次の切実な問題
実はかなり悩んでいた。
食は確保できた。
次は衛生面を早急に何とかしたい。
正直、トイレとお風呂は我慢の限界は近い。
大まかな図を描き用意した所で、建設省の人と検討することとなった。
出来るだけ早くと要望すると、即日対応。
暇なのか?
「して、どのようなもので?」
「大まかな図で分かりにくいから、説明で補足します」
そもそも専門家では無いのだからしょうがない。
「これは?」
図の丸の所を指さした。
「そこに、汚水を貯める場所を作ります」
先ずは汚水を貯めるため池を作り、そこから肥溜めへ向かって水路を引く。
途中で数カ所、小規模の汚水を溜める場所を作る。
「この小さい溜める場所と水路には蓋をして臭いを防ぎます」
「ほう」
その水路の上にトイレを設置。使う前に板で水を止めて、使用後に板を外すと汚水が流れて肥溜めに流れていく構造だ。なんちゃって水洗ってところか。
「部屋とは廊下繋げてると雨の日でも行きやすいのだけど」
「それはいかようにも。それよりもこれは、画期的です! 汚水も無駄にならず、排泄物を流して肥溜めに貯める。素晴らしい」
「本当に素晴らしい。私達も使えたら」
いつも控え目なメイド長が前のめりになった。
汚物の処理は悩ましいのは異世界を超えて共通なのだ。
「それなら共通の排泄室を作ればいいのよ。汚物を流す場所も併設すれば、拠点として数カ所で済むでしょ」
メイド長と建設省の人達の目が見開いた。
「陛下もお呼びして、会議を開く。無理矢理でも通すから、すぐに設置準備をしろ」
「はい」
建設省が秒で動く。
それ、いいの?
「他にあれば言ってください。全力で対応します」
「お風呂なんだけど、いいかしら」
「はい」
「正直言って温いし、何より効率が悪い」
「どうすれば?」
「温度管理ができればだけど」
「我ら全力で対応します」
じゃ、任せるか。
お風呂は湯を運ぶ事が無駄なので、水を入れておく。石を焼いてお風呂に入れて水を沸騰させてもらった。
五右衛門風呂が出来ればいいけど、ドラム缶などある筈もない。
石焼方式なら、石を焼く施設をお風呂の近くに設置すえばいい。
そして、水を足すか冷めて適温になったら入る。これなら、湯を運ぶよりいいだろう。
やっぱり、お風呂はある程度熱くないと入った気にならない。
ここ、生活の上で重要。