ジャックのお客様
「てな感じで、やっほっほーい! 謎の美少年、アルトだよ!!」
「帰れ」
あくる日、アルト君が遊びに来ました。
「ハッハッハ、ジャックよ、数少ない友に向かって、その発言はないだろ」「帰れ」
間髪いれずジャック君は言いました。
「ジャックはひきこもりだから―――」「帰れ」
言葉を遮って言いました。
「もうちょっと優しく―――」「帰れ」
「……キャンディー、ボク、ちょっと泣いて良い?」
「向こうの部屋でしたら」
「……うん」
アルト君の入って行った部屋には、レウスが居ます。
因みに、レウスは、幽霊さんとかを視える人ですが、苦手らしいです。
『ぎゃああああっ、幽霊!!』
『失礼なっ! ボクはアルトだ!! ……幽霊だけど』
『結局幽霊だろ!!』
「一気に騒がしくなった……」
あらあら、ジャック君ったら、暗い顔をしてます。
「ジャック君、大丈夫ですか? 最近、お疲れみたいですけど」
「お前らのせいで、な」
「まあ、大変ですね」
といって、何かする訳でもないですけど。
「わーい! キャンディー、キャンディー、この人何?! すっごくおもしろーい!!」
みると、アルト君がレウスの襟首を持って引きずってこちらに来る所でした。
「まあ! アルト君ったら、力もちなんですね!」
「実は、生前は結構鍛えていたんだ(てれっ)」
「つっこむ所そこじゃないだろ。どうして幽霊がふつうに生きてる人間に触れてんだよ……てか、助けてやらないんだな、お前」
その横で、ジャック君がぼそりと言いました。
まあ、それはそれですよ。
「で、なにが面白いんです?」
「うん。レウスっちね、ボクの事めちゃくちゃ恐がってる!」
「根性足りない男ですね~」
「あははは、キャンディーちゃん、キャラ変わった(笑)」
「笑い事じゃねえだろ。てか、気絶してるぞ、レウス」
「あはははは」
「あら、まぁ」
レウスは、結構不幸体質みたいです。
「で、なんで来たんだよ」
ひと段落した後、ジャック君は改まってアルト君に問いました。
「あ、ようやく話聞いてくれるの?」
「さっさと要件を言え」
「うん。そろそろ、逝こうかなって」
「え……アルト君、逝っちゃうんですか?」
アルト君は、生前友達を庇って死んでしまったそうです。
そして、その友達と大切な約束をしていて、それを破ってしまったことが心残りになって、まだ逝ってない霊だそうで。
今は、その友達が死ぬまで見守り続けているそうです。
「まだ、先の話だけど。まぁ、お別れに」
「そうか」
それは、つまりその友達の死期が近いと言う事でしょう……。
「……」
「……」
「……」
一気に、暗くなってしまいました。
ジャック君は何十年もジャック・オ・ランタンとして迷える霊達を導いて逝くのを見送ってきたはず。
なんども、別れを経験しているのでしょうね。
いつもは、ジャック君を子ども扱いしているけど、ジャック君は私よりも多くの時間を生きている。それが、なんとなく寂しく思えました。
私も、いつかジャック君に見送られるのでしょうか?
「で、なんでオレの頭をなぜてくる」
「ジャック君は小さくて、なでやすい位置に頭があるもので、つい」
ほんと、手を伸ばすと丁度届くので、つい。
「……」
「あら? 怒らないんです?」
「静かに怒っているだけだ」
アルト君が、小さく笑って言いました。
「まったく、二人は仲が良いねぇ」
「どっかのおばちゃんみたいに言うなよ」




