一気に5つですよ!?楽しみですね!
◆◆◆一気に5つですよ!?楽しみですね!◆◆◆
やっとの事で埋もれた宝箱を掘り出した私はごきげんです。
「ねぇねぇ、キリコさん。見てください!一気に5つですよ!?楽しみですね!」
「うむ、それで、どれがミミックなのだ?」
「あれです。あれは宝が入ってないみたいなんですけれど、スケルトンさんたちが運ぶときに重そうにしていたのでたぶんミミックが入っているんじゃないですか?」
「そうか。では、開けるとしよう。」
「ストーーーップ!!なんで最初にミミックを開けようとするんですか!」
ミミックのせいで他の宝箱とかがダメになったらどうするんです!
聞いた話だと、ミミックは逃げる時に近くにある宝箱の中身も持って行ってしまうらしいのです。
「楽しみを最後まで取っておくと他の物にかすめ取られたらたまらぬからな。やはりここは最初に」
「そんなことする人ここにはいません!」
キングベヒーモスさんたちは取り合いだったかもしれませんが、進んでミミックを開けたがる冒険者なんて・・・いませんよね?
「仕方ない。我はこれが奪われぬようしっかりと見張っている。早く済ませるんだな。」
キリコさんはよほどミミックが気になるのか絶対に奪われまいと周囲を警戒しています。
「罠とか、どうしよう?」
キリコさんが親指を立てていいね!をしています。
「きっと、なんとかしてくれるって事ですよね?へへ~♪宝箱を開けるのは久しぶりです!」
ひとつめ~~。
とりだしたるはー
「鎖鎌ですか?ちょっと私には難しそうです。」
▼よくわからない鎖鎌 +中立
「識別してもよくわからないですね。次行きましょう!」
私は気を取り直して次の宝箱を開けてみました。
「わ!これです!これが欲しかったんです!」
▼なんだかすごそうな大剣 +味方
てかてかつやつやした鉄の塊で出来た大剣です!
ぶんぶんっ
ぶーん
「はいぱーすらっっっしゅ!!」
「本当にそれで戦う気か?」
刀身が私の身長よりも長いです。
Lvが上がっているからそんなに重くはないですが、機敏に動けるかと聞かれるとそうでもないです。
何より盾が持てません。
「えっと、敵がいない時だけにします。」
「ならば問題なかろう。」
薪割りには使えるかな?
他の宝箱はよくわからないポーションと杖、そしてもう一本大剣が入っていました。
「武器ばかりで使い道がありません・・・。」
「当然だ。宝箱からいいものが出るのなら多少敵が強い程度で討伐対象になったりしない。」
「村が出来ているから、討伐はしないんじゃないんですか?」
「そんな事は無いぞ?討伐隊はそこそこ戦果を挙げていると聞いたし、敵の強さに対して割に合わないというだけで、稼げないわけでもなかろう。他の冒険者にも会った事であるしな。」
「敵の強さに対して割りに合わないのになんでここで戦っている人がいるんですか?」
ここでもいいならわざわざ討伐しなくてもいいと思いますけれど。
「討伐隊が討伐中なのだぞ?他の階でも誰か戦って敵を減らしてくれた方がダンジョンマスターの力をそげるだろう?だから、討伐依頼の報酬が嵩増しにでもなっているのだろう。」
「私、依頼受けてません。」
「どこで何が出るかわからないから受けなかったではないか。それに、手に入れた装備を売れば金は十分に見えるが?」
「うーん、スケルトンさん召喚!あ、出ました~。この大剣も魔法剣ですね!きっと高く売れます!」
「どうせ守+3とかのハズレだろう。それでも多少は高く売れるだろうがな。」
「多少・・・合わせて金貨1枚くらいかな?普通に働いた方が稼げちゃいますね。」
木を切ったほうが儲かりそうです。
「それは主が稼ぎ過ぎなだけだ。」
「えへへー。」




