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夜闇に咲く花  作者: のどか
サン・リリエール祭編
79/135

第78話


「あー楽しかった!!」

「また来ましょうね」


 すごく満足そうな静奈さんとエアルさんにお父さんたちは心底呆れた視線を向けている。

 でも一言言わせていただきたい。

 お父さんたちも十分楽しんでたよね? 私を着せ替え人形にして楽しんでたよね? お店を巻き込んで、というかいつの間にかお店を貸し切りにして、ファッションショーしてたよね?

 モデルが私だけという誰得な! しかも途中から店員さんたちまで参加してたし。もちろん服を選ぶ方に。

 一日にあれだけたくさんの服を着る機会なんてもうないだろうってくらいにいろんな服を試着させていただきました。

 エアルさんが選ぶのは女の子らしい甘ロリな服で、静奈さんは肌の露出が多いセクシーな服。とてもじゃないけど私には無理ですとお断りしたけれどおふたりともいい笑顔で迫って来て無理やり着せられた。そしてパシャパシャ写真を撮られた。黒歴史だ。

 お父さんは流石に私の好みを把握しているらしくえ!? と思うようなのは出してこなかった。フォンセもシンプルで清楚なものが多かったかな。でもどこか女の子らしさを感じるチョイスだった。グレンも今風でカジュアルなのが多くて助かった。たまにゴスロリやら甘ロリやら私が着てどうすんだ! と思うのが混じってたけど。

 買うのは一人三着までと決めていたので荷物はそう多くない。というか制限を決めてないととりあえずここからそこまで全部いただくわ! とか言い出しそうなので一番最初に決めさせていただいた。

 それでも一度に買う量としては多いくらいだし、買ってもらうなんて申し訳ないと思うのに、何故かみんなとっても楽しそうに選んで嬉々としてお会計しちゃうものだから何も言えなかった。


「瑠璃、疲れたか?」

「ちょっとね」


 苦笑いの私に悪いなと眉を下げたフォンセに首を振る。


「私こそごめんね。たくさん買ってもらっちゃって」

「俺たちがしたくてしたことだ。気にするな」

「でも」

「迷惑か?」

「そんなわけない! 嬉しいよ」

「なら大人しく貰っておけ」


 たまに着てくれたら母さんたちも喜ぶ。


「もちろん俺たちもな!」


 ニッと笑ってくしゃりと私の頭を撫でたグレンにうんと頷いてお屋敷へ戻る。


 出迎えてくださったおじ様とアルセさんはすごくご機嫌なエアルさんと静奈さんを見て、私に視線を向けた。


「一日潰させちまったみたいで悪かったな。チビ」

「ありがとな。瑠璃。お前のおかげで超ご機嫌だ」

「いえ、私こそお洋服を買っていただいて」

「楽しかったか?」

「はい!」

「ならいい」

「今度はそれ着ておじさんとデートしような」


 パチンとウィンクしたアルセさんに呆れた視線を向けておじ様は私からご機嫌なエアルさんに視線を戻した。


「楽しんできたようだな」

「はい!」


 とっても素敵な笑顔を振りまくエアルさんにおじ様は優しく目を細めてよかったなと微笑んだ。なんだか空気が甘い。

 そっと視線を外すとそちらでもアルセさんと静奈さんが甘い空気を漂わせていた。

 そんな空気を一瞬で凍らせたのがお父さんだ。


「いい加減TPOを考えなよ。もう若くないんだから」

「ちょっと龍哉。聞き捨てならないわね。もう若くないってどういうことよ!!」

「わかるように説明してもらえますか? 龍哉君」


 さっきまで満面笑顔だった静奈さんとエアルさんが即座に反応してお父さんを睨み付ける。

 お父さんはしれっとした顔でそのままの意味だよなんて言っている。あきれ顔でお父さんと窘めるように呼べば子供みたいにつんとそっぽを向いた。

 エアルさんと静奈さんもおじ様とアルセさんに宥められて落ち着いたみたいだった。


「フォンセ、グレン、息抜きは済んだな?」

「お仕事の時間だ」


 今まで放置されていたフォンセとグレンにおじ様たちの視線が向けられると容赦なく仕事の呼び出しがかかった。

 チラリとフォンセたちを見ると二人はすぐに私の視線に気づいて苦笑いで答えた。


「瑠璃の部屋に荷物持って行ったら伺います」

「同じく」


 フォンセはお仕事の時はおじ様に敬語を使う。

 軽い調子のグレンがその後に続いて、行こうかと私を促した。

 きっちり部屋まで送り届けてくれた二人はいつの間にかいなくなったお父さんの分まで荷物を運んでくれて、すぐにおじ様のお部屋に向かった。



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