16話_バトルロワイアル_原生林での死闘3
2日目の朝。
天気は相変わらず霧。
夜は大きな岩の影に横になって寝た。
岩場という事もあり、岩のヒンヤリとした冷たさが気持ちよかったが寝心地は最悪そのものでとにかく硬い。そして腹を切られた痛みでろくに睡眠も取れないまま翌日を迎えてしまった。
朝というだけあって涼しいがまた日が昇るにつれてサウナのような気温になるのだろう。
行動の方針として、最初に集まって解説を聞いた広場へ向かう事にした。
もしあの広場で殺し合いが行われていれば、死体が転がっていてその数を数えることができる。
スマホも充電が残り20%。水分も足りないし、腹部の傷も血は止まったが派手な動きをしたら傷口が開いてしまう。
1時間ほどかけて、ゆっくり歩いてようやくあの広場が見えてきた。
霧の影でよく見えないが、巨大な人影が見えた。
霧が一瞬晴れて、そこに現れたのは身長が190cmはあるであろうイラン系の大男。
そして後ろには何人か人が倒れている。
イラン系の大男はこちらに気付いたのか、拳大の石を持ってこっちに走ってきた。
距離にして約100m
慌てずに、腰の拳銃を取り出し、マガジンを装填して安全装置を外してスライドを引いた。
50mほど手前で、拳銃を目視したのか男が急停止した。
その隙を見て、引き金を引く。
パァンという音が広場全体に鳴り響き、衝撃が両手に伝わる。
どうやら弾は命中したようで、大男は膝から崩れ落ちて動けないでいる。
銃を構えたまま距離を詰める。
「チョ、チョットマッテ。」
瀕死のはずなのにどこからそんなに大きい声が出るのか。
黒いシャツの上からでもわかるくらい、血が胸から流れていた。
「ワタシ、アナタのテキじゃない。撃たナイで。」
「何人殺した?」
「え?」
「何人殺した?正直に答えて。」
「エット、4人」
「他に死んでた人は何人見た?」
「10人イマシタ」
「わかった。人が多くいそうな場所はあるか?」
「アッチに、川アルヨ。ソコニヒトイタ。」
男が指を指した場所。ここから更に北だ。
「オネガイ殺さないで。」
「ごめん。無理。」
引き金を引いて頭を撃ち抜いた。
動けない状態にして、ナイフで殺害も一瞬考えたが人間の脊髄をナイフで破壊できるのか疑問だった。
失敗したらこの男の方がフィジカルが強いのでこちらが負ける可能性もある。
この男から聞いた話では14人死んでいる。
この男で1人。
昨日ヤクザが殺した男1人。
昨日俺が殺した高校生、子供、老人、ヤクザの4人。
分かっているだけでも計20人死んでいる。
残りの拳銃の残弾は5発。




