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祭壇

◆◆◆祭壇◆◆◆

「ふぅ、やっと取れました。埋まっていたのはやっぱり指輪でしたね!」


ふきふき。


「まぁ、武器を埋めると普通は錆びるからな。いや、指輪も錆びるか。なぜ錆びていない?」


「ダンジョンって不思議ですよね。あ、今度の指輪は小さいけど宝石が付いていますよ。」


「どれ?ふむ、サファイアか。安物だな。やはり買った方が早いのではないか?」


「むぅ、そういうのはいいんです!自分で手に入れた装備を使うのがいいんです。装備がなくても強いキリコさんには解らないんですね。」


「いや、分かるが、ここは安全を優先してだな。」


「もしかしたら、すっごく強い指輪が手に入るかもしれませんよ?」


「だといいがな。」


「あ、今、ないわーって顔をしました!」


「気のせいだ。ん、どうやら次の階へ進む祭壇のようだ。」


「もう、ごまかさないでください・・祭壇?階段ではないのですか?」


見ると、草に埋まった石造りの儀式でもしそうな感じの区画があります。


「転移迷宮のようだな。よほど罠が好きなのだろう。」


「転移の罠、無いといいなぁ。あ!」


「どうかしたのか?」


「入り口の木の識別が切れています・・・。」


「そういえば、魔物や宝箱に使っていたな。やはりランクが低いと不便なのは避けられぬか。だが、個程度の広さであれば、方向さえ覚えていれば問題なかろう?」


「うー・・識別のランクを上げたいです・・。」


【識別付与[初級]を強化しますか?10SP SPが足りません。】


「知ってます・・・。次の階ならLv上がるかなぁ?」


「調べていないから分からぬ。」


「ですよね。帰っても仕方ないし、先へ進みましょう。」


入り口を識別するために戻っても、敵を識別していたらまた消えちゃいますからね。


私たちは祭壇の転移を起動して、次の階へと進みました。


転移の光が収まり、周りを見渡すと先ほどとは打って変わって、石造りのダンジョンになっていました。


私たちは十字路に立っていて、見えなくなるほど遠くまで真っすぐ道が続いています。


「なんだか、広そうですね。一応この辺りの石を識別しておきます。」


▼石 +中立


「このダンジョンはあまり良くないな。」


「どうしたんですか、急に。」


「いくつも曲がれる場所があるだろう?これは間違いなく奇襲を狙っている。」


「たしかに・・・曲がり角で待ち伏せされたら危ないですね。」


「それだけではない。背後を取るのも容易なのだ。通り過ぎた後、他の魔物と交戦しているところに乱入してもいいし、こっそり罠を仕掛けてもいい。」


「なんだか危なそうです。スケルトンさんたちを増やした方がいいかな?」


「それがいいだろう。Lv上げはある程度探索してからやれば良い。ん、待て。この祭壇はまだ使えるのか?・・・さすがにそこは大丈夫のようだ。もし帰還不能になっていたら探索を中断しなければならないからな。」


「階段が転移装置になっただけなのに、急に難しくなるんですね。」


このダンジョンはやめて他のにした方がいいのかな?


「とはいえ、主であればここにいながら多少の探索を行うことが出来るだろう。」


「宝箱の位置は今のところ・・・あっちかな?」


「そうではない。ここにいれば不測の事態が起きても転移装置を起動すれば容易に逃げることが出来るし見通しもいい。骨どもを派遣して探索するのだ。」


「スケルトンさんたちをですか?でも、スケルトンさんたちはお話できないし、探索とかもよくわからないみたいですよ?」


「適当に進ませて、魔物と遭遇したら戦えとでも言っておけば良い。」


「なるほど、先に魔物と罠を減らしておくって事ですね。やってみます。」


私は四方に続々とスケルトンさんたちを呼んでそのまま歩いていってもらいました。


「でも、他の冒険者さんがいたら間違えて攻撃されたりしませんか?」


「特に問題ないだろう。その方向に派遣する数を減らせば良い。」


「それに、魔物に倒されたのか他の冒険者さんに倒されたのかわかりませんよ?」


「そこに何かある。それが先にわかるだけでも十分だとは思わないか?」


「なるほど、それもそうですね。」





ダンジョンに入るとダンジョンキーパーを思い出します。

話を作る前にMAPを先に作ったのですが、いかにもなMAPも作っちゃおうかな?

MAPをUPしなければバレない・・・はず。


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