あなた無しに髪一本落ちることなく
題名はキリスト教の聖書にそんな記述があったかと思います。
私は無宗教ですが、夫を信じてる状態です。
満月の夜に 髪を切る
あなたが最期に 撫でた部分は
まだ切り捨てはしないから
肩甲骨の 下辺りに
できた新しい 毛先の線は
ガタガタなんだろうに
「飛び出してるとこ引っ張って」
「毛先のラインを指で辿って」
助けてくれるあなたはいない
でも20センチも落とせるのも
「長いのがいい」とただをこねる
あなたがもういないから
年取ってボリュームがなくなると
ショートにしたほうがいいんだよ
イギリスで美容院に行ったことないなんて
誰が聞いても驚くんだよ
これから、があるのかどうかわからない
でもちょっぴりだけ身軽になって
歩いてみようか…………
あなたはいつでも見ていてくれるのだろうから。