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ヘンゼルと迷いみこ  作者: 絢無晴蘿
ジャック・オ・ランタン
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ジャックとグレーテル そのに

第十一話

ジャックとグレーテル そのに



「お前は、ジャック・オ・ランタンを知っているか?」

いつもジャック君がいる書斎ではなく、図書室に私たちは居ました。

「え?」

それは、ジャック君のことではないのかしら?

首を傾けると、やれやれとジャック君はため息をつきます。

「ジャック・オ・ランタンとは、オレ達の総称だ」

「おれたち?」

「世界各地に、ジャック・オ・ランタンはいるからな」

「世界各地に?!」

世界各地に、ジャック君がいっぱい……。

うじゃうじゃと世界各地に……。

そ、想像しただけで吃驚です。

どれだけジャック君がいるのかしら?!

「……お前、絶対オレが沢山いるとか思ってるだろ」

「え、違うんです?」

「ちげーよ!!」

なんだ、残念。

つまんないです。

「この前のアネサンもジャック・オ・ランタンの一人だ」

「え、そうだったんですか?」

まあ、あの方もジャック君。

あら?

女性だから、ジャックさん?

「そもそも、ジャックって言うのは役職名だし」

「役職?」

「ジャック・オ・ランタンって言う、仕事をしてんだよ、オレ等は」

「ジャック君の仕事?」

まあ、そんなに若いのに仕事をしているなんて、苦労してるのね。

でも、そう言えばジャック君は見た目の割りに長く生きてるとか言ってたけど?

「ジャック君、今何歳なんです?」

「なんで今そんな事聞くんだよ」

「突発的に思い出して」

「知らん。百年たって、数えるのが面倒になった」

「まあ、百歳以上? ジャック君は、幼いふりした魔性のおじいちゃんっ?!」

十二歳くらいなのに、そんなに年取っているなんて!

「なんだよそれ! しかも、おじいちゃんって言うな!」

けっこうショックを受けているみたいです。

ヒトを見た目で判断してはいけませんね。

ま、まって、そう言えば私、何歳なのかしら?

まあ、今はジャック君のことのほうが重要です。

「で、仕事ってなんなんですか?」

「あのな、お前……」

ちょっと、怒っているようです。

「……ジャック・オ・ランタンてのは、死者を導く道しるべみたいなもんなの。で、オレは死んで霊になって彷徨ってたら、先輩にスカウトされてジャック・オ・ランタンになったの。しかも本名ヘンゼルだし」

「じゃあ、あれが人間だったころのジャック君?」

「そうだよ」

あれは、ジャック君だったんですか……。

じゃあ、ジャック君は霊?

でも、他の人にも見えているし、ふつうに物を持ったりできるし……でも、食事とかはしないわね。

「ジャック・オ・ランタンってのは、そう言う存在。スカウトされて、なるって決めたから、もうオレは霊じゃない。人でもない」

「ジャック君の姿は、死んだ時と同じなんですか?」

「……そうだ」

なんだか、不満そうな顔で頷きます。

じゃあ、ジャック君は、幼い頃に亡くなって、ジャック・オ・ランタンになったんですか。

「じゃあ、もう一人は……?」

「妹。……グレーテル」

「妹さん?」

ジャック君は、今まで見せた事のない暗い顔で、グレーテルさんの名前を言いました。

まあ、ジャック君、妹さんがいたのね。

「でも、どうして?」

「どうしてあんなところで死んでるか? それとも、なんでジャックになったか?」

「……えっと」

「いろいろあったんだよ。んで、グレーテルも昔のオレと同じでどこかで彷徨ってるんだ。まだ、逝っていない。だから、ジャック・オ・ランタンになったんだよ」


いつか彷徨っているグレーテルと再会できるかもしれないから。

いや、もしかしたら待ってるのかもしれない。

生前暮らしていたこの屋敷で。

殺されてしまった屋敷で。

ずっと、グレーテルが帰ってくるのを待っているのかもしれない。


「ジャック君……」

「なんだ?」

「本名、ジャックじゃ無かったんですね」

「……とりあえず、あの地下は危ないから勝手に行くなよ」

「はーい」







追加登場人物


グレーテル






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