平常心[入門]
◆◆◆平常心[入門]◆◆◆
「えーっと、そうだ。さっき見つけた宝箱の方に行ってみましょう。」
真っすぐ進めるようで進めない木の生え方が絶妙で大変です。
ダンジョンマスターさんが頑張ったのかな?
「この木で通れなくなっている向こう側に宝箱があると思うんですけれど、どうしましょう?」
「壊すか?」
キリコさんがものすごい力で木を1本引っこ抜いて放り投げました。
「宝箱だな。なんだ、向こう側が通れたのか。まぁ、こっちの方が早い。しばらくすると生えてくるだろうから、手短にな。」
キリコさんってこういう時は結構雑なんですね。
「わかりました。スケルトンさん、ちょっと罠を調べてください。」
踏み荒らしたり、宝箱をつついたりしてもらったけど大丈夫みたいですね。
あ、宝箱に識別使ってみようかな?
▼宝箱 +敵
宝箱は敵なのでしょうか?
ミミックでも宝箱って出るのかな?
「あ、キリコさんは宝箱を開けることが出来ますか?」
「無論だ。」
キリコさんが宝箱を開けてくれました。
矢が飛び出したけれどキリコさんが掴んで止めました。すごい反射神経です。
「スケルトンさんはどうも宝箱を開けてくれないみたいなんですけど、どうしてなんでしょう?」
「スケルトンだからな、そういうものなのだろう。」
「なるほど、そういうものなんですね。」
よくわかりませんでした。
「中身は剣か、役に立たんな。」
ふつうの鉄製の剣みたいですね。
「そうですか?ちょっと使わせてください。」
私は杖を置いて剣を手に取り、宝箱の罠の確認のために呼んだスケルトンさんを送還してみました。
「あ、送還できました。どうやら魔剣みたいですね。」
「どうせ攻+1とかのショボい効果の付いた魔剣であろう。邪魔にしかならぬ。」
そんなに弱くても魔剣として使えるんですね。
杖って何のためにあるんだろう・・・。
「そうだ、枝払いには丁度よさそうです。」
「まぁ、そんななまくらなら折れても別に良いだろう。その立派な杖は代わりに運んでおこう。」
「はい、杖はお願いします。」
えへへ、魔法剣士への第一歩ですね!
ザクザク
ガンッ
シュッ!
私はるんるんで払う必要のない枝まで払って剣を試してみました。
ヒュッ
「あ、またアローラビットです。カース!識別!」
▼アローラビット +敵
私はすかさずカースをお見舞いして、逃がさないようにと他を巻き込まないために識別を使いました。
識別してしまえば楽勝です。私はすぐに物陰に隠れ、ダークガーデンを使いました。
初、識別敵だけに向けたダークガーデンの発動ですね。
10秒経つと周りから闇の光が沸き上がり、宝箱に闇のトゲが刺さりました。
ちょっとびっくりです。
「あ、そういえばさっき宝箱を識別していましたね。アローラビットはどうなったかな?」
▼アローラビット 死亡
識別って便利ですね。創造神様が推奨しているだけはあると思います!
「ふむ、先ほどまでとは違って見事な手際だ。やはり、挑発攻撃を受けていたのだろう。」
「うーん、そんな気はしないのですが、そうだったかもしれません。」
さてと、次の宝箱は・・・あっちかな?
さっき移動していた方向から見て左の方に宝箱か何かがあるような気がします。
「次はあっちにしましょう。」
ザクッ
スッ
ズパーン!
えへへ、剣を振り回すのって結構楽しいですね!




