靴屋さん?
◆◆◆靴屋さん?◆◆◆
結論から言うと、靴屋さんはありませんでした。
靴も取り扱っているお店はあるそうですが、靴専門のお店は無いんだそうです。
ということで、私は今装備屋さんに来ています。
装備屋さんだけあって、金属製のブーツ?みたいなのが多いですね。
「靴なぁ。靴って言ったって、お客さんの履いているそいつの方がうちの商品よりもいいんじゃないか?」
おすすめの靴を聞いたらそう答えられてしまいました。
「えっと、普段でも使いやすい靴があったらいいなって、思うんです。」
マジックシルバーの靴は、性能はいいと思うんですけれど、しっかりとガードしてくれる分ちょっと休もうかなって時はちょっと邪魔になっちゃうんですよね。
「普段履きねぇ。お節介かもしれんが、普段履きの靴を買ったとして、その靴はどうするんだい?」
「うーん、そうなんですよねぇ・・・。」
持ち歩こうとすると荷物になっちゃうから、普段履きにしていた靴はおばあちゃんの宿に置きっぱなしです。
でも、新しい靴欲しいなぁ。(’ ’ )
「そういう時は、これだ。」
お店のおじさんがショルダーバッグを取り出しました。
「こいつがうちの自慢のアイテムバッグだ。
そんな装備で固めているくらいだから金はあるんだろう?
もちろん俺が使ってたやつとかじゃないから安心してくれ。
容量は20種類で同じものなら99個入るとかいうすげー性能だ。
時間停止でしかも重量がやたら軽くなるらしい。
まぁ、バッグの口より大きいとそもそも入らないんだが、四角く広げて32cmと10.5cmだからそこそこ入ると思うぞ?」
「でも、デザインがちょっと・・・。」
性能はすごそうなんですけれど、見た目はごく普通の革のカバンなんです。
「デザイン・・・デザインか・・・・。
そうだなぁ、このアイテムバッグを入れるカバンを買えばいいんじゃないか?
うちにはそういうシャレたやつはねーけど、それこそ町へ行って選べばいいんじゃないか?」
「カバンを入れるカバンですか?なるほど、いいアイデアですね!それに、丈夫なカバンに入れておけばアイテムバッグが汚れたり傷ついたりしにくくなるから、とってもよさそうです!」
「おうおう、そいつは良かった。ただ、こいつは性能がいいから金貨72枚するんだが、大丈夫か?」
「金貨72枚ですね?ちょっと待ってください。」
私はアイテムポーチから金貨を取り出してカウンターに5枚づつ重ねて並べていきました。
「ほ、本当に持っていたのか・・・。金持ちってすげーな・・・。アイテムバッグが儲かるとかいうのは本当だったのか・・・・・・2か月も売れなかったから騙されたのかと・・・」
「10、20、30、40、50、60、70と、2枚ですね。はい、これでお願いします。」
「あ、ああ。」
アイテムバッグ、買っちゃいました!
ちょっと高いけど、これでたからものをたくさん持って帰れますね!
「それでその、歩きやすい靴を見せてもらえますか?」
「は、はい、少々お待ちを!」
店のおじさんはあわてて金貨を片付けて靴を取りに行きました。
「サイズは、たぶんこれであっている。と思います。こっちがジュロティガーの毛皮を使った靴で、軽くて水にも強く、薄いが鉄板も仕込んであります。こっちは外見は普通の革の靴なんだが、MPを込めればエアウォークが使える、んです。」
「エアウォークですか?」
「ええ、MPを込めたら靴の下に魔力の壁みたいのが出来て乗れるんだよ。発生がそんなに早くないから走るのは無理だが、おもしろいだろう?」
「履いてみてもいいですか?」
「どうぞどうぞ。」
私はエアウォークの革靴に履き替えて、試しに使ってみました。
へぇ、MPを込めると、ちょっと下の方に魔力の壁を作ってくれるんですね。
魔力の壁が出来上がるまでは1秒くらいかな?たしかに走ると危ないですね。
「乗っていると魔力の壁の耐久値の減りが早くなるから、気を付けてくれ。」
「はい。あ、通り過ぎた後の魔力の壁はどうなるんですか?」
「時間が経つと消えるぞ。ただ、多少は持つから、引き返そうと思ったらまだ消えてなかった。なんてことがあるかもしれない。なんにせよ、降りるときは特に危険だから、あまり高くまで登らない方がいい。」
「わかりました、気をつけますね。それで、この靴はおいくらですか?それと、染色用の魔法のペンキはありますか?」
「あるぞ?色によって値段が違うからな、先にそっちを決めてくれないか?」
「髪の毛と同じ青・・・?黒もいいなぁ。赤もありかも?どうしよう・・・。」
ポーチと同じピンクもいいですね!
緑系でそろえるのもいいかもしれません。
模様・・・をつけるのは大変そうだし、もともと模様が入っている靴を買った方がいいですよね?
うすい紫もちょっとすてきです。
黄色・・・は悪くないんですが、なんだか子供っぽいかもしれません。
オレンジなら・・・うー・・黄色に近いからやめておきます。
みずいろ?みずいろか~みずいろもいいなー。
あーなに色にしましょう!
「赤でお願いします!」
私は意を決して赤に決めました。
他の色が良くなったら、また他の靴を買えばいいですよね!
「そ、そうか。うちに来て一番悩んだのがそれか・・・。えっと、エアウォークの革靴が小金貨3枚と銀貨2枚。染め代がペンキ込みで大銅貨2枚だ。」
「はい。じゃぁ、これでお願いします。」
「まいど。染めるから靴を渡してくれ。ちょっと待ってろよ。」
私は履いてきたマジックシルバーの靴を履きなおしました。
エアウォークの革靴が、魔法のペンキで見事な赤に染められていきます。
あ、なんか、模様が入っています!
ここのおじさんの方が、染色上手なのかな?
「よし、なかなかの出来だ。どうぞ。」
「ありがとうございます。早速履いていこっと。」
私は、もう一度新しい靴に履き替えて、マジックシルバーの靴はアイテムバッグにしまいました。
えへへー。新しいのを買うと、なんだかうれしくなちゃいますね!
次はどこに行こうかな~?
念願のアイテムバッグを手に入れた!
これでごっそりアイテムを持って帰れるし、食事もいっぱい持っていくことが出来ます!
1800万園ぽんと払ってくれたぜ・・・
やっぱり、オーラを放っている鎧を着ている奴は違うな。