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プロローグ

 今日も疲れたな。


 そう思いながら俺はトラックを走らせる。夜通し高速道路を走って、朝方に荷降ろしをして終わったのが朝の七時三十分。街はもう起きていて、通勤のサラリーマンや通学途中の高校生達が窓越しに見える。


「とりあえずどっかのコンビニでも入って仮眠だな」


 先ほどから眠気で意識が朦朧としている。このままでは事故でも起こしかねないからな。


 俺は運転しながらコンビニを探す。


 瞼が重い。眼が乾燥してしょぼしょぼしてくる。これは本当にまずいな。早くどこか休めるところを見つけないと。


 だが、探し物というのは探すと案外見つからないもので。コンビニくらいどこにでもありそうだが。こういうときに限って見つからない。


 そんな思いを他所に睡魔は待ってくれない。このまままどろみに身を任せたくなってしまうが、必死にねじ伏せる。


 すると、長い直線の先に有名コンビニ店の看板が見えてきた。


 ああ、よかった。これで一休みできそうだ。


 直線を走る。もう少しこの時気を張っていれば。あんなことにはならずに済んだかもしれないのに。


 俺は僅かな安堵感と、変わり映えのしない直線道路の運転で一瞬意識を手放してしまった。


 そう、ほんの一瞬。だがその一瞬が俺の運命を決定付けてしまった。


 バンッ、と言う何かにぶつかる音で意識が戻ると同時に目の前にはビルの壁が迫っていた。


「え?」


 ずいぶんと間抜けな声が出たものだ。などと感心している場合ではないのだが、咄嗟の行動など取れるはずも無く、とてつもない衝撃が全身を襲う。


 耳には人々の悲鳴が入ってくる。


 だが、俺は全身を襲う激痛に耐え切れず、意識をそこで手放したのだった。

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