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第07話 待っていたよ






 馬車が城へと着くと、馭者が扉を開いた。先にスワンさんが馬車から下りて、私が後ろに続いた。城には大勢が働いているのだろうけれど、誰の姿も見えない。

 スワンさんに案内されて、私は後ろに続く。この間パーティーをした場所に来ると、階段を上り右側の通路へと向かう。

 この通路は一般の者が通ることは許されてはいない。国王に会う約束をしている者であれば、私のように案内されて通ることができるのだ。それ以外の者は、通ることすらできないのだ。

 何も話すことなくついて行くと、スワンさんが扉の前で立ち止まった。その扉には『玉座の間』と書かれていた。この扉の先に国王がいるのだ。

 一度私を見たスワンさんに小さく頷くと、同じように頷き返してくれた。そして、小さく息を吐いてスワンさんは扉をノックした。

「お待たせしました、国王陛下。ロベリア様をお連れしました」

「入れ」

 聞こえてきたのは国王の声だった。パーティーの日に聞いた声に、知らずに緊張してしまう。けれど、スワンさんに言われた言葉を思い出す。

 ――私は、私のままでいいんだ。

 一度息を吐いて大きく吸う。スワンさんが静かに扉を開き、王座の間にいる国王へ向かって頭を下げた。私もスワンさんほどではないけれど、頭を下げた。

 そして、スワンさんに促されて部屋の中へと入る。扉を静かに閉めたスワンさんは、私に目配せをした。後ろについて来てほしいという意味だとわかり、何も言うことなくついて行く。

 数段ある階段の上にある玉座に座る国王は、足を組み、肘掛けに肘をついて頬杖をつきながら口元に笑みを浮かべて私を見ている。右隣にはメイド服を着た、鳥人族の女性が立っていた。

「待っていたよ」

 そう言った国王に、私は嫌な予感がした。スワンさんが戻ってきたためか、メイドの女性は静かに部屋を出て行った。

 部屋に残されたのは、私とスワンさん。そして、国王だけだった。












―――――

『謁見の間』か『玉座の間』のどちらにするか悩んで悩んで悩んだ結果、『玉座の間』となりました。

普段国王は、自室にいるか『玉座の間』にいます。


因みに、国王の側にいたメイドの鳥人族女性はシマエナガの鳥人族です。シマエナガ可愛いです。このメイドさんも小柄で可愛い女性をイメージしております。が、描写はないのでお好きにイメージしてください。

どのキャラクターにも言えることですがね。

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