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『神』に願いを
暗い地下の道。
そこを、キャンディーは歩いていた。
足元を照らすのは、レウスの持っていた松明だけ。
歩くたびに炎が揺れて、影が踊る。
無言。
二人は沈黙の中歩き続けると、古びた扉に辿り着く。
レウスは松明を横に置くと、そこを開けた。
中は洞窟。
そこに、私と同年代、もしくは年下年上の少年少女がいた。
全て、巫子として死んだことにされて拘束された人々。
彼等は、相変わらずここで祈っていた。
どこにいるのかもわからない、私達の『神』なんて不確かな存在に。
この国の為に、民の為に祈らされ続けていた。
馬鹿みたい。
巫子は、神に願いを届ける存在。
神に、国の繁栄と民の幸福を祈る存在。
でも、こんな事をして本当に神は私達の願いを聞いてくれているのだろうか?
私達は、今国がどうなっているのか知らない。
人々が幸せなのか知らない。
ただ、祈り続けるだけ。
もしかしたら……。
私が中に入ると、扉が閉まった。
レウスが閉めたのだろう。
ここの扉は、外からしか開けられない。
私達は、ここで閉じ込められて祈らされ続ける。
「……」
もしかしたら……神は私の願いを叶えてくれたのかもしれない。
「私が、……に会いたいって思ったから」
だから……。
どれくらい時間がたったのか、わからない。
ただ、気づくと上から怒声と罵声、そして戦う音が聞こえた。




