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ネクロマンサーの本領発揮

◆◆◆ネクロマンサーの本領発揮◆◆◆

「これは、楽できそうな気配がするな。」


「私もそんな気がしてきました。」


灰のようにさらさらでねずみ色の砂。


朽ちた草木に薄汚れた空。


転々と歩く怪しい人影。


「真のアンデッドが何たるかを教えてくれよう。」


「ネクロマンサーの本領発揮です!」


あれ?対アンデッド用のスキルなんてありましたっけ?


「そういえば、ダークガーデンはアンデッドを回復させてしまうから使えないし、どうやって戦えばいいんでしょう?」


「そこはほれ、魔眼を使っていただろう?」


「この魔眼、スケルトンさんたちに効きませんよ?ほかのアンデッドさんたちもですけれど。」


キリコさんはなんで魔眼を使っているってわかったんだろう?やっぱり、達人だからかな?


「ま、まぁ、アンデッド特攻くらいはあるのではないか?試しに何か使ってみたらどうだ?」


「えっと、じゃぁ、カース!」


距離が遠いけど、靄が出ているのでちゃんと発動したみたいです。


ネクロマンサーの魔法の射程が長いっていうのは本当だったんですね。


靄が晴れると、特に変化のないゾンビが姿を現しました。


「ダメみたいですね。」


「何かあるはずだ。ネクロマンサーだろう?自らが使役する魔物に対処できないなど・・・。そうだ、送還はどうだ?」


「送還ですか?うーん・・・できないですね。あ、メイクアンデッド!」


【ゾンビをゾンビとして復活させますか?】Yes No


「できました!でもなんだか、ゾンビはゾンビにしかなれないみたいです。」


「既にアンデッドだからかもしれぬ。我らにもう一度かけても意味が無いのと同じか?何はともあれ、これならば容易に討伐できるだろう。経験値が手に入るかは不明であるが。」


なんでも都合よくとはいきませんよね。


「でもこれなら、どんなに強いアンデッドが出てきても安心ですね!」


「それは違うのではないか?たとえば、我をアンデッド化で倒すには、我を生み出すのにかかった供物と同等の物が必要になると思うがどうだろう?いや、我で試すでないぞ?」


「え、い、いやですね。試したりなんかしませんよ。えっと、強いアンデッドがでたらきっとわかりますよね。」


「うむ、敵で試すのが一石二鳥だろう。」


「つまり、あのアンデッドですね。」


見ればリッチ・・・ほど強くはないと思うので、レッサーリッチ?くらいの魔物がいました。


「メイクアンデッド!」


【レッサーデミリッチをレッサーデミリッチとして復活させますか?サクリファイス3魂17】Yes No


「あ、サクリファイスと魂が必要みたいです。これじゃぁ、あまり意味ないですね。」


「ならば仕方あるまい、燃やすか。ファイアウォール」


レッサーデミリッチの足元から炎の壁が現れて燃やしてしまいました。


「動かないから、ふつうに倒すのも簡単ですね・・・う、すごい臭い・・・。」


「燃やすのはやめた方が良いかもしれぬ。思えば、そもそも近づいても襲ってこないのではないか?」


「あ、そういうのありそうですね。やってみましょう。」


てくてく、てくてく。


Wkgシljg!


ふつうに近づいたらふつうに襲い掛かってきました。(´・ω・`)


近づいてきたゾンビはキリコさんが余っていた大剣で一刀両断です。


「いいなぁ、私もやりたいです!」


「この弱さなら大丈夫だとは思うが、素人がやると腐った肉片やなにやら汚そうな汁が飛んでくるが大丈夫か?」


「えへへー、やっぱり実戦は魔法が一番ですね。」


「まぁ、魔法使いがやる事ではないからな。」


「あ、またゾンビがいますよ?えーっと、次は・・・ブラックショット!」


黒い球がわぁっと出るのですぐに止めました。それでも10個くらいは飛んで行っています。


黒い球はうねうねと進んであらぬ方向へと曲がり、うねうねと散らばっていきました。


「この魔法、近くじゃないと当たらないんですね・・・。」


「どう見てもその魔法はダメそうだ。MPが無尽蔵にあれば使い道もあるやもしれぬが・・。」


「それ、本にも同じことが書いてありました。あれ、書いてあったのは別の魔法でしたっけ?」


「どうせ同じような魔法だろう。他には何かないか?」


「うーん、ウィーク?」


本に書いてあったのはこっちだったような気がします。この魔法、そういえば1回しか使ったことがありません。


ゾンビに闇っぽい小さな雲がとりつきました。


「それは字面からして弱体化魔法ではないか?元々弱い魔物に使ってもあまり意味がなさそうだ。」


「もしかしたら別の効果があるかもって思ったんですけれど、そんな事は無いみたいですね。」


「地道にいろいろ試すしかなかろう。時間も的もある事だからな。さて、そろそろこれも飲んでおけ。」


キリコさんが持っていた木の実を投げ渡してきました。


「渡してくれなくても、ここにありますよ?」


ロイヤーのトゲに差し込んで運んでいるので私の両手は空いていますが、これを食べてもいいと思います。


「いや、そろそろ持ち歩くよりも守った方が簡単な気がしてきてな。それに・・・。」


「それに?」


「ゾンビを切り払う時に臭いが移るかもしれぬ。」


「うわ、それはちょっと嫌です・・・。」


ごくごく。


慣れてきたら意外とおいしかも?


うーん、でも、やっぱりお野菜とかが食べたいなー。




ネクロマンサーの本領発揮!

しかし役に立たなかった!!

まだだ・・・まだ、ネクロマンサーは本気を出していない。

座して待て。(活躍するとは言っていない。)


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