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ヘンゼルと迷いみこ  作者: 絢無晴蘿
ジャック・オ・ランタン
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ジャックとグライアン

第十二話

ジャックとグライアン



ある日、不思議な事がおこりました。

「おい、キャンディー」

「なんです?」

「奥の部屋にいろ」

「はい?」

「さっさと行け!!」

「え? え?」

突然、ジャック君はわたしを奥のキッチンに押し込めてしまいました。

「まあ」

「静かにしてろよ!」

「はいはい」

もう、ジャック君ったら酷いわ!

女の子を乱暴に扱うなんて。

ぷんぷん。

あとで文句を言わなくっちゃ。

しようが無いので、扉の前で、ぼー。

ぼー

ぼー

ぼー

ぼかん

「あら?」

今の音はなにかしら?

不思議ね。

とりあえず、扉を開けて、中をちらり。

あら?

見ると、そこにジャック君はいませんでした。

部屋の中は荒れてしまっています。

後で片付けないと!

「?」

よく見ると、どうしてか不思議な扉がありました。

こんな所に扉なんてあったかしら?

その扉を、ほんの少し、開けてみます。

だって、気になるんですもの。

ちょっと覗いただけなのに、強風と悪寒がしました。

「……まあ」

なにやら、大変そうです。

「ひょこり」

顔を出してみると、そこは外の世界でした。

暗い夜の林。

そこで、何やら物音が聞こえます。

「ジャック君?」

そこへ、好奇心いっぱいに一歩踏み出します。

「ここはどこなのかしら?」

「ば、バカ!!」

「あ、ジャック君。おーい」

どうしたのかしら。

何やら必死になって叫んでます。

なになに。

そこから逃げろ……。

ほうほう。

「はーい」

ジャック君に向かって走り出そうとしました。

「馬鹿野郎!こっちくんじゃねえ!!」

「えーなん――っ」

黒い影

ソレが、襲いかかってきて




くらい

いやだ

わたしは


わたしは、

ただ……

みんなを、

助けて、

あげた、

かった、

だけ、

なの、


ね……




「大丈夫でしょうか?」

「あら?」

気づくと、林の中。

見た事のない青年が私を抱き起こしてくれていました。

まあ、なぜ?

因みに、ジャック君と同じ黒のコートを着ています。

「キャンディー!!」

「あ、ジャック君」

立ちあがって手を振ると、ジャック君がやってきました。

すると、青年は眉をひそめて言います。

「……またお前か」

「っ、グライアン……」

「ぐらいあん?」

「私の名ですよ。えーっと、キャンディー嬢?」

「まあ、グライアン君? どうも、キャンディーです」

そんな会話をしている間も、ジャック君は不機嫌そうです。

「何やってんだ、ヘンゼル。『ここ』に生き霊なんか連れて」

「……」

怒られモードかしら。

「あ、待って下さい。私が勝手に来たのよ?」

「だとしても、だ」

「わかってる」

二人は、深刻そうな顔で話し始めます。

どちらかというと、グライアン君がジャック君に対してしかっているようです。

そんな感じで数分。

レディを待たせて話が終わると、グライアン君はすぐに姿を消してしまいました。

「お前な、もうちょっと分別を持て!!」

「はい?」

ちょっと呆然。

「あのな、町の件もこの前の事も、どうしてお前は向こう見ずで無鉄砲なんだ!!」

「えーっと?」

「なんで、来るなと言ったのに来た」

「だって、気になったんですもの。あっ、そう言えば。ジャック君たら、さっきどさくさにまぎれて馬鹿野郎と言ったわね? 女の子に野郎って言っちゃだめよ」

「まったく、お前は……」

ため息をついているジャック君。

ため息をつくと、幸福が逃げてしまいますよ?


「ところで、さっきのはなんだったのです?」

元の屋敷に戻ると、ジャック君に早速切り出します。

「さっき? お前、まったく懲りてないだろ」

「こりて? さぁ、肩はこってないけど、どうなのかしら」

「違う! 根本的に間違ってる!! ……あれは、悪霊だ」

「まあ、そうだったのです?」

町で会った子どもたちが悪霊だとジャック君は言ってましたが、さっきのとは全然違いましたけど。

「悪霊って言ったって、いろいろあるんだ。あの子どもたちは無邪気に遊びたいってだけ主張してただけだろ。さっきのは逝けなかった理由さえ忘れてかなり狂ってた。はっきり言って、もうほとんど呪いになってた」

「まあ」

悪霊は、呪いになってしまうのかしら?

恐いわ。

「頼むから、ああいうのがいる時はくんなよ」

「ごめんなさい……」

だから、あんなに怒っていたのね。

なんとなく納得。

ちょっとうれしいキャンディーでした。

でも、いるかいないかって、どうやって判断すればいいのかしら?

「じゃあ、ジャック君もきちんと言って下さいね」

「なにを」

「いろいろと」





追加登場人物


グライアン

同期のジャック・オ・ランタン









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