聖剣一族
「ただいま」
一族の元へ帰り着き、一言。
「おかえり、ルイン。あんなに怒ってたのにもういいの?」
おばに尋ねられて頷いた。
「なんか、可哀想になっちゃって」
途端、横から大きな体に抱きつかれる。
「るいーん!お前は、ほんとに、いい子だなぁ!!」
彼の怒りが行き場をなくす原因を作り上げた兄が、頭をぐしゃぐしゃと撫で回す。
「ルイン!キィが来てるから、行こう!」
アルルが手を引いて、兄にくっつかれたまま歩き出す。
隣国の軍によって半壊した一族の住処の再建、この国と隣国が滅ぶことによって再び行われる国との交渉。やることは山積みだ。
「でも、ま、なんとかなるか」
ここにも長く居住していた。いいきっかけだ、どこか別の場所へと引っ越すのもいいだろう。
そんなことを考えながら、キィ、初代の身体を持つ最高神の元へと向かった。
「おかえり、当代」
キィ兄ちゃんが手を振ると同時にテーブルの上に置かれているヒィロ兄ちゃんもチカチカと瞬いた。
「ヒィロもおかえりだって~」
「ただいま」
この後、告げなければいけないことがあるのがしんどい。
「この間は古い本、ありがとう。半分まで読んだけど、楽しかった。でも……」
「あ、お家、半分くらい燃やされちゃったもんねぇ」
「うん、多分本も……」
僕が言い淀むと、ヒィロ兄ちゃんが怒ったようにピッカピカと輝いた。
「あぁ、ハイハイ、わかってるよ、ヒィロ。ごめんねルイン、気を使わせちゃって。あれだ、刻の神でも呼んでお家全部元通りにしてもらおうか?」
キィ兄ちゃんの申し出に、僕は首を横に振る。
「その必要はないよ。人がやったことは人がお片づけするべきだからね。僕たちの役割を取っちゃだめ」
「ふふ、そうだね。ごめんね、余計なこと言って」
嬉しそうにキィ兄ちゃんは笑った。
「それにさ、そろそろお引越しもいいかもって考えてるんだ。どこかいいところないかな?」
おまけ
学力テスト解答(一部)
千年以上残ってる世界唯一の国は?
ルイン(ハギーヒル)
アルル(ハギーヒル)
シュローン(ハギーヒル)
*一族がハギーヒル周辺には住まないと決めている為(ハギーヒルには親戚が住んでいる)
隣国で一番の麦の生産地は?
ルイン(フォレーナ公爵領)◎
アルル(ーーーー)×
シュローン(リストア平地)△
エリーナの日記はどこにある?
ルイン(ーーーー)×
アルル(枕カバーの中)◎
シュローン(瓦礫の下)………◎
*隣国に拠点を壊され占拠された後。確認のために呼ばれたエリーナは悩んでから正答だとため息を吐いた。
セルミィ(ルインの姉、シュローンの妹)の好物は?
ルイン(野いちごのジャム挟んだクッキー)◎
アルル(ジャム挟んだクッキー)◎
シュローン(カップケーキに野いちごのジャム載せたやつ、ジャム(マーマレード等苦味のあるもの除く)を使ったクッキー、スパイスが控えめな干し肉、俺が作ったお菓子全部……(以下長々と続く))◎(怒りのせいか歪んだ正当マークが書かれている)
「兄さん!」
「どうした、ミィ?お顔が赤いぞ?熱でも出たのか?」
「出てない!なんでテストであんなこと書いたの!?正解かどうか確認してくれって見せられて、すっごく恥ずかしかったんだから!!」
「………?別に間違った事は書いてないだろ?」
「間違ってないから恥ずかしいの!!!」




