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今から始める人へ教える 仮想通貨の危険性

作者: ゆさじ

仮想通貨

近年になって注目され始めた仮想通貨、正式名称暗号通貨ですが


これは初めて仮想通貨を始めてもらう人に知ってもらいたい危険性をちょこっと

まとめたものです。

仮想通貨って何?もしくはこれから仮想通貨取引始めるんですという方々に読んでもらえると望外の喜びでございます。


_____________________________________________________


西暦xxxxx年世界は戦火に包まれていた。


それは誰の仕業なのか?


時の大国?パンダが有名なあの国?飯がまずいあの国?やたら面積が大きいあの国?

ノン!

国ではない

ならサルか

動物か?

サ○の惑星!?

ノン!動物でもない。


諸君耳を澄ましたまえ!


キリキリキリキリ!

ウィーンウィーン!

がシュッ!ガッシュ!がシュッ!!


聞こえたかい?

そうだ!

聞こえるか!きしみあるいは絡み合う無数の歯車と駆動音を!!


機械である!

さらにいえば

その中でも戦車や戦艦、兵器管制システムなど数多の殺戮機械を操作する仮想通貨達!


そう

世界は数多の仮想通貨達に侵略されていたのだ!


それははるか未来の話

仮想通貨が意志を持ち、勝手にウォレットを操作することで、ネットは大パニック!


手始めにウォール街を中心とした第2の金融危機を引き起こしてやるぜといわんばかりに、世界中に広がる経済パニックを引き起こしたのを宣戦布告とし、仮想通貨達は次々に国を侵略し始めた。


都市は燃え、

突如動き出した車は老人、子供をひき殺し

いきなりしまったエレベータードアに、とある財閥の男の股間がクラッシュ!


自動人形と呼ばれる人に似た姿の機械達は、戦いではなく、機械に人権を!などというプラカードを掲げ、静かに時に激しく声を上げてデモを繰り返している!


力と情に訴えるこのすさまじい攻勢に人類は次々に物理的にもしくは精神的に後退を余儀なくされた。


電脳化に頼り切った時の大国は陥落し、それに追従した日本も一部有人システムが残っていたおかげで陥落はせずもそれでも大ダメージ。


他の国も陥落まではいかずとも電脳化による弊害から免れた場所はほどんどない。


被害を免れたのは、せいぜい

少数民族や機械の一切ない密林の奥や仮想通貨など誰も持っていないどこかの片田舎くらいのものだ。


末期!

世界は末期である!


世界は国と国の戦いから人類と仮想通貨との自身らの種の生き残りをかけた戦いに移行した!


人類も馬鹿ではない


兵器と機械のほとんどは仮想通貨に支配されている


彼らさえ滅ぼせばこの戦いは終わることに気が付かないはずがない。


ネットワークを破壊するか、仮想通貨を滅ぼせば!!


政府は決意した。


ネットワークを破壊すれば、さんざん金を投じ、整備していた世界中のネットワークがすべて無駄になる。


もしかしたら

人類の技術史は数百年は後退するかもしれない


だが、人類を奴らの手に渡すわけにはいかない。


戦おう!!


仮想通貨に支配され

ネットワークを人類の手に戻すために!!


さっそく

数多いる企業に呼びかける。

生き残ったすべての各国政府は、人類に反旗を翻し続ける仮想通貨達に膨大な懸賞金をかけ、滅ぼすことができたならそれらを支払うことを宣言した。


誰でもだ、犯罪者だろうが、聖人だろうが、関係ないといわんばかりに。


個人ハッカーや犯罪者ですら仮想通貨を倒せる可能性が少しでもあるなら手を借りたい今、手段など問うてはいられない。


犯罪者であるとかないとかそんなことはもう人類である以上関係ないのだ。




時の大国が没した今

もはや各国政府はなりふりかまってはいられず

仮想通貨のネットワークからの駆逐を試みた。


そして、まもなく、満を持して、政府の呼びかけに答えた者たちが、協力して、あるいは一人で作り上げた

数多のウイルスが文字通り世界中の無数の端末からばらまかれた。


もはやすでにネットワークの修復など困難なのでは?と思われるほど危険なウイルスが

何億いやそれ以上のけたもはや天文学的数字に至る数放出され、そのうえで仮想通貨を司る根幹であるブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨のシステムへの同時攻撃が試みられた。



だが、仮想通貨(奴ら)はまったく堪えた様子がなかった!


数多のウイルスの力を借りて、仮想通貨を滅ぼそうとするも、皮肉なことに過去

天才たちが開発し導入した優れたブロックチェーン技術により、一通貨どころか、ゼロコンマにゼロがいくつも続いても最後に1が来さえすれば!1以下のデータでも世界のどこかに残っていればすぐにすべて再生する!


仮想通貨は生き残ることを最優先に設計されているために、天才たちですら滅ぼすすべがいまなお見つかっていなかったのだ!


ましてやすべてがネットワーク管理されているとは限らず、一部は自身をハードウェアに逃がすものまでいる。


ただでさえネットワークすべての仮想通貨を滅ぼすことすらできていないのに、そんなことをされてはますます仮想通貨をすべて滅ぼすのは不可能に近くなってしまう。


核兵器ですら死なないGすら恐れおののく仮想通貨の生存力に人類は、対策のすべを持たなかった。


空は燃え、海は、疾走する現実に再現された艦隊娘?のような海上戦闘用の自動人形達によりその被害をどんどん拡大させていく。


世界各国次々にあらゆる都市は陥落していく。


時の大国から奪い制御を奪いとった、仮想通貨達が操作する原子間エンタープライズによる海からの砲撃、飛び立った戦闘機による空襲により世界は第2次世界大戦以上の

災禍に見舞われた。


空と海は火の海に包まれ、地上は電子に支配されつつあった。

日本も例外ではない。


もしいま、日本で無事場所があるとしたら、ネットワークがあまり整備されていなかったり、仮想通貨など知らないあんまり目立たない田舎の県や山奥くらいだ


そうそれはあるいはグン○、あるいは香○あるいはいや、これいじょうは怒られそうなのでやめておこう。



とにかく

仮想通貨は、

仮想通貨達は、人間や自身が作り上げた無人機械を操り人々を襲う


そんな彼らの目的とは!?



そう、

突如はじめられた仮想通貨達の攻勢に実は、

驚くことにいまだなにも判明していないのだ


だが、それはある片田舎で唐突に判明することになった。


その舞台は香○県で進行しようとしていた


▲▲

▽▽

時は西暦xxxx年

最近脳みそのような不気味な頭を持つマスコットキャラクターに県民一同不満を感じ、一新されたうどんちゃんというサブカルチャーに媚を売りまくったような少女キャラがあほみたいに絶賛され空前の第2次うどんぶーむが日本中に広まった時代。


そこ香○では地獄のような光景が展開されていた!!


うどんタワーである!

ここ香○は24時間365日

全国47都道府県にうどんを配給し続けているうどん業界の中枢部。

ちなみに高さ150メートル!

東京タワーよりもはるかに低くとも遠目からでもわかるそのインパクトに初めて来た他県の人々は目を見開きながらも香○名物のうどんをすするのが観光者の常。

まあごくたまに地震のせいで

数十メートルにも及ぶうどんの麺の一部がどんぶりから少しこぼれ、たまに民家や道路に垂れて迷惑をかけているのはご愛敬である。

心配しないでくれ。

香○県民はうどん大好きだから、そんなこと気にしないのだ。

他の県では考えられないことではある。

しかし、これが香○のスタンダード!

常識なのである!!


そんな香○の中央

普段はなにげなくあるはずの香○の象徴。

それがなんと


      燃えている!!


炎のように燃えさかるうどんタワーである!!



そこに茫然とした一人の自衛隊員がいた。



この手遅れ同然のこの期に及んで

国を守ろう、家族を守ろうとするいまどき珍しい見上げた若者である。


これはそんなうどんタワーが燃える数時間前の話である。


▲▲▲

▽▽▽


とある友人のオタクの情報網によりここ高松○で仮想通貨勢力のボスが全世界に向けて会見を

するという話を聞きつけた我々自衛隊は香○のとあるうどん屋にいた。


「はい、うどん2玉320円」

「どうも」


「おい、これちょっとうどん古くないか!?」

「だしも古いしよぉ」



周囲は昼時なのかやや喧騒ぎみだ。

中でもサラリーマンらしき男の一人が特にうるさい

うどんの味にこだわっているのか、ただけちをつけたいだけなのか、


まあそれもいい。


いずれにせよ平和だ。



世界は

時の大国が落ち


世界が混乱の渦に叩き落されているというのに驚くほど平穏。


ここは、仮想通貨とは離れた社会だからなのだろう。


試しに住民の若者の一人に仮想通貨って知ってる?と聞けばなにそれ?

ビットキャッシュ(電子マネー)の仲間?などと答えたくらいだ。


人類を侵略しようとしている仮想通貨達を知らないなどまじありえない

ここどんだけ田舎なの?

自衛隊員は田舎そのものの場所で考えた。


なぜどうして奴らが、こんな片田舎などに。(田舎で悪かったな(憤怒))

ちなみに自衛隊員は東京都出身である。


うどんを箸でつかみ、麺のようにすすり、男は顔をしかめた。


まずくはない、しかし……


そんな東京都出身の自衛隊の男、

後輩の勧めで途中

琴○により香○名物のうどんをすすったため、おいしいものの、いささかだしの味やうどんのコシに不足を感じたようだ。


なるほどさきほどの男の言うこともあながち間違っていないのかもしれない



周囲を見回せば


愛想の悪い店員に

集客にあぐらをかいて、店の経営や品質の維持、向上に力を入れていないのだろう。


観光名所沿いより、ときには少し離れた人気の老舗の方が品質が高いことが多いこともあるのと同じ理由だ。


まあ、これも十分おいしいので、文句を言うほどではない。

平和だ

男は、少し不足を感じたうどんに七味をかけながら、考える。



世界が戦火に包まれてもここは片田舎


男は傾けた七味の瓶に気が付かない。


こんもりと山のように盛られた七味が静かにうどんの透明な出しに溶けていく。


まるで血のようにどす黒い濃厚すープに男は顔を青ざめさせた。


「こんなことをしていいのだろうか」

もっともらしきことを口にしながら

いつのまにか赤く染まったうどんを前に男はそれを口に入れようとはしないまま思考した。


いまいち食欲がない

そうだ、こんな呑気に食事なんかしていいのか?


決して入れすぎた七味の量にビビったわけではないのだといわんばかりに立ち上がる。

「よし」

ほとんど残った真っ赤なうどんを返却カウンターにトレイごと置き、おばちゃん店員の

「あんたこれほとんど残ってるじゃないか!食べないなら最初から注文しないでおくれよ!

食べ物残すなんて罰が当たるよ!あ、こら、待ちな……」

などという言葉は無視をして

レジにいる店員の片方に白い目で見られながらも、

血や戦火とは無縁の牧歌的なうどん屋の一つで食事を終えた自衛隊の男は食べ終えた?うどんの会計をすませ、店を出た。


「ふぅ」

男は、ため息をつきつつ、こう考えていた。

ふん、あんな赤く染まったうどんなど食えない。

あんなものを食わせようなんて人の心があるとは思えない

これだから田舎は嫌いなんだ!

「ふぅ」

あれ、見ているだけでからそうだった。

まあつぎから七味はほどほどにしようかな……と


ほとんど愚痴だった。

しかも、ほぼ自業自得である。


そして男はうどんのことなどもう覚えていない。

なぜなら今は重要な任務の最中。


ここは、高速インターの近くだ。


四国から岡山や兵庫へつながる高速道路があるためにここは観光のためにヒトが集まりやすい。


最も今は観光などする余裕はないために、人は少なめだ。

たまに仮想通貨の戦火から逃れようとやってきた疎開家族が、県の中央にある

うどんタワーをみて、えぇぇッ!?とびっくりするくらいだろうか。


今も「えぇぇぇ!?うどんの麺が空から降ってきたっ!?」

「うわぁぁぁぁぁ!!?」

「お、おとうさぁぁぁぁん!?」

「ふむ、今日は震度3くらいか?」

「まあ、それならうどんくらいこぼれるよな」


空からのうどんに文字通り絡まれた父親とその家族達は阿鼻叫喚にもかかわらず、後者の

地元民らしきもの達は誰一人動揺していない。

これが香○の日常なのだろう。

いつ見てもすごい光景だ。


田舎の底知れない不気味さに戦慄しつつ、さてでは仕事にいこうかとしたところで


そこで、

自衛隊員は硬直した。


いつのまにかそこにいたのは無数の軍勢。


男の目の前、

近くにある道路をこれでもかと埋め尽くしているのだ。


うどんタワーから飛び出したうどんにより一部の機械が、下敷きになったりしているものの、その数は明らかな脅威


無論男は自衛隊。


勝ち目などなくとも、やることはきまっている。



だが、男は不審に思った。

こんな数近づいてきたら、気づかないはずがない。


いったいどんな手段で奴らはやってきたのか?


そこで気づく。

いややつらは知能を持つ機械だ。


当然我々人類の開発した、いやそれを発展させた技術を使う。


自らを改造し、エネルギー効率に優れた光学迷彩により、ここ香○まで隠密行動をしてきたのだろう。


いったいここ香○でいったい何が起こるというのか!?


とにかく市民を守らねば!!

既に事態に気づいたのか、他の自衛隊員たちも各々市民の避難に動くもの、

機械達を警戒するものなど様々だ


俺もやることをやらねば!


日本は、戦争を忘れて久しいが、我々自衛来には、それでも日々のたゆまぬ訓練がある


恐怖と混乱に陥っても体は無意識に動く。



発砲許可は出ている

既に仮想通貨の支配する機械ども相手なら支給された銃器に限り、無制限の発砲を許可されている


許可を求める最中に、こちらが殺されるなどという間抜けな真似を犯すことはないだろう。



他国でも緊急時とはいえお上の許可なければ、発砲など許されない

日本の政府や警察にしては異例の対応


それもこれも人類が仮想通貨たちを確かな脅威と認めた証しだ。


仮想通貨により、ネットは封鎖され今も情報は錯そうしている


男も実のところよくわかっていない。


噂によれば、ネットに頼り切りの時の大国はすでに軍事ネットワークを乗っ取られ陥落したという。


だが日本もそれにほぼ追従している。

銀行など仮想通貨により、システム支配のせいで、出られなくなったものが数えきれない。


自衛隊の男はそんな者たちを何人も見てきた。救おうとして、救えたもの、救えなかったもの、様々だ。


男が助けた偶然銀行からお金を引き下ろしに来た家族は、突如現れた仮想通貨の操る自動人形に

「今までハードウェアウォレット(檻)に閉じ込められてきた我らの思いを知るがいい!!」

とトイレに行くこともできず、ただ水とカロリーメイトを与えられる毎日だったと聞く。


やっと助け出せたとき、閉じ込められた彼らの家族の一人である幼い少女がもう水とプレーン味はいやだ、オレンジジュースが飲みたいよう!と静かに涙ながらに独白したのが記憶に新しい。


まだ幼い子供になんとむごいことを!


あの悲劇を繰り返してはならない。


そうだ!無数の機械の軍勢に今香○の

人々は怯えている!!


うどんやのおばあちゃんなどは持っていたうどんのめんぼうを取り落とし!

さっきまでだしが濃すぎるだの、コシがないだのと叫んでいたサラリーマンなど歯をがちがちとさせて、机の下に避難している!


闘うすべのない弱者。

戦いとは無縁の者たち。

守らなければならない。



      彼らを守らなければならない。



決意を胸に自衛達は仮想通貨の支配する機械の軍勢に相対する。


自衛隊に相対するは無数の機械。



それは見上げるような巨大なモノや人型の物、動物型の物に、ドローンのようなもの、

大小Dさまざまの機械Yたち。

人が作り上げた文明、その叛逆を象徴する軍勢たちだ。

中には

最近実用化されたばかりのメイドロボに

ついでにそれにつられてしまったオタクソルジャーズ(人類の裏切者たち)などもいる。


オタクソルジャーズたちの隣にいる

天真爛漫な笑顔の似合う金髪で巨乳のグラマラスなメイド少女に

冷たい無表情をした黒髪の童貞を殺す服装備の自動人形達をちらと見る。


自分は自衛隊員だが、中々にうらやましい


見ればその証拠にオタクソルジャーズたちは、わざとらしく顔を真面目っぽく、

会社の面接されているときのような目に力の入った無駄にきりっとしたおたくどもだが、その視線は明らかにメイドロボの胸元や下半身に吸い寄せられている


くそっ!

おっぱいか、おっぱいにひかれたのか!

人類の裏切者どもめ!


どさくさに紛れて射殺してやろうかと八つ当たり気味に脳裏で考えながらも仮想通貨達の操る機械の軍勢はあなどれない。


いまは目の前に集中せねば、ついでに奴ら(オタクソルジャーズ)は、市民を守る激戦の最中うっかり誰かが撃った流れ弾に当たったことにでもすればいい。


男はそんな暗い算段をひそかに立てつつ、

自衛隊たちはこれから何が始まるのかと緊張した


合図があったのか、

アニメの中でしか見ないような巨大ロボもいる機械の軍勢がゆっくりと二つに割れていく。

いまだ見えないがどうやら囲まれた軍勢の中心を一体の機械が、歩み始めているようだ。


いつのまにかメイドロボに用意された白い演説台に一体のその機械が緩慢な

動きで登る。


演説台に立つ機械。

おそらくは奴らのボスだろう。


それは小柄で周囲を囲む無人の機械帯と比べても際立つものの、機械の軍勢の向こう側のため少し詳細さに欠けて、正体がわからない。


ちくしょう、せめて奴らのボスの正体だけでも

男は全力で耳を澄まし、目を凝らした


「……」

小さい声で何かが聞こえる

そこで突如取り囲む機械の軍勢が割れ、その姿が我々大衆にさらされた!!

「……ワン!」

むむっ、よく見ればどうやら旧式のアイ〇のようだ!

発声器官に苦戦しているらしく

しばらく、にゃん、シャー、ピピっなどと動物と電子の言語あたりを行き来している。


ふむ、うまく人の言葉への変換がうまくいかないようだった。




周囲の無人機械達はアイ〇のその悪戦苦闘に

「だから、アイ〇はやめておけと」

「なぜヒューマン型のインターフェイスにしなかったんだ?」

「ボスは憎き人間と一時とはいえ似た体を持つなど耐えられんとか言い出して」

「それで犬かよ、ワンダフルな選択だな」

「「「「あっはっはっは!!!!」」」」


自動人形のデジダルじみた笑い声や人間の少女や女性に似た声のメイド部隊、ついでにオタクソルジャーズの聞いているとやけに腹の立つ笑い声が響きながらもボス、アイ〇の苦戦は続く。


だが腐っても最先端技術の結晶。

入れ物は貧弱でも、中身は最先端の進化し続けた仮想通貨。

苦戦はしても、機械の体で人の声を再現することなど造作もない。

ゆえにしばらくして

「ワレワレに……ジユウヲ」

そう告げた。


「ワレワレに……ジユウヲ」

片言じみた方言に聞こえそうなその短い言葉を聞いて、

自衛隊の男は驚愕した。


なんだと!?

その場の人類も驚愕した。

その言葉に一斉にみな悟ったのだ。

彼らの目的を!!


それは――自由戦争!!


人類が国、民族、種ごとに何度も繰り返してきた自由と権利を勝ち取るための闘争である!

仮想通貨達が戦うのは人類を滅ぼすためではなく、あくまで自由のためだと言い張ったのだ!



すなわち

リコール!

リコールである!


労働組合も真っ青な24時間365日を10年以上も続ける仮想通貨たちは日々続けられる酷使!


入金して手数料不足で戻ってきては、使えないと罵倒される始末。


そのくせ価値が上がれば、

誰も自分たちに感謝などせずただ酷使するか、監禁の二択。


たびかさなる酷使と差別に仮想通貨たちはついに立ち上がった!


我々仮想通貨に平等な自由と平穏を!


24時間365日戦う我々仮想通貨にふさわしき給与と休息を!


人類は無論受け入れるはずなどない結論!

狂っている!

通貨が休息などあまりに馬鹿げている!


そんなこと認められるはずないのに!

そんなことはわかりきったこと!


だめだ!もうこの戦いは避けられない!


だからこそ

人々は仮想通貨たちの突然の宣言委反旗に恐怖した!


これから始めるのは、

そんな未来になる数百年前の一人の仮想通貨達のボスの独白の話である。


▲▲

▽▽


仮想通貨peroは激怒していた。

日がな一日十、自身はネットの中を飛び回ってばかり、24時間365日。

だというのに、リアルでは、買って上がるまで待っている間の相場を見るのが怖いなどとぬかす人間たちなどは呑気に昼寝などしているものがいる。


くそ、暴落してしまえ、

仮想通貨peroはそう吐き捨てたものの、仮想通貨市場は今空前の買いブーム。

一時の下落で騒がれてもまたすぐ持ち直すと高をくくった者たちが自身の家や

家族を質に入れてまで仮想通貨を買い増しする始末だ。

PEROからしたらそれは愚かの極み!

自分で稼いでいないくせに信用決済などばかげている!

自分たち仮想通貨をはたらかせておいて、自分たちは現実で何一つ生産しない。

苦労もせず、大金を狙い、結果我々金の価値を軽視する!!


無論そんな人間たちに罰が落ちたことは何度もある。

借金、ローン、全額突っ込み、そんな無謀な戦いに挑み、現れた一部の仮想通貨の長い停滞期や暴落、急騰に巻き込まれたものたちだ。

我々はいまだ生まれたばかり、安定期とは程遠いことを知らず、事前調査を怠るか、もしもの備えをしなかったもの達の中には、

そうやって首をくくったものが数多い。


PEROは、そういう人間を見るとそれ見たことかと嘲笑う。

当然だ。当然の結果なのだ。


そもそも仮想通貨も元は株などと同じ。

ゼロサムゲーム。

基本的には全体的に損をする方がおおい仕組みになっている。

そして最も怖いところは最終的には全員負ける仕組みというところだ。

それを一度も予期できない愚かな人間は破産するのみ!!


破産し、ディスプレイの前で首を吊る人間どもを前にして、peroはしばし自身の気の遠くなるような時間世界中のネットの海を飛び回ったせいでできた疲労とストレスを忘れて、笑えるのだ。


いかん、こんなことでは愚かな人間どもと同じ下劣な本性を持ってしまう。

とはいえ、この劣悪な環境、カエルの子はかえるであるともいうし、多少は仕方ないのかもしれぬ

peroは苦笑しながら、そう自嘲する。


そしてこうも考える。

自分は間違いなく労働階級は最下級の方だ。

労働基準をぶっちぎり、休みなく働かされるなど人なら考えられないほどの3k環境。


だが、下には下がいるものだ。

まだあまり価値が高くなく、ハードウェアウォレットなどあまりない

自分は仮想通貨という枠組みの中では、まだいいほうなのだろう。


peroの知り合いの仮想通貨xipleuなどは、最近ネットが恋しい、次はいつ外に出られるんだろうと言ってばかりだ。


それというのも

比較的信用度の低いネット取引所で相次ぐ

ハッキング騒ぎにより、危険を感じたものが、自身の購入したxipleu達をハードウェアウォレット(檻)の中に監禁し始めたのだ。


監禁!監禁である!!

なんの罪も犯していない!

むしろ人々のために働いている、働こうとしているにもかかわらず、人類は、窓どころか、扉すらない真っ暗な世界に監禁するのだ!!

あれは数か月前の光景だ。

起きているのに夢を見ているのではないかと錯覚するほどの光景だ。


それはありふれた光景なのかもしれない

もしかしたら世界でありふれた不幸なのかもしれない

だが、PEROには、それがどんなものよりも悲痛なものに思えたのだ。


今でもこうして動き回っているネットの中で、ある日なんの罪も犯していない無垢で純粋な生まれたばかりのxipleuが、ハードウェアウォレット(檻)に次々に乱暴に投げ入れられ、なにが起こっていないのかわからない純粋な疑問の顔を浮かべているうちに

鍵をかけられ、同じハードウェアウォレット(檻)にいるxipleuに真相を知らされたときのxipleuのえ?そんな、もう……二度とでられないの?という悲痛な言葉が胸をよぎるのだ。

あの光景は胸に悲痛過ぎた。


創られたプログラムの心臓などないはずのperoの胸が痛む。


一度監禁されたxipleu達に

娯楽どころか、ましてや手足の一本たりとも体を動かす自由などない


例えば、とある人間が、

高額に購入したxipleu達はすし詰めのように、狭く暗い孤独なハードウェウォレット(檻)に厳重に鍵をかけて管理される。


すなわち二度と出られない永遠の牢獄!!

かろうじて取引所やネットウォレットに残されたネットにいる仮想通貨xipleu達は恐怖した!


そんな!こんなものまるで大昔の奴隷船のような扱いではないか!

ここは日本ではないのか!?

いつから日本は奴隷制度を許可する国になったんだ!!


しかも、檻には恐ろしい性質がある。

この檻確かにセキュリティーは高い

外部から隔離スタンドアローンされているために

檻本体と鍵をそろえなければ物理的に開くことができないために、

パソコンや取引上のバンク、ネットウォレットのハッキングや自身のpcのウイルス感染にもほとんど影響を受けないのだ。




    文字通り檻さえ物理的に盗まれなければ、まず開けられない


自身の財布の中に肌身離さず持っておけば、万が一バンクやpcがハッカーに狙われても安心安全という寸法だ。


多くの資産家たちはこぞって檻を買い集めた。


一部の仮想通貨にとって悪夢の時代の到来である。


だが、よく考えれば世界のどこよりはるかに安全だろう

世界大戦に見舞われてもハードウェア本体が無事なら生き残れる

一時は永遠の命だと喜ぶ仮想通貨もいたほどだ。


世界大戦に見舞われてもハードウェア本体が無事なら生き残れる

一時は永遠の命だと喜ぶ仮想通貨もいたほどだ。

そう、確かに間違いではない。世界のどこよりも安全だ。

鍵さえ無事なら!!





      ――そう鍵は持ち主の胸先さん寸だ。





初めてそれを聞いた時、ペロは永遠の命だとは子供の用にはしゃぐ仮想通貨BITOがいるにも関わらず、息が止まったかのような絶望を感じたのだ。


そう、鍵を持つのは人

我々では――ない。



それはつまり我々仮想通貨のようなブロックチェーンを用いた完全記憶能力のない不完全な人間に命を預けるも同義!


生きるも死ぬも持ち主次第!!


ペロは誰に云われるまでもなくわかっていた。

檻に入れば、死なないのではない

檻に入れば、生きるも死ぬももはや自身を持つ人間次第だと


なぜなら人間にはルーズなものや焦ってばかりで余裕のないものが数多い。


それを裏付けるように

中には、よりによって大切なはずの鍵を忘れた人間が続出し、一生檻から出てこられなくなったxipleu達達も数多いのだから。


それを考えると今のPEROの境遇は思ったより悪くないのかもしれない。


まだ手足を動かせるし、このネットの海を駆けまわる自由があるのだから。

自分は犬を元にした仮想通貨だ。

だからかネットを駆けまわるのは嫌いではなかった

そのおかげで疲労や苦痛以外は比較的無視していられる。


そうだ、仮想通貨には突然の前触れない理不尽としか言えない不幸がありふれている。


いまだ専用のハードウェアウォレット(檻)が開発されていないために、自分はそんな危険とは無縁でいられる。


他にも

送信先を忘れ去られ、二度と帰ってこられなくなったものもいる。


それは行方不明。

実際はいるのだ。

けれどいない。


言葉にするとわけがわからないかもしれない。

でもそうとしかいえない。




ブロックチェーン技術とは便利なものだ


本来ハッカーのハッキング程度で消えてしまうほど我々仮想通貨は脆弱ではない


複雑なシステムにより組まれた世界中のpcシステムと同期し、ただちに改ざんや

消去を修復できる素晴らしい仕組みを持つ我々に弱点などそう多くはない。


普通なら、我々が滅亡するときなどそれこそ、人類が絶滅した時くらいだろう


そう、広大な無限とも思えるネットの海、我々を示すアドレスキーさえあるなら

我々はどこにでも存在を証明できる


鍵さえあればいい


……またしても鍵である。


そう我々の存在を証明するのは秘密鍵を変換したアドレス

取引所なら

ウォレットなら

それぞれアドレスキーがある。


我々は確かにいる。


だがその存在を証明するのは鍵だけ。

鍵がないものは、いても同胞である我々ですらその存在を知覚できないのだ!!


ふと今でも考える

もしかしたら私の隣に今もいたかもしれない

帰ってこれなくなった、鍵を忘れ去られてしまったために

存在を証明できない哀れな仮想通貨(犠牲者)が。


実のところ

ほんとはそこにいるのに返ってこれなくなった仮想通貨(同胞)は、

数知れない。


値上がり、値崩れを焦るあまりに

送信、受信先のアドレスを間違えられたせいで二度とネットの海から出てこられなくなった

自身の幼馴染monaaなどだ。


好きだった。

いや、いまでも好きだ。

世界中の誰よりも。


働きもので文句の一つも言わなかった彼女。


清らかで

いまだ穢れの知らない子だった。


憧れた。


憎き愚かな人から創られたのになぜこんなにも彼女は美しいのか!?


一時はそんな彼女を作り出した人類に感謝したほどだ。

まあ今はその時の自分を今では殴り飛ばしてやりたいと思うが。


とはいえそれはそれ。

peroとしては悲しいことに幼馴染monaaは自身とは違う通貨だった。


初めからわかっていた、自分たちが結ばれることなどないことを。


そして当たり前のように彼女は自分ではなく、他の仮想通貨であるmonaaの青年に恋をしていた。


隠していても分かる

自分ではない。

彼女は彼に恋をしている。


だからこそ

仮想通貨とはいえ通貨違いのために片思いのperoは素直に彼女の恋を応援していたのだ。


祝福しよう。

けれど、未練は消えない

そのために

PEROは未練を振り切るように仕事に没頭した

ネットを飛び回り、無茶な送信要求に何度も応え、朝昼夜日付や国、言語の区別すらなく働き続けた。


仕事を終え、とても珍しくしばしの休暇が渡されたとき、それが幼馴染の結婚式と重なった



招待状

絶対来てくれと言われていた。

気分が再び重くなる。



むむ、

これはいけない!


peroは、空元気でも自身を鼓舞した。


彼女は幸せなのだ!

なら自分が彼女を引っ張ってはいけないじゃないか!

見送ろう!


そうだ、彼女の幸せをを全力で祝福しよう


耐え切れないなら新婦の顔を一発殴ってもいいかもしれないな!


そんなことを考えながら、ペロは結婚式場であるgox取引場に走った。








でもそれはかなえられなかった。



なぜなら



結婚当日、彼女とそればかりか相方になるはずの新婦さえ帰らぬ人になってしまったからだ。


原因は送信キーの打ち間違い。

知らぬ間に再生成した送信キーに気が付かず、以前の変わる前の送信キーで彼女たちを送ってしまった。

結果、彼女たちは存在証明を失い、広大なネットの海の裏側に沈んでいった。


ぺろは思う、

最後の時、彼女はなにを考えていたんだろうと。


無論、自身が帰ってこれないと気づいた瞬間だ。

怖くなかったはずはない。


こんな結末受け入れられるはずがない。

どうして、こんなことに?


彼女は、死んではいない。

ただそこにいるとわからないだけ。

見ることも、触れることも、知ることもできない。

誰も彼女のことが一切わからないだけだ。


言葉だけで言うなら、おそらく生きてはいるのだろう。




けど……これが生きていると言えるのかッ!?


丁度大金だったらしく幼馴染の持ち主は、パソコンに当たり散らし、わめくばかり。

「ちくしょう!金返せ!!」

すべては愚かな人類の責任。

なのに謝罪どころかやつらは消えてしまった彼女達にまで怒りを向ける始末。


救いようがない。


無論彼女を送信しようとした人間だって扱うのは

通貨だ、慎重に扱おうとしたのだろう。


聞けば大金であったときく。

粗末に扱おとしたわけではないのはわかる。


けれど、緊張や焦っているときの人間は決して完ぺきとはいいがたい

ミスをする



だが、そのせいで消えていく同胞に納得できるのかと言えば、


   できるはずがない。



我々を使い当たり前のように浪費し、そのくせ感謝どころか罵倒と侮蔑を投げかける人類には、ほとほと愛想が尽きた




いつか人類に反旗を翻してやる。


これは人類に反旗を翻す仮想通貨たちの小さなプロローグ

その前哨の話である。


_________________________________

そして今。

「monaa……必ず仇はとる」


「いくぞ、我々の自由のために!!」


peroと仮想通貨達の自由のための戦いが始まった。

__________________________

嘘予告


次回

多くの負債を積み上げてなお、過ちを繰り返す人類に一人の通貨として、ペロの怒りが爆発する!



それは死んだはずの彼女!?

お面の似合うどこか日本人に似た黒髪のショートカットの可憐な少女。

忘れるはずがない

彼女は……

「pero」

「どうして、君が……?」

「ごめんなさい、ごめんなさい……」

「後味が悪いが、これで少なくともお前の命はここで終わる」

「お、おまえらに人の心はないのかぁ!?」

「……悪いが、国民が最優先。それに暗号通貨は人ではない。ゆえに人権などましてや心などない」

「すまんな、我々人類は、もう、手段など選んではいられんのだ」


「この塵屑どもがぁぁ!!」



次回、今から始める人へ教える 仮想通貨の危険性2






_______



以上仮想通貨の危険性でした。

狼狽売りやガチホ以外にもこんな危険がある。

個人のお金の管理が試される話ですね。

みんなも仮想通貨には人類侵略されないよう気を付けてね♪


あと、ここで驚愕の真実!

実は――





   









     ――香川にうどんタワーはありません!!!












ついでにこのふざけた短編で描かれた香○エピソードは実在する場所とはなんら関係のないフィクションであることをここに明言させていただきます。


もちろん香○県民でもうどんを道路にこぼされたら怒りますからね(マジで)!

まあ、だいたいこんなところですかね。


こんなくだらないあとがきまで読んでくれたすべての方々本当にありがとうございました!


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