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エルフ

◆◆◆エルフ◆◆◆

私は装備屋さんを離れて、弓屋さんへ来ています。


なぜ、装備屋さんで弓を見ないかですか?


弓屋さんなら、たぶん練習場とかありますし、なにより、


弓といったらエルフさん。

弓について聞くならエルフさん。

弓を買うならエルフさん。


と。

とにかくエルフさんがいるはずの弓屋さんに行くのがいいからです。


なのですが・・・。


「リーシス、あなたは今日もお美しいですわ・・・。」


店員のエルフさんが弓を眺めてうっとりしていました。


やっぱり、装備屋さんに戻って

「あら、いらっしゃいませ、お客様。」


エルフさんがカウンターの向こうで奇麗な礼をしながら私にそう言いました。


「お邪魔しています。」


「見たところ・・・弓は持たれた事が御有りではないご様子ですね。練習用の弓を一式買いに来られたのかしら?」


え、すごい。なんでわかったんだろう。


「はい、その通りです。」


「あなたの体格なら短弓が適切でしてよ。素材は・・・楊柳ようりゅうのものから始めましょう。どうぞ、引いてみてごらんなさい?」


エルフさんが弓を渡してくれました。


鳥が羽を広げたみたいな形でなんだかかっこいいです。


「こうですか?」


私は弓を構えてみました。


「ええ、お上手ですよ。ですが、もう少し左手を伸ばして、右手も無理に引っ張らなくてもいいのでもうすこし、矢と体が平行になるようにしないと、どこかへ飛んで行ってしまいますわ。それから・・・」


このあと、やたら細かく直されてしまいました。弓、やめようかな・・・。


「技術だけで狙いを定めようとすると、いかに大変な事なのかご理解いただけたと存じます。ですが、このようなものを戦いに持ち込めるのは十分な訓練を積まれた方のみでございますわ。ですので、あなたにはこちらをお勧めさせていただきますわ。」


なんだか変わった形の台座の先に弓が取り付けられているのが出て来ました。


「これが、最新式のクロスボウでございますわ。」


「クロスボウ、ですか?なんだか私が知っているのと違うような・・・。」


「勇者様のご協力により改良された、弓が苦手な方用の自動弓という位置づけでございます。使い方は簡単で、この台座に矢を乗せて引き金を引くだけですわ。」


タン!と音がして、備え付けてある的に矢が刺さりました。


「とっても簡単なんですね!」


私でも使えそうです!


「クロスボウは扱いが簡単な代わりに、装填にそれなりの腕力を要しますが、お嬢さんはそれなりにLvが御有りのようですので問題ないでしょう。どうぞ、お試しになってください。」


クロスボウを手渡されました。


これ、を引くのでしょうか?


「そう、そちらで合っておりますわ。」


「えっと、じゃぁ。・・ぐぐぐ。結構固いですね。」


カチャリと音がして、弓を引ききることが出来ました。


「あら、そちらは90kgもいりますのに、本当に引けてしまうのですね。」


「それってすごいのですか?」


「ええ、私でも引けるかどうか・・・。せっかく引かれたのですから、この矢をあの的に撃ってみてはいかがでしょう?」


さっきも見ましたが、弓の時よりかなり短い矢ですよね。こっちは私が知っているのとおんなじです。


「いいんですか?えへへー。えっと、こうでいいですか?」


「うーん、もうちょっと左でほんの少し下に、そうそう。それでよろしいですわ。」


「じゃ、じゃぁ、撃ちますね?」


タン!と音がして、的の真ん中に当たりました!


「わ!すごいです!」


「お上手ですね。いかがでしたか?クロスボウはなかなかオススメでございましてよ?」


「はい!気に入りました!いくらですか??」


「金貨1枚と小金貨2枚と銀貨1枚ですわ。」


金貨1枚とすこしなんだー。安いですね!


「買います!」


「ありがとうございます。そちらは試射用でして、新品をご用意いたしますので少々お待ちくださいませ。」


エルフさんが台か何かから飛び降りて、奥へと走って行かれました。


やっぱりエルフさんって、ちっちゃい人ばかりなんですね!


エルフさんたちの外見年齢は、14歳くらいで止まるそうなんです。


私の方がお姉さんですね!


「お待たせ致しました。こちらが商品のクロスボウと、付属の矢5本でございますわ。追加で矢をご購入なされますか?」


「はい、えっと・・・あ、そうだ。94本お願いします。」


アイテムバッグに99本入れておけば嵩張らないで済みますね!


「でしたら、すこしおまけ致しまして、合計で金貨1枚と小金貨4枚でございますわ。」


「えっと、これでお願いします。」


私は金貨を2枚取り出して渡しました。


「金貨2枚でございますね。おつりの小金貨1枚でございますわ。ありがとうございました。」


「はい、ありがとうございました。矢が足りなくなったらまた来るかもしれません。」


「その時は、どうぞごひいきにお願いいたしますわ。」


ふふーこれで遠くの魔物を狙い撃ちにしてやるのです!



え?なんで普通の弓は試射させてあげないのかって?

そのまま撃つと弦が当たって痛いですよ?


※この世界のエルフは外見が14歳くらいで止まります!!!

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