今日は本当に考えさせていただいた一日でした。☆
今日、冷えで悪化した腰痛を和らげる為、病院に行った。
やっぱり腰痛をかばうので膝にきて、足首に行く。
足首から足の指の間は、両足ともしびれている。
痛いが、湿布とカイロを交互に使うしかない。
でも、本当にお金は大事。
一円でもけちりたい。
と、家の近所の系列ドラッグストアでは安売りしていない、病院の近くのお店で洗濯用洗剤を購入する。
そして、お昼御飯の為に二割引のパンを買ったので、店の外のベンチで食べ始めた。
すると、
「隣かまんかね?」
と、声をかけられたので、
「はいどうぞ、大丈夫ですよ」
「ありがとう」
父よりは上、でも、背筋が伸びたおじ様と言う方が素敵なおじいちゃん? だろうか?
今日は日差しが強いので麦わら帽子なのかな? と思っても、帽子は普通のつばのではなく小粋なパンダロンハット。
格好は素敵で上品な方だなぁと感心する。
「本当に、天気がコロコロ変わるねぇ」
「そうですねぇ」
「でも、平和がええわい。わしは戦争に4年4ヶ月行っとったけんな」
「えぇぇぇぇ! 4年ですか!」
で失礼だと思いつつ、
「あの、お年は……」
「90よ。年寄りやろう?」
「いえいえ、本気に、父よりは上だと思いましたが、90には見えません。でも……戦争を知らない私が言うのもなんですが……色々辛いこともあったでしょう?」
控えめに伝えると、
「あったあった。一応はわしはこの街の生まれじゃのうて、もっと奥の生まれやったんやけど、親父がの勉強は必要や言うて、上の学校に行かせてくれたんや。そうしたら戦争での、500程の兵士の一斉攻撃でわぁぁ~! と出ていったら、ほとんど皆死んでもうて、9人しか生き残らんかったわ」
「えぇぇぇぇ! と、突撃したってことですか?」
「そうよ。それ一回だけやのうて、また生き残っとる者を集めて、わぁぁ~じゃ。今度は13人生き残ったわ」
「い、いや……それって、本気で死ぬ為に出ていくってことじゃないですか。皆、待ちよる家族や周囲の人に見送られて……戦ってこいって言うよりも、千人針って、ありましたよね? そういうのとか……」
口ごもる。
「わしもしとった。でも、本当に上手く伝えられんわ……でも思うんは、戦争はいかん。泣くんは家族やで。お姉ちゃんは知らんやろうけどな……」
「そうですね。父方の祖父は赤紙が来たので一応出征しましたが、白内障で失明寸前だったので除隊され、母方の祖父は出征して怪我をして帰ったと。父も物心つく前には戦争が終わっていましたから、父方の祖父が戦争の時の怪我のこととか、祖母は故郷で広島の原爆の雲が見えたとか……」
「そうなんか……戦争が終わってからもきつかったわい……戦争から帰ったら、せないかんのは仕事よ。お金もないと生活できへんのやけん……友人の家に転がり込んでな、頼むけん、3ヶ月住まわせてくれ言うて、それで必死に仕事探しして、銀行に入社したんよ」
「わぁぁ! それは凄いですね! だって、試験ですよね? コネって言うのは失礼だと思いますが、そういうものもないでしょうし……」
と感心したように言うと、
「試験前必死に勉強したのもあるし、親父のお陰かもしれんなぁ。で、就職して、見合いで結婚したんよ。嫁さんと。でも、子供が生まれんかってなぁ……わしは東京におりたかったんやけど、嫁さんが帰りたい言うて、帰ってきたんやけど、本当に……跡取りのおらん家は辛いのぉ……檀家さんや、おしょうさんに、お墓のこと頼んで、ようけいったわ……で、嬢ちゃんは一人でどがいしたんで?」
「あ、はは、病院の帰りです。パンを買って食べて、帰ろかなぁと」
「家族は?」
「独り暮らしです。結婚できなかったんで……あはは」
笑うと、おじ様は真剣な顔で、
「何かあったん? じいちゃんの話につきおうてくれたんやけん、聞くで? あぁ、コーヒーでもおごるけん、後でこっちにあるお店においでや」
「あ、ありがとうございます。実はこの後用事があって、また今度お会いしたらおごって下さいね。ありがとうございます」
頭を下げて、そして手を振って別れた。
のだが、はて? 帰ってみると、洗濯用洗剤が見当たらない。
どこに落としたのか……。
「うーん、最後はあそこ、その前はあそこで休憩、前は……」
呟くが、散歩のより道の多いしゃこには、思い出せなかった。
いつもならひどく落ち込むが、今日は、
「何か、人のお話を聞くのも本当に良いことだなぁ。あのおじ様のお陰で、何となく……曖昧な世代間の差と言うか、それよりも、あの言葉はきたなぁ……」
「死んでいった仲間や友人、知人の為にできるんは、成仏してくれよ……それしか言えん。政治家も変なことばかりやりよるが、一番は国の為に何が出来るかで、金の為とか囲の意見に合わせるとかじゃぁない。国は人々であり、その人々を守るんが政治家であり、法律であり、裁判所。それを忘れたら国じゃない。苦しんどる嬢ちゃんみたいな人を救う、守るんが国であり政府じゃ!」
洗剤よりもこの言葉の方が幸せだなぁと思ったしゃこである。




