題が生じたのかもしれない。
更に考えれば、闇の精霊王様がベアストマン帝国まで領域を広げようとしたのも・・・
「・・・飛躍し過ぎかな」
まもなくして、ヒノモトが見えてきたという報せが船の中に響き渡る。
道具を片付け、潮風を浴びながら手摺に身を預けながら海を眺めれば、海に突き出す小さな島が目に映る。
今まで精霊王様達を救いながら世界を渡り歩いてきたけど極東の地にまで足を運ぶ事になるとは思わなかったな。
「あれがヒノモト?」
西側にない文化とはどの様な物なのだろうか?
他国との交流を始めたのは近年になってからであり、入港だけではなく様々な制限が有るとヤスベーさんは話していた。
何か横でバタバタと慌ただしい足音がしたかと思うと、コウギョクが隣の手摺に身を乗り出す。
「違う、あれは迎え島じゃよ。妾達の国、唯一の玄関口と言われておる・・・わひっ!」
勢い任せに飛び上がったせいか頭が重く海に落ちかけたが、私が慌てて服を掴み引き戻した事で窮地に一生を得た。
先程の事で恐怖が顔に張り付いたままのコウギョクだったが、手摺にしがみ付きながら落ち着きを取り戻し溜息を漏らす。
「大丈夫?」
「正直・・・寿命が縮む思いじゃった。まあ、人ならざる身でこの例えも可笑しい話であるがな」
そうとう怖かったらしく、コウギョクは平静を装っているが肩が震えている。
やはり、人ならざる者と言うコウギョクの発言に違和感を感じる。
「そう言えばコウギョクは新たな神様になるように言われていたね」
異界からの帰還の直前、コウギョクと主に間に起きた光景が思い浮かぶ。
「うむ!狐護様の直々の御指名じゃ、妾は神々しかろう?」
コウギョクは嬉しそうな表情を浮かべると、その手は手摺を握ったまま得意げな表情を浮かべた。
「・・・そうだね」
関心が無い訳じゃない、ただ神々しいと言われてもしっくりこない。
「何じゃ!その反応は!罰を与えても良いのだぞ?」
「そうじゃないよ、私達にとって神様と言うのは一柱だから」
「いわゆる一神教か・・・もしや神が複数いると言う概念が理解できなかったのかの?」
「まあ、そんな所かな。神様に近い存在となると精霊王様しか思いつかなくて」
「成程、どうりで妾をぞんざいに扱う筈じゃな」
コウギョクは物悲しげな表情をすると、顔を両手で覆いながらも不自然に泣きだす。
「いやいや!ごめんって・・・」
拗ねるコウギョクに困り果てていると、ヤスベーさんが大きな荷物を抱えながらフラフラと揺れる甲板に苦戦しながら歩いてくるのが見えた。
ヤスベーさんも此方に気付くなり歩みを速めると、コウギョクを見るなり眉を吊り上げた。
「こんな所にいたのでござるか・・・荷物ぐらいは自分で纏められよ」
ヤスベーさんは珍しく怒ると、コウギョクの傍に大きな布に包まれた荷物をドサリと置く。
コウギョクは荷物を纏めてもらっておきながら、当然の様な顔をしていたが、誰も拾い上げてくれない理由に気付くと怒り出した。
「い、嫌じゃ、妾はか弱き乙女ぞ?」
手摺にしがみ付いたまま振り向き、足をバタつかせる姿はやはり神々しいとは程遠い。
然し、此処は敢えて・・・
「・・・コウギョクは神様だよね?」
「己が神しか認められぬ癖に、こう言う時だけ何じゃ!?」
コウギョクは私を睨み、猛抗議をする。
「うるせぇ、持たないならコレは海に捨てるぞ?」
積み重ねる様に並べられた木箱の上から誰かが下りてきたかと思うと、ヒューゴーは眠たそうな顔をしながらコウギョクの荷物を掴み上げ放り投げる真似をする。
「こら、ふざけるのは止めるでござるよ」
ヤスベーさんはヒューゴーから取り上げると、コウギョクの胸元に荷物を押しつけた。
そんな騒がしい甲板の一角にコツコツと靴音を鳴らし、シルヴェーヌさんは優雅に歩きながら微笑ましそうに眺める。
「あらら、賑やかでスネ」
その服装は修道服では無く、清楚な色合いの旅装束だった。
「シルヴェーヌさん、それ私服ですか?」
「ええ、どうも西側の宗教は彼方では忌み嫌われているらしいノデ」
眉尻を下げ、シルヴェーヌさんはヤスベーさんが頷くのを見て困り顔を浮かべながら頬に手を当てる。
「へぇ・・・」
閉鎖的なうえに、他宗教にも厳しい国となると日常的な行動や発言も気を付けないか。
「興味が有る様のかの?妾の社に寄る事が有れば、参考になる書物が有るやもしれぬぞ」
コウギョクはチラリと私を見ると荷物を首にかけては力むと立ち上がった。
「本当?!見てみたいな」
「うむ、異界で世話になったし歓迎するぞ」
コウギョクが嬉しそうに口角を上げると、いつの間にか遠くに見えていた迎島が大きく見えるようになっていた。
「おーい、下船の時間だよー!」
下船を急ぐ船員達の忙しない光景の中でザイラさんが叫ぶ。
入国手続きを終え、降り立った異国の空気や景色は周囲は積み上げた石による塀に阻まれている。
フォンドールの様な賑わいは全く無く、見掛けるのは商人と気真面目そうな役人のみ。
案内されるままに商館へ商品の審査と登録を受けに訪れた所でライラさんが叫んだ。
「はあ?迎島から出れないとはどういう事ですかぁ!?」
用意された木箱に爪先立ちをしながらライラさんは抗議する。
その結果、会長室にいる誰しもが両手で耳抑え、堪えていた商会長の眉間には深く皺が刻まれるのだった。
本日も当作品を最後まで読んで頂き誠に有難うございます。
先週の飛んでも転移から、極東の島国へ。
一柱を崇める者達に対し、複数の神が存在する国からの影響は、アメリア達が聞き及んでいた
神話の概念に変化をもたらすのか。
次回も適度に賑やかしながら頑張って話を進めるので、次週までゆっくりとお待ちください。
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次週も無事に投稿できれば、7月14日20時に更新いたします。




