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第02話 ココア






 ゆっくりと歩いていたため、家についたのはいつもより少し遅かった。鍵を開けて、リビングのソファーにロベリアさんを座らせるとバスタオルを取りに行った。そして、バスタオルを渡すと彼女はお礼を言ってから濡れた頭を拭きはじめた。

 その様子を見ながら、お風呂にお湯をためて、ロベリアさんのために温かいココアをつくった。いくらバスタオスで頭を拭いても体は冷えている。お風呂にも入ってもらうが、溜まるのに時間がかかるためココアで温まってもらおうと考えたのだ。

 ココアはすぐにできたので、カップに入れてロベリアさんに手渡した。温かいカップを持って息を吐きだした。そして、温かいココアを冷ましながらゆっくりと飲みはじめた。自分用のカップにも入れて一口飲んだ。体の中から温まり、ゆっくりと息を吐いた。

 カップをテーブルに置くと、お風呂の湯船を確認しに向かう。もう少したってからお湯を止めようと考えて、リビングに向かうと階段を上った。

 一番奥の部屋に入り、タンスの中から女性物の服を取り出す。時間から考えても外には出ないだろう。それに、外は雨が降っており雷も鳴っている。出ようとは考えないだろう。

 パジャマとスウェットをいくつか取り出し、新品の女性物の下着も取り出した。サイズがあうのかはわからないけれど、雨に濡れていることは間違いないので取り敢えず持って行くことにした。俺の服も濡れているため、腕まくりをしてからそれらを持ち1階のリビングへと戻った。

 ロベリアさんの横にそれらを置いてお風呂場へと向かう。お湯は丁度溜まっており、止めるとバスタオルやタオルを取り出して置き、リビングへと戻った。

「ロベリアさん、お湯がたまりましたので風邪を引いたら大変ですので温まって来てください。着替えはそちらから選んでください。洗濯しますので、朝までには乾いてると思います」

 その言葉を聞いて、ロベリアさんはココアが入っていたカップを目の前のテーブルに置いて、持ってきた服の中からピンクのスウェットを手に取った。

 新品の下着を手に取り、暫く何かを考えていたようだったがそれらを手にしてソファーから立ち上がった。

「ギルバーツさんは?」

「ロベリアさんが出たら入るから気にしないで」

 そう言うとロベリアさんは俺を気にかけながらも、お風呂場へと向かって行った。その間に、空になった弁当箱を洗う。

 夕食の準備もしようと考えたが、昨日の残りを食べる予定だったので何も買っていない。昨日は肉じゃがだったが、ロベリアさんは食べれるだろうか。

 考えながら残りのココアを飲み干してしまう。ロベリアさんに渡したカップを見ると、中身が空になっていたので自分のものと一緒に洗ってしまう。洗い終わると、お風呂場へと向かう。

 シャワーを浴びていることを確認して、脱衣所に向かいロベリアさんの身に着けていた服を洗濯機の中に入れている。何も考えずに洗濯していく。

 俺の着替えは当たり前だがある。しかしロベリアさんの着替えはないのだから、優先して洗濯して乾かさなくてはいけないのだ。

 今上がったらすぐに夕食を食べるか聞こうと考えたが、お風呂に入っているときに男性に声をかけられたくないだろうと考えて脱衣所から出ると静かに扉を閉めた。

 服が濡れているのでソファーに座ることもせず、テレビをつけると立ったままそれを眺め続けていた。











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