~家族として一緒に生きますかね~(仮)
1.『世界分割』とエルフの国の消滅
アヴァ国に1人の奸雄ハジメが登場したことによって『分割』が始まったとされています。彼の出生は分かっていませんが、突如としてイヴの街に現れ、エルフしか知らないはずの魔力ポーションを作り上げ、エルフの独占市場だったポーションを皆が安価で買えるようになり、数多くの冒険者が生まれる切っ掛けになりました。
それまで市場を独占していたエルフたちはそれに怒り、当時のアヴァ国に対しその奸雄を引き渡すように命令を出しました。そのころのエルフの国は薬の知識と技術力の高さで他国よりも頭2つほど飛び抜けていましたが、それにより傲岸不遜となっており、一国の怒りでけでなく、神の怒りを買いその姿を消しました。そして生き残った者も知識はあるものの、ポーションが作れなくなり、同時に精霊も失うことになりました。こうして彼の国は滅亡を辿ることになりました。
その後奸雄ハジメは国王に取り入り自分の領地(現:ハワード家)を獲得することになり、さらにその稼ぎを増やしていきました。彼の作った体力ポーションは一瞬にして怪我を治し、魔力ポーションは使用後しばらく魔力の消費を抑えることが出来たと言われていますがその事実は書物の中でしか見ることはできません。彼は自分の持つ技術力に溺れ、悪逆非道な行いをしました。
最も有名なところではハワード王の兄の暗殺でしょう。その理由は様々言われていますが現在有力とされている見解はアヴァ国の乗っ取りですが、その真偽は分かっていません。
前王の崩御後、王の弟、現王の系譜となるハワード様が彼を討伐するための軍を率いて立ち向かい、なんとか彼を追い出すことに成功しますが彼は姿を消してしまいます。
彼は姿を消す前に1つの大陸だったこの地をバラバラにし、1つ1つの島にしてしまいます。それが今のラス・シャムラの姿です。
2.『世界分割』前後のラス・シャムラ
『世界分割』前は大陸1つに11の国が境を決めて存在していました。『アヴァ国』『ダス国』『帝国』『フルティオ国』『ガーボン国』『シャキール聖国』『アウレン国』『パテオン連合国』『チャタル国』『旧ストレングス国』『中立地』です。
『世界分割』後は、我が国である『アヴァ島』、米の名産地である『ダス島』、最強の軍事力を持つ『帝国』、『享楽島フルティオ』、高品質の製品を輸出する『ドワーフ島ガーボン」、『聖国』、魔法研究の最先端を行く『アウレン島』、優れた冒険者を多く輩出している『獣人島チャタル』、そして、世界の真ん中にあり最も謎に包まれている『中立地 世界樹の島』です。もともと島しょ部の連合体だったパテオンはその時の衝撃で海底に沈んでしまいました。世界樹の島は断崖に囲まれていることもありますが、何かしらの結界で覆われており、誰も立ち入ることは出来ていません。しかし中央に高く存在している1本の木が世界樹だろうという推測で名づけられることになりました。
3.英雄
教皇ティナ:その慈愛に満ちた笑顔で彼女の下に集った人々を救った聖女で『意思を継ぐ者たち』に所属していましたが、後に女性で初めて聖国の教皇となった人物です。
魔術王ヴィオラ:教皇ティナの幼馴染で同じパーティーに所属していました。魔法を自在に使いこなした人物です。パーティー脱退後はアウレン島で魔術学校を創立し、初代校長として後進の育成に従事した人物です。この後各国に同じような学校が設立されますが、未だにトップの地位を維持しています。
神匠アーロン:『意思を継ぐ者たち』の武具を専属で作りました。彼の作った武具はその性能の高さから手に入れたいと願う者は多くいましたが決して4人以外の武具は作りませんでした。現在使用されている揺れない馬車はあまりにも有名です。彼は晩年ドワーフ島で後進の育成を手掛けました。
豪商人コウ:『意思を継ぐ者たち』をバックアップしていた商人です。唯一アーロンの作成した家具や壺を一手に販売出来た人物で、全盛期ではこの世界の富の1%を保有したと言われています。魔術学校などの資金を寄付したことでも有名です。晩年は故郷である獣人島に帰り、道の整備、街の整備を行ったことでも有名です。
<補足人物>
無謀のロット:冒険者パーティー『意思を継ぐ者たち』のリーダーである戦士。どのような戦いにおいても無謀とも思える特攻を行い、勝利をつかみ取ったとされる人物です。パーティー解散後は故郷であるダス島の冒険者ギルド長として活躍しました。
冷徹のリナリー:彼女のシーフの能力はグラス族でさえも舌を巻くほど高く、『意思を継ぐ者たち』のブレーンとして活躍した人物です。ロットが無謀とも思える特攻を成功に導いたとされ、パーティー解散後は豪商人コウの専属護衛を務めました。
<補足資料>
以下の書物を合わせて読むとより理解できるでしょう。
・『王族の歴史』
・『解説 ハジメという男』
・『各島の成り立ち』
・『世界樹の島とは』