ボスは資源
◆◆◆ボスは資源◆◆◆
「お、いい所で目が覚めたな。」
「ふあ・・?」
ゆれますー。起きあげれません?あられません?
「見えるか?いい食料兼水を見つけた。今からあれを狩りに行く。」
あっちですか?んー首が曲がりそーです。
うわー、なんかおっきい。
触手とか花粉とかトゲとか、やっぱり触手が気になるおっきな花が咲いていました。
咲いているというよりー生えているー?
枝とかが足みたいになっていて、今にも歩き出しそうです。
「いくつか実がなっているだろう?あれは食べられるし、水分も多い。今から取ってくるから、ここで待っていてくれ。」
「いってらっしゃーい。んーいいにおいー・・・。」
【個人アビリティ ウイルス共生が発現しました。】
【スキル 病気耐性[入門]が発現しました。】
「ふえ!こ、これ攻撃なんですか?」
うう、ぜったいあの花粉が飛んできているんです。
マスクなんて持っていないので、服の袖でなんとか・・・。
あー、キリコさんが戦っていますね。
花がおっきいから、一刀両断とはいかないのでしょうか?
・・・よく見たら、実を収穫しているだけでした。
実の色、青いのに、本当に食べるのかなぁ?
あ、わむこが3体になってる。成長したんだねー。
でも、どうやったら増えるんだろう?
んー、増えているうちは問題ないよね?
「取ってきたぞ。」
キリコさんがポンポンと木の実を投げ渡してきました。
「え、ちょちょっと、そんなにもてまあああ!」
すすすとわむこが駆け寄って受け止めてくれました。
「おぉ、やるなぁ、ミミズ。まぁ、そいつは結構丈夫だ。落とした程度では割れぬ。むしろ、割る方法に困るくらいだ。」
コンコン。
「もぅ。あ、これ、本当に硬いですね。そうだ。あれは倒さなくてもいいんですか?」
おっきい花は実を取られて怒っているみたいですが、足が遅いのでここまで来るのには時間がかかりそうです。
「ああ、問題ない。むしろ、このままにしておけばまた収穫できるだろう?」
「倒して復活させた方がたくさん採れたりしませんか?」
「次に復活するのがあれだとも限らん。魔物で植物系だからな。3日とかからず直るだろう。」
「魔物ってたくましいんですね。」
「それで、次で終点のようだが、別れていてな。どっちへ行けばいいかわかるか?」
「えっと、階段があるわけではないみたいなのでちょっとわからないです。」
転移装置がどこかにあるんだと思いますけれど、探索してくれているアンデッドさんたちはなにが転移装置なのかわからないんですよね。
「そうか。まぁ、二分の一で当たるのだし、間違えていてももう一方を当たれば良い。その時はついでにあれの残りももらって行こうか。ふむ、やっとこの階の攻略の目途が立ったようだ。進むとしよう。」
「次は食べるものたくさんあるといいなぁ。」
「そうだな。手に入れたこれが無駄になるに越した事は無い。」
「そう言いつつもしっかりと抱えているのは、次も多分似たような所だからですよね?」
キリコさんは、私に投げ渡さなかった木の実をしっかりと抱えています。
「はははは、おそらくはな。」
「このダンジョンはなんだかいじわるです。」
「ダンジョンなんてどこもそんなものだ。ダンジョンマスターの家だからな。無断で侵入してくる敵を排除するなど当たり前だ。ほれ、一つくらいならいいだろう。」
キリコさんが木の実の上の部分をスパッと切って私の口に近づけてくれました。
「うー、あんまりおいしくありません。」
なんだかざらっとしてて、甘いような気がするんだけどそうでもなくて、ぬるいしにおいがきついです。
「一応高級食材らしいぞ?」
「これがですか?よくわかりません。」
「手に入りにくいから高いだけかもしれぬがな。その辺りまではわからぬ。」
「きっと、他の使い道があるんですよ。だから高いんです。間違いありません。」
「はは、そうかもしれぬな。」
若干いつもの明るさを取り戻したキリコさんたちと転移装置を探しました。
残念ながら、先に探した方はハズレだったので、戻る時に追加で2つ木の実を取っていきました。
キリコさんが言うには、既に切り取った分が元通りになっていたそうです。
わたしはおなかをたぷんたぷんにさせながら、次の階への転移装置へたどり着き、起動させることが出来ました。
毒沼は濾過して煮沸して湯気で持ち上がってしまったゴミの沈殿を待てば一応上澄みを飲めます。
濾過装置が一発でダメになりますが、ゴミだらけなのでそのままの煮沸は効率が悪く毒も飛ぶのでお勧めできません。
解毒の魔法をかけておけばさらに安心できますが、1回分の毒消し草があれば急場はしのげるでしょう。
また、どうしても必要でない限り実際に試すのはやめましょう。
ダンジョン編ナゲーとか思っていたのですが、よく考えたら数十話とかで攻略できる方がおかしいですね。でも、そろそろ別の話にしたい・・・。
霧の勇者ならワンパンなのに…!!
あれはあれで、どんなネタを考えても3話くらいしか持たないから大変だったんですけどね。




