レウスの逃亡
普段なら、絶対に開けられないはずの扉が、開いた。
教主塔アズリルの地下。
キャンディーや他の巫子たちのいた祈り場に、乱入者が現れる。
衛兵たち……?
「……レウス」
見知った顔が混じっていた。
「行きますよ」
「……?」
なぜか、私だけに手を伸べる。
「ここは、危険です。一旦、アズリルから脱出します」
脱出?
扉が開いたことで、外の音がよく聞こえてきた。
何かが爆発する音と、悲鳴。
壊れていく音。
剣の打ち合う音。
「襲われているの」
あんまり、興味はない。
ここが襲われた所で……いや、ここが襲われて、私が死んだら全てが水の泡だ。
それだけは、避けなければならない。
「は、い。……とにかく、行きましょう」
「……」
しょうがない。
混乱する巫子たちの中で、私はレウスに続いた。
辺りは混乱に満ちていた。
ひっきりなしに爆発音が辺りに響く。
そのたびに、壁が崩れ、人々の声がさらに大きくなる。
教主塔アズリルは、国民にとって重要な信仰の地。
そこに毎日のように祈りに来る熱心な信者は数多いらしい。
私は、見たことないけど。
夕刻とはいえ、人々がかなりいたのだろう。
「……どうして、私だけ連れだしたの」
レウスが手を取ったのは、私だけ。
他の巫子たちはあの地下に残ったままだ。
たぶん、他にもいた衛兵が避難させるとは思うけど。
「……私は、キャンディー様のみを保護するように言われたので」
「そう」
なんでとか、興味ないけど。
「建前ですけど」
レウスは、私を見てそう、言った。
「……それは」
どういうこと?
そう、聞こうとした時――
「キャンディーっ!!」
「っ……」
振り向いた先のいたのは、彼だった。
人物紹介に、レウスとキャンディーを挿絵と一緒に追加しました。




