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異世界でも貴女は役立たずです

 「初クエスト!解禁~!」

 んだー!と両腕を天に突き刺す。何それ怖い。アトラスか私は。天を支える巨人なの?

 いやー、大変だった。ここまで本当に大変だった・・・・・・ルーフェが。

 私の冒険者登録の手続きと適当な装備一式の購入に、ルーフェの受けてたクエストを二人で行けるようにしてくれたり。

 ・・・・・・あれ?私ただのクズじゃない?私いらなくな~い?

  で、その私が今何をしているかというと、

 「モモさん、もっと腰を落とした方がいいですよ」

 「モモさん、ナイフを振る時は脇を閉じてください」

 「モモさん、避けるときはギリギリまで引き付けてからです」

 「モモさんモモさん、下半身にも気を配ってください」

 ものっそいスパルタな特訓を受けてる最中です。下半身という単語に反応しちゃったのはやましい気持ちがあるからとか、断じてそんなのじゃない。今の発言大丈夫か。

 大丈夫だ、問題ない。

 ちなみに私の装備は安っぽい茶色の皮(何の皮かわからない)の服とブーツ、腰にはルーフェも持っているような小物入れ(モ◯ハン的な)。武器は右手に持った少し大きめのナイフ。はい以上。

 ナイフ・・・・・・ナイフかー。グラムとかエクスカリバーとかバルムンクとかティルファングとか欲しかった。まあ、大きめの剣はあったんだけどね。ちょっと・・・・・・ね。いやいや!?そういうんじゃないから!別にステータス足りなかったとかじゃないから!ってかなんで『一定パラメータに達していないため装備できません』とかなんの!?ここはゲームかっ!ゲームであって遊びじゃない感じかっ!

 まあそんなわけでナイフしか使えませんでした。レベル一だもんね、仕方ないよね。

 あ、私のステータスはこんな感じね。なんかこの金属っぽい銀色でできてる、青いラインが一周してる腕輪をかざすと、青っぽい光でステータスが空中に出てくるの。あれ?これSFだっけ?少し不思議だなー。あとなんか普通にこの世界の文字読めた。すごく不思議。あの自称神の爺さんがやってくれたのだろうか。素晴らしくファンタジー。もう言っていることがわけわからん。


 名前:モモ・スズシロ LV1/10

 筋力:3/26

 体力:2/10

 知力:1/7

 俊敏:25/73

 器用:29/87

 運勢:1/3

 特殊スキル:

 ??:85/99:1


 左の数字が現在値、右が最高値なんだって。

 ・・・・・・私、知力低くない?え?こんなに馬鹿なの私?しかも最高数値が低い。体力も筋力もなさすぎでしょ?で、なんで俊敏と器用がこんなに高いわけ?てかギルド娘が「体力がないなら俊敏はあまり意味ないですよ」って言ってたし。そりゃそうだよ!すぐ疲れる奴が速く動けても何にも変わんないよ!

 ってかこの運のなさはなんだぁぁぁああああ!!

 って思ったけどこれはいい方だと思う。だってほら、ルーフェと会えたし?こうやって一緒に冒険者ライフを満喫できることになったわけだし?

 まあね、それはいいんですよ。いやよくはないけど。ああルーフェのくだりはもちろんいいけどさ。問題は一番下。

 これ、絶対にあれだよね?生き返るだけのやつだよね?で、結局あれ何なの?おっさんも説明くらいしてよ。でも特殊スキルって響きはいいよね。チートっぽい。まあ生き返るんだしチートといえばチートなのかもしれないけどさ。生き返るだけって何?生き返る度にステータスが倍になるとかの特典は?それと説明は?結局私この世界でルーフェといちゃいちゃしてるだけでいいの?いいよね、はい終了~。

 「少し休みましょうか」

 って女神が言ってきたから休憩に入ることにします。

 マガトナに程近い草原の中、木の根元に腰を下ろした私は、ルーフェが差し出したガラスのような小瓶に入った、向こう側が透けて見える程の透明感をもつ青緑色の飲み物を一気飲みした。

 「あ、なんかいいコレ。疲れが取れる・・・・・・美味しい」

 ミントのようにすっきりとした後味と、ハチミツに似た甘い香りがする。その味は私が知っているどの飲み物にも似ていなくて、しかし不思議と落ち着く味だった。

 「あ、回復薬は初めてですか?確かに、冒険者じゃないとあまり飲みませんよね」

 コレが回復薬かいっ!なんの前触れもなく登場するからわからなかったよ!




 さて、今回ルーフェが受けてたクエストはこちら!ばばん!


 『クエスト:狼首を運べ

  難易度:☆☆☆

  依頼内容:

  ダークウルフ七匹、及びその群れの長キリングウルフの討伐。

  依頼達成時にはその証拠にキリングウルフの首を持ってくること。』


 グロンド!グロンド!

 何が出てきても怯まず戦え!

 でね、この星の数ね。最高で十二まであるんだって。レベル一が成功させれる難易度は星一つなんだって。わー。

 ・・・・・・え、私、大丈夫?レベル一だよ?

 それよりルーフェどんだけ強いの?登録証見せてもらおう。

 「ねールーフェ。ステータス見せて―」

 「私のですか?いいですよ」

 一瞬で快諾とかルーフェマジ女神天使妖精美少女さん!


 名前:ルーフェル・ウェスタ LV4/10

 筋力:27/63

 体力:20/59

 知力:99/298

 俊敏:33/81

 器用:5/7

 運勢:106/211

 スキル:

 ディスタンス・オブザーヴ

 LV5到達時習得スキル:

 ライジングブースト


 ・・・・・・あっれぇ~?ちょっと強くな~い?強すぎじゃな~い?筋力が既に私の最大値超えてるんだけど。体力なんて倍あるんだけど。ってか知力!何この知力!俊敏ですら私より高いじゃん。器用・・・・・・え、あれ?ひっく!器用低っ!不器用ってこと?可愛い!運勢・・・・・・運勢やっば!はぁ何これ何これ!?私運なさすぎじゃん!なんかスキルもかっこいい!よく意味わかんないけど!

 でもルーフェも最高レベル十なんだ。皆そうなのかな?ってかルーフェ、レベル四なの?ますます私いらなくない?

 あれ?私の特殊スキル、名前は?ねぇねぇ名前は?バグって名前出てませんけど。

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