マリオの独り言
これは私が10才の時に体験した奇跡体験です
当時、私は人気ソフト『スーパーマリオブラザーズ』を買い、毎日のようにプレイしていました。しかし、お世辞にも上手いとは言えません…
あまりの下手さにお母さんも
「マリオがかわいそう」としょっちゅう言ってました。
10年前、メタカツ家…
「行け、マリオ!よっと!飛べ!Bダッシュ!」
この日もいつものようにプレイしていました。1ー1で何回死んだでしょう?最初のノコノコで死ぬのもザラです。
プレイ始めて3時間すぎた頃でしょうか?私はまだ1−2で苦戦していました。
「いっけ!飛べ!Bダッシュ!Bダッシュ…あれれれ?」
マリオがBダッシュしません。どんなけBボタン押しても歩いてます。
「何してんだマリオ!Bダッシュしろ!」
『お前が言うな下手くそ!つかれんだよ…』
「!」
私は心臓が止まりそうでした。
何とテレビの中のマリオが怒鳴ったのです…
『だいたい必要以上にジャンプするな!ノコノコ践むな!足たまに脱臼すんだよ…』
しまいにマリオは何を押しても無反応になりました。僕は何が起きたか理解不能です。テレビの中のマリオは何度も舌打ちをしていました。さらに驚くべき事が起きます。
なんと後ろからルイージが歩いてきたのです…
『マリオ兄さん、僕達はファミコンの中のキャラなんだよ?しゃべっちゃマズいって〜!』
『だって、つかれたもん〜!ルイージ代わってよ〜!』
『ダメだよ〜僕人気ないし…』
マリオとルイージは2人でブツブツ文句を言っています。僕はただ呆然と見るしかなかったです。そしてマリオが溜め息をついた時でした。私の顔を見て言ったのです
『ボク…今日だけ特別だよ…俺が勝手にゴールしてあげるよ…』
「はぁ?」
「っえーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
次の瞬間、マリオが猛烈な勢いで走り出しました。次、次とステージをクリアしていきます。笛を二個取り最終ステージへ…キラーに当たることもありません。勿論私はコントローラーには一切触れてはいません…
そして気ずいた時にはクッパは死んでいました…私は目を丸くし、驚きお母さんを呼びました。
「ママァ!マリオがしゃべった!ちょっと来て〜!!!」
「はぁ?メタカツ頭大丈夫?」
お母さんは私の顔を少し見て、テレビを食い入るように見ていました…
「あら?メタカツ、クリアしたんだ凄いじゃないの!」
お母さんは満面の笑みです、そこにはピーチ姫と接吻しているマリオの姿だけがあります…
そして、それ以降マリオは私に話しかけることはありませんでした…