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第2話 ダンジョン作成①

私の名前は、桜 深鈴15歳。突如としてダンジョンマスターになってしまった私は、パニックになり泣き叫んでしまいました。その時、助けてくれたお姉さんがいました。名前は教えてくれませんでしたが、仲良くなれば教えてくれるということだったのでその時を楽しみにしておこうと思います!


「さてと、これからどうしよう………あっ!ダンジョンコアに触れればいいのかな?」


正直なところ私はこのダンジョンコアという物体が苦手だ。だって、私を私じゃなくしようとしていたから。しかしながら、これに触れなければ何もできないのだ。


「勇気を持って…………えい!」


〈ダンジョンマスターのコアへの接触を確認…………これより、ダンジョン作成の説明を開始します。ダンジョンサブマスターを作成します…………成功しました。ダンジョンサブマスターに説明を委任します〉


私の目の前に現れたのは、私と同じくらいかそれよりも少し小さい背丈の少女だった。


「はじめまして、ダンジョンサブマスターを務めさせていただきます。これからよろしくお願いします」


とびきりの笑顔で自己紹介をしてくれた。


「はじめまして、ダンジョンマスターの桜 深鈴です。よろしくお願いします」


「それでは、説明していきますね。まず、ダンジョンコアの機能についてです。とりあえず、コアに触れてください」


「はい、わかりました」


ダンジョンコア機能

〔ダンジョン作成〕→環境・宝箱・罠・モンスター召喚

〔階層追加〕→環境・宝箱・罠・モンスター召喚

〔条件付け〕→ダンジョン全体か階層ごとか選べる

〔ダンジョンショップ〕→生活用品・魔法具等

〔小部屋改装〕→ダンジョンで働く者たちの生活空間をより良くする

〔魔力・魔素吸収〕→最大99999DPまで、自動的に吸収する

〔ダンジョン開放〕→開放後すぐに地上に知られる


「ダンジョン作成についてですが、環境を決めて宝箱を配置します。環境とは、暑いとか寒いとか毒沼が存在しているとかです。宝箱は、設置してもしなくても構いません。罠とモンスターは、必ず配置させておいてください。そして、階層追加で階層を増やして………これを繰り返してダンジョンを作って行くわけです」


「質問です。宝箱に入れる物はどんな物でもいいんですか?」


「はい、構いませんよ?侵入者の持ち物やダンジョンショップで購入した物、なんでもいいんです。宝箱に入れば」


「成る程………〔条件付け〕って何ですか?」


「『魔女族』という種族は、『神族』と似て非なる存在です。似ているところとしては、『魔女族』も『神族』もそれぞれに専用の『概念世界』を持っているということです。勘違いしないで欲しいのが『魔女族』個人が持つ世界ということではなく、あくまで種族単位で持っているというだけの話です。因みに、『魔女族』側の『概念世界』が『魔女界』、『神族』側の『概念世界』が『神界』といいます。違うところとしては、『魔女族』は軽めの因果操作は出来るけど『概念世界』を創造することができません。『神族』は、総ての因果を操作でき、『概念世界』を創造することができます。まぁ、因果を操作できるのは『神族』と『魔女族』の特権ということになります」


「成る程!だから、あの時あんなアナウンスが流れてきたんだ。ということは、〔条件付け〕というのは〔因果操作〕の代わりに苦肉の策としてダンジョンの特性に加えた能力ということ?」


「そう言うことになります。例えば、このダンジョンではスキルレベルが0.1倍されるとか、このダンジョンの1階層では、全ステータスが2倍されてダンジョンから出た瞬間に全ステータスを0.5倍にするとか………ありとあらゆることを試してみて1カ月後のダンジョン開放に備えましょう!」


「うん、わかった。ありがとう!」


「じゃあ、早速〔条件付け〕発動!」


〈ダンジョンマスターの声で〔条件付け〕の発動を確認しました。まずは、ダンジョン全体か、階層ごとか選んでください〉


「ダンジョン全体でお願いします」


〈ダンジョン全体で、〔条件付け〕の発動をします。条件の記載をしてください。なお、条件の数・回数は無制限です〉


「侵入者は、ダンジョン内で『知性種族』を殺すことが出来ない。これは、大丈夫でしょうか?」


〈第1条件の精査開始…………第1条件の記載は承認されました〉


「ダンジョン内は、『異空間』であり侵入者は全員レベル1になる。これは、大丈夫でしょうか?」


〈第2条件の精査開始…………一部を除き第2条件の記載は承認されました。『異空間』ではなく空間の名称を具体的に記載してください〉


「ダンジョンサブマスターさん、質問があります」


「はい、なんでしょうか?」


「ノリで条件に記載してしまったんですが、『異空間』というのはどのような『空間』のことをいうのでしょうか?」


「え、えぇぇぇ!ノリで、『異空間』とか言ってたんですか!そうですね、なんと言えばいいのでしょうか…………え、えぇと………『現実世界』とは違う『空間』です」


「うん、それで?」


「絶対ややこしくなるやつなんだけどなぁ…………『神』が絶対にいる空間です」


「『神』って『神族』のこと?」


「そもそも、『神族』というのはあなたが前にいた『概念世界』でいうところの『神様』と呼ばれる存在のことです。『神族』は、不老の存在で『概念創造』ができる『魂核』を持つ『知性種族』のことです」


「不老の存在か………あれ?不死ではないんですか?」


「不死の存在など全『概念世界』を探してもいませんよ?必ず、死にます。仮に存在したら、『概念世界』ごと滅ぼすことになります。主に、『β』側の『知性種族』によって」


「『β』ということは、『α』も存在する?」


「『α』があなたのような考え方、『β』がその逆の考え方と考えていただければ…………」


「へえ、そうなんだ!」


「『神族』は、不死ではありませんが不死でもあるのです」


「えぇぇぇぇぇ!発言が矛盾してるよ。どういうこと!」


「そうとしか言えないんですよ。『神族』は、『概念創造』と『身体修復機能』と『不老』という『システム』を持ち、かつ『魂核』と知性を持つ種族です」


「つまり、『神』は『システム』でしかないということ?」


「はい、『管理者』とも呼ばれます。『異空間』の例ですが、あなたはVRMMOというゲームのジャンルが存在するということをご存知ですか?」


「あ、聞いたことある!もしかして『仮想現実』も『異空間』の1種なんですか?」


「はい、アバターというのは『魂核』が存在しません。『管理者』は、『知性種族』ですが実体がないアバターで中に入ることが多いので『神』といえ、『異空間』の条件は整っているのです」


「(あぁ、大体わかったかも………『概念創造』というのは要するに、『プログラミング』のことだったんだ!じゃあ、今の説明にも納得だね)」


「第2条件の『異空間』の名称はVR空間です。ダンジョン内は、VR空間であり侵入者は全員アバターを作成し、レベル1のままダンジョン攻略を進める。ただし、ダンジョン内でのアバターのレベルはダンジョン外では0.1倍されて元の身体に補正としてプラスされる。なお、スキルレベルについても同様である。これは、どうでしょうか?」


〈第2条件の再精査開始…………第2条件の記載は承認されました〉


「VR空間の『神』は、ダンジョンサブマスターであり侵入者のサポートをする」


〈第3条件の精査開始…………第3条件の記載は承認されました〉


「あの、どういうことでしょうか?なぜ、侵入者をサポートするのですか?」


「それが、あなたのやるべきことだからです。侵入者に説明してあげてくださいこのダンジョンのことを笑顔で!」


「も、もしかしてあなたは!侵入者のことをお客様として接しようとしているのですか?」


「多分、DPってお店でいうところの売り上げのことなんじゃないのかな?」


「ふふ、わかりました。この空間の『神』として笑顔で、接客(・・)しようと思います!」


「アンジュちゃんこれからもよろしくね」


「アンジュというのは私の名前でしょうか?」


「うん。だって、いつまでもダンジョンサブマスターなんて言いたくない。なんか、このままそう呼んでいたら人として大事なものが失われるような気がして…………私の自己満足に付き合わせてごめんね?」


「いえ、名前ありがとう。ミスズちゃん!」


そう言った彼女の表情は、とても幸せそうな笑顔だった。

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