やっと3階です
◆◆◆やっと3階です◆◆◆
いろいろありましたが、やっとの事で階段を降りることが出来ました。
「ふむ?やけに静かになったな。」
「そうですか?さっきと同じくらいですよ?」
どたどたと走ってくるヤギとかは見える範囲にはいませんが、さすがにその事ではないですよね?
「いや、間違いない。ネズミどころか小さな虫すら数が少ないようだ。」
「私、そんなことまでわかりませんよ。」
ネズミはともかく、小さな虫って何か音出していましたっけ?
「慎重に、いや、先ほどと同様に骨を使って危険そうな場所を調べた方がいいだろう。」
「えぇ~。また騒動になったら嫌じゃないですか。」
「それは命よりも重要か?」
「それは、そう言われたら仕方ないですけれど・・・。」
私はしぶしぶスケルトンさんたちを呼んで調査に行ってもらいました。
「これで何かわかればいいが。」
「変なのが来ませんように。怖い人たちが来ませんように・・・。」
「交渉(物理)すればよかろう?」
「それが嫌なんです・・・。」
「この程度で面倒を起こすような輩は何もしなくても問題を起こす。発生する問題がわかりやすいだけマシではないか。」
「出会う事なく通り過ぎるのが一番いいと思うんですけど。」
「理想はそうだろう。しかし現実は厳しい。どの程度やり過ごせるかはそれこそ運任せというものだ。して、主は運には自信がある方か?」
「いいえ、全く自信がありません。」
「ならば仕方あるまい?どうせ問題が起こるのであれば、効率よく進めて早く立ち去った方が実害は少ないとは思わぬか?」
「なんだか騙されているような気がします。あ、スケルトンさんたちがすごい勢いで倒されています。」
「どっちだ?」
「あっちです。」
私は階段から出て右斜め前方を指差しました。
「ふむ・・・とりあえず左斜め方向に進んでみるか。いきなり近づくのは良くないだろう。」
左に向かう事で離れつつ、真っすぐな通路が多いので遠目で確認するつもりなんですね。
「わかりました。そうしましょう。」
てくてく、ふよふよ。
「うーん、スケルトンさんたちを倒しながらこっちに向かっているみたいです。」
「速度はどれくらいだ?」
「私たちよりちょっと速いかな?」
「鉢合わせは良くないし、階段を上っても追いかけてくる可能性がある。階段へ戻るよりも離れた方がいいだろう。あっちだ。」
私たちは進行方向左の道に進んで向かってくる何かから距離を取る事にしました。
「あれは・・カビか。」
「なんですかあれ?カビ?」
壁、天井、床、全てを埋め尽くす濃い緑っぽい何かがうぞうぞと蠢きながら逃げようともしないスケルトンさんたちを飲み込みながら向かってきます。
「最悪だ。あれが全部カビの魔物だ。数えるのもばかばかしい。」
キリコさんが火の魔法で焼き払っています。
「やつらはすぐ増える。どうせ生き残りがいるし、あれも一部でしかないはずだ。ダンジョンがどの程度餌を供給しているかによるがな。」
「だったら、早く次の階へ行った方がいいですね。」
「骨とほかのアンデッドも返した方がいい。餌にされるぞ。」
「あ、たしかに!」
いくらやられても復活するからカビが無限に増えてしまいます!
「アンデッドどもを戻す時に怪しい場所は無かったか?階段が見つかっていればなおよいが。」
「階段は見つかっていませんけど、ここから見えるあの壁の向こう側へ行ける道があります。」
離れる方に進んでいた方向の左右の通りの奥の壁は前後よりも近くて、右側の壁の後ろに回り込めるところがあるんです。
「ならば、とりあえずはそこに向かおう。」
そういえば、何故か前作に比べて評価をつけてくれる人が多いのでありがたいです。
目指せ1000点!(特に意味はない)
10万字超えたのでなんとなく、ネット小説大賞七というのに参加しています。
運が良ければイラストを描いてもらえるらしい。
うp主の運は逆Vなので望み薄ですね。自分で描いた方が早そうです。