つづら折りの一本道
◆◆◆つづら折りの一本道◆◆◆
壁の向こう側の道はどうやらつづら折りになっているみたいで、長々と道を歩かされています。
とはいえ、魔物もさっきのカビも出てこないのでたんたんと進むことが出来ています。
次の曲がり角でつづら折りの折り返し3回目ですね。
「こうも1本道になっていると罠にハメられているような気もするが。」
「でも、罠らしい罠も無いんですよね。」
落とし穴は無いし、槍も飛び出してきません。未だに宝箱すらないのが残念です。
Zuruzuruzuru...
どこか遠くから何かを引きずるような音が聞こえます。
「どうやら、やっと何か来たようだ。まだ距離があるからそこの折り返しで待ち構えるとしよう。」
「あの位置ならすぐ壁の後ろに隠れられますからいいですね。」
なんでこんな形にしてあるのかわかりませんが、有利に戦えるのだから利用する。なんだか、ベテラン冒険者になった気分です。
「そうだ、今度はカビじゃなさそうなので、スケルトンさんたちを呼んでおきますね。」
「なるほど、それはいい案だ。」
私はスケルトンさんたちを呼んで横一列に並べ、道を塞ぐバリケードみたいにしました。
これで準備万端ですね!
「そろそろ来るぞ、気をつけろ。」
長そうな胴体、ぎっしりと並んだ鋭利な歯を携えた丸く大きく開いた口、足は無く這うように進むおそらくは虫系に分類される魔物。
向こう側から顔を見せたのは丁度通路に収まる太さのワームでした。
「なるほど、おそらくあれはカビすらも飲み込めるほどの雑食なのだろう。しかもあの速さだ。ここまで入り込んだ冒険者は引き返すより他に逃げ場はなく、あの距離を進む間にまとめて腹に収める算段なのだろう。どおりでカビが追いかけてこないわけだ。」
ワームの動きは早くて、たぶん100m以上はありそうなこの直線の通路を既に半分以上近づかれてしまいました。
でも、キリコさんは余裕そうなので、大丈夫なのかな?
「炎の槍を我が手に。」
キリコさんが私の杖に炎を纏わせて槍みたいにしました。溶けないのかな?
「ハッ!」
キリコさんが投擲した槍は避ける隙間のほとんどないワームの口に吸い込まれて行き、そのまま貫いていったように見えました。
「正面から戦える者に対しては回避行動がとれず、返って倒しやすいようだ。地中に潜れないようだし、あのカビの対策としてだけに用意されているのかもしれないな。」
「やっぱり、キリコさんって強いんですね。」
「ははは、なに、それほどでもない。」
「そういえば、キリコさんはアンデッドなのに、炎魔法を使っても大丈夫なんですか?」
「素体がキングベヒーモスだからな。火と土そして闇属性は元から得意だ。それ以外の魔法は主から授かったもの故に、飛行や死属性魔法など、かつては使えなかった魔法も使えるようになった。感謝している。」
「それは、どういたしまして?」
「さて、出来ればアレをアンデッド化してもらえないだろうか?」
「ワームをですか?確かに強そうですけれど、カビでも倒しに行くんですか?」
「いや、単純に大きくて邪魔だから通れない。燃やせば通れるかもしれないが空気が薄くなるので好ましくない。アンデッド化して送還してしまえば通れるだろう。さすがにアレを持ち帰って売るとは言い出すまい?」
「そっか、くり抜きながら通るのも大変ですからね。やってみます。」
【ワームをアンデッドとして復活させますか?】
ワームデミドラゴンゾンビ(サクリファイス10 魂消費120)
ワームレッサーデミドラゴンゾンビ(サクリファイス1 魂消費15)
ワームハイゾンビ(魂消費1)
ワームゾンビ
ワームゴースト(魂消費1)
ダークワーム(サクリファイス666 魂消費1)
ワーム=Vi=ルス(サクリファイス255 魂消費1)
「なんか変わったのあるし、これにしようかな。」
【サクリファイス 対象を決めてください。残り最大255】
キリコ
ロイヤー
スケルトン
レイス
グール
ゾンビ
私は適当にゾンビとグールを優先的に選びサクリファイスしました。
ワームがみるみるうちに小さくなっていきます。
変化が止まると、ワームは15cmくらいの大きさになってしまいました。
「なんだこれは?」
「ワームViルスっていうらしいです。なんだかちっちゃくなってしまいましたね。」
「うーむ・・まぁ、通れれば良いか。」
ワーム育てるの楽しそうだと思いません?
Lvを上げて進化させていつか空飛ぶ龍にするんだ…!!
このワームはアンデッドだから進化しても体は変化しないし、なんか全然違う感じのワームになってしまいましたけど・・・。
強そうなワームを参考にしようとして調べたら全然違うのが出てきたのがいけないんです!
ずんぶりずりずりずん。
ずんぶりずりずりずん。
FFTのあのBGMが脳内で再生されてしまうー。