ジャックとレガート・レント そのさん
第二十四話
ジャックとレガート・レント そのさん
「今夜、教主塔アズリルを地下組織が襲撃する。その時、君の選択で私たちがどう動くか変わっていく。……私達はただ、キャンディーがこの国に居なければいいんだ。彼女を外に連れて行ってくれるのなら、今日の夕刻、アズリルにきてほしい」
「……」
プルートは、それだけ言うと一気にコーヒーをあおり、代金を置いて立ち去った。
「……ったく、なんなんだよ」
いきなりキャンディーを殺すだとか、連れ出せとか……。
「おい、レント。どうせ居るんだろう? 出て来い」
そういって、数分。
なんだか自分が間抜けに思えてきたころ、店のドアが開いた。
「ばれてた?」
あまり、反省してない様子でレガート・レントがやってきた。
「どこにいたんだ」
「向こうの細い路地。こいつの性能じゃ、それくらいが限度だからな。しつれい」
ジャックのコートの襟から、ボタンよりも小さな機械を外した。
「なんだそれ」
「ん? あぁ、盗聴器。レンデル製だから結構物持ちはいいぞ」
「いや、意味わからん」
「やーい、ひきこもり」
「オレさ、さっきので結構苛立ってんだよね。……そろそろ我慢の限界なんだが」
そろそろ、キレるぞ。
そう、口調と空気と視線で伝える。
「すまんすまん。とりあえず、お前たちの会話を聞けるようにしてたんだ」
「なら、オレの言いたい事は分かるな?」
「あぁ。今お嬢に調べさせている。いくら相手が好意的に情報提供してきても、本当の事を言ってるのかわかんないからな……とくに、プルートだし」
「あいつ、なにもんなんだ」
「セレスティンのプルートって言ったら、かなり有名だぞ。なにをやってんのか、どんな奴らが所属しているのかまったく分かっていないセレスティンの中で、唯一正体がわかってる存在。まさか、こんな所でレアもんと会えるなんてな。良い情報を貰いました」
「……あっそ」
こいつは、どこまでも情報屋か。
「お、お嬢の方から連絡。十中八九、プルートの方の情報は本当。あ、あと……孤児院?」
「?」




