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鑑定屋さん

◆◆◆鑑定屋さん◆◆◆

ばりばり、もぐもぐ。


「ふぉのふぇんふぇいいいな~。」※このせんべいいいな~。


程よい塩加減でー、ぱりっぱりでー、とってもおおきいのです!


「なんて言うせんべいでしたっけ?後で再確認が必要ですね!」


そう、わたしは食べ歩きをしていました。


やっぱり、好きな時に好きなものが食べられるというのは良いことですね。


次は何をしようかな~?


「あの豪華な建物は何だろう?」


ダンジョン村だからか、結構簡素なお家が多い中、あからさまに浮いている建物が一軒あります。


黒塗りで、カクカクテカテカとしていて、入り口の柱は金色です。


柱の脇には2体の全身甲冑が大剣を地面に突き刺して立っています。動いたりしませんよね?


なぜか周りのお家よりもちょっとだけ高さが低いので、今私がいる通りに来ないと見つけにくいですが、ここに来さえすればすぐわかるくらい目立っています。


「鑑定屋、さん、ですか?」


目立つ外観とは逆に、入り口の柱の陰に隠れるようにひっそりと、鑑定屋と書いた看板が見えました。


「鑑定する物は・・・もう残っていませんけれど、ちょっと気になるから寄ってみようかな?」


鑑定屋さんで鑑定してもらうとすっごく高くなるらしいのですけれど、今ならお金はあるし、最悪買ったばかりのこのかばんを見てもらえばいいですよね!


わたしはきっと豪華な内装に期待を膨らませながら鑑定屋さんに寄ってみる事にしました。


「この柱、何で出来ているんだろう?」


「イラッシャイマセ」


「うわぁっ!」


「イラッシャイマセ」


「か、甲冑がしゃべりました・・・。」


甲冑が動き出して、剣を高々と掲げながら、イラッシャイマセと繰り返しています。


「びっくりしました。その、お邪魔します。」


「イラッシャイマセ」


私は甲冑を気にしながらも、ガラガラと入り口の戸を開けて中に入りました。


中には誰もいなくて、全体的に落ち着きのある家具が私を迎えてくれました。


いくつかの机と椅子に、衝立、ぼんやりとした灯りが印象的です。


「このつぼ・・・もしかして高いのかな?」


「高いぞ。上から言われて買わされた物だ。まぁ、相応の価値だからいいが、転売できなくてな。」


黒い格好の・・・あ!


「黒い神官さん!」


アッティレイス村で一緒に戦った神官さんです。


「ああ、久しいな。メニューだ。」


スッとメニューを渡されました。鑑定屋さんなのにメニュー?


「神官さんはここで何をしているんですか?」


普段は真面目に神官をしているって言ってませんでしたっけ?


「ここでは鑑定屋を営んでいる。ほとんど客は来ないし、来た時だけの対応だ。もちろん普段は神官として教えを説いたりしているぞ?」


「来た時だけの対応って・・そんなことできるんですか?」


「当然だ。それより、メニューを見たらどうだ?」


「え?あ、はい。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メニュー

一般品の鑑定:金貨1枚

アーティファクトまたはそれに相当する品の鑑定:金貨5枚

人物鑑定(当人):金貨5枚

人物鑑定(他人):金貨50枚

恋占い:金貨100枚

各種占い:金貨3枚

開運指南(恋愛運を除く):金貨7枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


恋占い!べ、別に気になんてなってませんからね!


全体的に高い気がするけど、アーティファクトはむしろ安いみたいですし、やりたくない所だけ高いのかな?恋占い・・・。


「あの、恋占い」


「ふむ、そうか。仕方ないな。人物鑑定を金貨1枚でやってやろう。」


「いえ、その、100枚なら一応払えますので」


「ふっ。若いのに交渉がうまいようだ。いいだろう。特別に見てやるからしばし待て。」


「なんでそんなにやりたくないのに載せているんですか?」


「他の占いをやっていると恋だの愛だのを占えとうるさい。高額にしておけば誰も選ばないからな。しかし、100ではダメだったか。」


黒い神官さんがメニューを私から取ると、サッとメニューに何かを書き足しました。


「これが新しいメニューだ。」


恋占いの値段が金貨1000枚に値上がりしていました。


「ずるいです。」


「大人なんてそんなものだ。いや、世の中だったか?」




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