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「朝読、なんて嫌い」その後

「朝日先輩、ちょっと相談があって……」

と図書室で言ってきたのは、いつもの強気な感じとは違って控えめな様子の清水さん。


 清水さんからの話は、朝読とナンプレ本の件で反省したことがあったとのことで。

 朝読をきっかけに、読書の面白さに気づいてくれる人、読書が好きになる人がもっと増えていいはずいいのに、そうなってないと感じてて。

 図書委員として、そういうきっかけづくりできてなかったなと思ったそうで。

 まっじめー! でもえらい!


「それで、朝読をきっかけに読書に興味を持ってくれた人に、放課後に図書室で長くてゆっくり読める本を選んでもらって、借りて家に帰って、食事してお風呂に入ったあとに、眠たくなるまで本の世界に没入する、そんな読書体験をしてもらいたいな、と思って」


「それは私たちにとって、普通の読書なんだけど……。

 朝読だけで読書が終わっている人に、より読書を楽しむためのヒント、きっかけになることをやりたいってこと?」

「そうなんです!

 それは読書好きな人なら普通にやってることです。

 でも、長くゆっくり時間をかけて本を読むことを面白いことだと思えない人もいると思うんです。

 だから、コスパやタイパとか言いがちな人に対しても、なにか読書の目的になることを絡めて、放課後の図書室で本を楽しむ方法を知ってもらえないかと思って。

 それで、みんなで『読書マラソン』にチャレンジしたらどうかと思って」

「読者マラソン?」

「はい、『読者マラソン』」


 読書マラソンとは、読書推進のために全国各地で行われている取り組みだ。

 読書マラソンの参加者は、エントリーしてまず本を読み、「読書カード」にその本の感想を書いて、書店のカウンターなどに提出することで、本の割引などの特典が受けられる仕組みとなっている。

 いろいろな書店・団体が行っているけど、もっとも有名なのが大学生協における読書マラソンらしい。

「私がみんなに勧めたいと思っているのは、高校生向けの読書マラソンです。

 夏休み中に三冊読んで、読書感想カードを提出したら、いろいろな特典がもらえて、優秀賞には図書券までもらえるってやつです」

と言って、応募要項を取り出してくる。


「へー、こんなのやってるんだか。

 でもこれって、朝読で読んだ本でいいし、自分で応募できるよね?」

「はい。

 もちろん朝読で読んだ本でいいし、自分で申し込みもできます。

 でも、朝読で告知だけしても、応募用紙をもらってきたり感想カードを用意したりしないといけないし、本を読んだ感想の書き方がわからなかったりして、めんどうになってやらないと思うんです。

 だから、朝読ではなく『夕読』として、図書室で放課後に読書マラソン用のサポートする会を開いたらどうかと思って」


 なるほど、朝読の次は「夕読をしましょう」ってキャンペーンをやるってことね〜。

 夕方に図書室で本を読むだけだと普通すぎるから「読書マラソン」っていうエサで釣るってわけね。

 うーん、うまくいくかどうかわからないけど、清水さんなりに今回の件で思うことがあってやる気になっているようだし、今度の図書委員会で話し合ってみようか!

 やるってなったら、PRには、生徒会や新聞部に協力してもらったり、読書感想カードの書き方を、山口先生やミナミ書店の沖田店長、名編集者の江藤ママに教えてもらったりしようかな?


 よし、清水さん、夕読、提案してみよう!

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