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4階

◆◆◆4階◆◆◆

そんなこんなで、つづら折りの道を抜けて最初の道を曲がったら次の分かれ道に転移装置がありました。


「こんなところにあるって事は、この先は誰も来ていないかもしれませんね。」


おっきいワームがいて誰も通れなかったはずです。


「誰かが倒して復活した後かもしれぬし、他の階段を使えば他の転移装置にたどり着いたかもしれぬ。探せば他にも転移装置がありそうだし行き先が同じとも限らぬから分からぬな。」


「じゃぁ、結局次の階へ行ってすぐにダークガーデンを使うわけにはいかないんですね。」


「そのようだ。」


「わむこは送還して、ロイヤーはこのままでいいかな?よし、行きましょう!」


キリコさんが転移装置を起動しました。


そういえば、キリコさんが毎回起動していますけど、もしかして、こういうの好きなのかな?




第4階。そこは、白く白く白く、とても白く、どこまでも白い。どちらを向いても雪で覆われていました。


「寒いです・・・。」


もう帰ろうかな?


今日は結構頑張ったよね?


「次に来るときはてぶくろとあったかい服を持って来ましょうね。」


「何故帰ろうとしている?」


「だって、寒いじゃないですか。風邪をひいてしまいます。」


「ほれ、これであったかくなっただろう?」


キリコさんが青い火の玉を出してくれました。


なぜか宙に浮いています。


「それは鬼火だ。実体の炎じゃないから条件を満たさなければ燃え移らないし風でも消えない。」


「へぇ、便利なんですね。・・条件?」


「それの正体は怨霊だ。」


「へ?」


霊視の魔眼!


【霊体を捉えました。魂を吸収しますか?】


「うわぁ・・・。」


知らない怨霊と一緒はなんかこわいです。


「何をいまさら。トカゲもさっき呼びなおしたミミズも骨も全部アンデッドではないか。」


「怨霊とみんなを一緒にしないでください!ロイヤーもわむこもいい子だし、スケルトンさんたちなんてまじめで文句ひとつ言わないし、身を挺して守ってくれるし、悪いことなんてしません!」


「ただの忠実な・・・いや、なんでもない。そうだな、たしかに怨霊とは違うかもしれぬ。だが、怨霊だからといって悪さをすると決まったわけではない。」


「え?怨霊ですよね?」


「ここにいる怨霊となれば、魔物にやられたのだろう。ともすれば、恨むのは魔物なのではないか?」


「あっ・・・。ごめんね?あなたはいい怨霊さんなんですね?」


私は私を温めてくれている怨霊さんに謝りました。


怨霊さんは喜んだのか、くるくると円を描くように回りだし上に行ったところでぴたりと止まりました。


「ん?どうかしたんですか?」


怨霊さんが・・・いいえ、怨霊がゆっくりとロイヤーにまたがる私の胸元に近づいてきます。


【霊体を捉えました。魂を吸収しますか?】


「はい。どうやら、怨霊で間違いないみたいです。」


【魂を吸収しました。魂を1獲得。】


「誠に残念だが弁解の余地もない。すまなかった。」


「いいえ、キリコさんは悪くありません。調子に乗った怨霊が悪いんです。」


【個人スキル グラッジコネクトが発現しました。】


「しかし、そうなると普通の火を出すしかないか。燃やす物が無いと消費MPが嵩んでしまうのだが?骨どもの武器でも燃やすか?後で治せるのだろう?」


「それはさすがに可哀想です・・・。出てきた魔物を倒したら燃やしましょう。それまでは我慢します。」


「ふむ・・・早めに出てきてくれれば良いがな。」


雪原の見通しは良く、雪が舞っているわけではないので遠くまで見えるのですが、魔物がいるようには見えません。


「本当に冷えてきたら帰りましょうね。」


「その時は仕方ない。準備を整えて再挑戦するとしよう。」




さりげなくフウはいい子と言われていない件。

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