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はずれ

◆◆◆はずれ◆◆◆

結局身動きが取れないロイヤーにはお疲れ様!っていって帰ってもらいました。


倒したゴブリンは適当にスケルトンさんたちに持ってもらい、なんとなく進むと宝箱がありました。


「変なの、宝箱があるってわかりませんでしたよ?」


「それほどいいものが入っている・・・わけはないか。ハズレなのだろう。」


「もしかして、ミミック?」


「さて?開けてみなければわからぬ。」


「まずは、スケルトンさんたちに調べてもらいましょう。スケルトンさんたちお願い。」


スケルトンさんたちも慣れたもので、周囲の罠を歩き回って調べたり、宝箱をつついてみたりしてくれます。


「毎回同じスケルトンさんたちが来ているのかな?」


「見分けがつかぬ。印をつけても、次に呼ぶときには消えているのではないか?」


「どうなんでしょう?うーん、ハンカチの予備は持ってこれませんでしたし、何かいいものないかなぁ?」


「その辺のツルでよかろう。」


「それじゃぁ、ちょっとかわいそうですよ。もうちょっとかわいいのがいいです。」


キリコさんは首を振って宝箱の方へ行ってしまいました。


「うー、絶対かわいい方がいいのに・・・。」


キリコさんは話も聞かず、確認もそこそこに宝箱を開けてしまいました。


「本当にハズレのようだ。何も入っていない。」


「むー、本当に何も入っていません。ここのダンジョンマスターさんはいじわるです。」


「いやいや、ただの罠だろう?」


「罠ですか?」


「宝箱があれば気になるし開けたくなるだろう?そこを近くに配置していた魔物に襲わせるのだ。」


「ううー・・・せめて、薬草でもいいから入れて欲しい・・・。」


開ける前のわくわくが!


出てきたよくわからないものがどんなものなのかを考えるあの感じがいいのにー。


「さっき、その剣を拾ったであろう?それで十分ではないか。」


「それもそうですね!どんどん行きましょう!」


しゃきーん!


「てーい!」


ズバッ!


「ああ!ちょっと刃こぼれしてしまいました・・・。」(´・ω・`)


「まぁ、見るからになまくらであったからな。」


「私の剣・・・。」


「この杖に戻すか?」


「もう少しこの剣でいいです・・・。」


枝を切り払うだけなので、刃こぼれした程度であれば問題ありませんでした。


でも、ちょっと切れにくいです。


てくてく、ふよふよ。

てくてく、ふよふよ。


「あ、また宝箱がありそうです。予感がするって事は、さっきと違って中身があるって事ですよね?えへへー楽しみです!」


「まるで宝探しゲームをしているかのように見つかるな。」


「あっちですよ?行きましょう!」


「まぁ、Lvが上がらずとも装備で補えばいいか。」


ジャキン!


先行するスケルトンさんたちをギラギラ光る鉄の槍が貫きました。


「じ、地面から槍が出てきました。」


「ダンジョンにはよくある罠・・・とはいえ、殺傷力が高そうだ。」


後続を巻き込むためなのか、広範囲にわたって槍が飛び出しています。


しばらくするとすすすと槍が戻っていきました。


「あんなの、どうやって避けるんですか?」


「解除するか、起動部分だけを避ければ良かろう?」


「もう、飛べるからって適当な事言わないでください。解除なんて出来ませんし、起動部分も良くわかりません。だから。」


「だから?」


「乗せてください。できればおっきくなった方でお願いします。」


「ふむ、まぁ、それでもよかろう。」


「え?ほんとですか?やったー!」


「乗りたいだけか。さて、乗せるのはいいが、危ないから気を付けるように。遠慮はいらん、絶対に落ちないようしっかりとしがみつくのだぞ?人化解除。」


キリコさんがみるみるうちに巨大な怪獣へと姿を変えていきます。


「わわ!い、いきなりはこわいです!」


キリコさんが突然私を掴んで背の上まで運びました。


「この辺?この辺ならしっかり掴めるかな?足が滑りそう・・・。」


どしん、どしんとキリコさんが進み始めました。


「ゆれます・・すっごくゆれますぅ・・・。」


結局私はしがみつくのに必死でした。


トゲ床エリアを超えると、キリコさんがゆっくりと私を降ろしてくれました。


「×××××××××××××××××。人化。」


「ふぅ、ちょっと怖かったです。今度はもうちょっとゆっくり歩いてください。」


「まだ乗る気だったのか・・・。」


「宝箱がありそうなのはあの辺りの下の方ですね、ロイヤー!掘りますよ!」


「そんなもの無視して進んだ方が効率がいいのではないか?」


「そんなのダメです。だって、気になります!」


「はぁ、まぁ、人間とはそういうものか。」




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