子供だらけの公園
「いい天気だから外で遊んできなさい」
母親に追い出された少年は公園に来た。
まずは一番に大好きなブランコで遊んだ。スリル満点だからとても楽しい。
少年がブランコを漕いでると身体の大きな人達がやってきた。
「うわぁ、懐かしいなぁ。僕、ちょっと私達にも遊ばせてくれない?」
公園は皆のものと教えられた少年は心優しく後から来た人達に譲った。
「うわー!すごい!楽しい!」
だけど後から来た人達はなかなか返してくれないし帰らない。
少年はブランコを諦めて別の場所に移る。
次に遊ぶのは滑り台だ。ブランコの次に好きだ。走るよりも早いスピードが出るからとても楽しい。
だけど遊ぶことは出来ませんでした。先客がいたからです。
「懐かしいなぁ。でも結構低いなぁ。どうしてこんなのが面白かったんだろう」
先客はずっと滑り台の上にいたまま動こうとしない。
少年は頑張って声を出した。
「あの、僕、ここで遊びたいです」
先客は答える。
「もうちょっとだけ待ってくれないかな?」
だけど先客はなかなかどかない。
少年は滑り台を諦めて別の場所に移る。
次に遊ぶのは砂場だ。砂場はどちらかと言うと好きじゃない。手が汚れるからだ。
少年が砂山にトンネルを作っていると身体の大きな人が来た。また取られるかと思ったが砂場は広かったので遊び続けられた。
トンネルは無事に開通した。開通式に水を流さなくてはいけない。流すための水を汲むために砂場を離れる。
少年がバケツいっぱいに水を汲んで帰ると砂場は一変していた。お城が築城されていた。砂場の枠が城壁に見えるほどの立派なお城だった。
それに比べて砂場の端っこのトンネルが何とも見窄らしい。
「……」
少年は何も言わずに公園を立ち去り家に帰った。
「あら、早かったね。夕飯まで時間があるわよ」
「じゃあ部屋で勉強するから出来たら呼んで」
少年は母親にそう言うと本当に勉強を始めた。
少年にようやく静かな時間が訪れる。
勉強は素晴らしい。懐かしいと言ってくる人達がいないから本当に素晴らしい。