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薬草って高いんですね

◆◆◆薬草って高いんですね◆◆◆

私は暗い気持ちのままギルドへ帰ってきました。


「おかえり、ヘンリエッタちゃん。」


今日もサリアさんが迎えてくれました。サリアさんはいつ休んでるんだろう?


「はい、ただいま。」


「どうしたの?元気ないじゃない。依頼に失敗した?」


「その、お外でおじさんに襲われて、返り討ちにしてしまいました…。」


「大丈夫?ゲガしてない?ちゃんとトドメ刺した?」


サリアさんがカウンターから乗り出して聞いてきました。


「はい、大丈夫です。ちゃんと、スケルトンさんにやってもらいました…。」


「良かった、冒険者証持ってる?見せて?」


「はい。」


冒険者証をサリアさんに渡しました。


「ふんふん、これは大丈夫ね。それで、襲ってきたやつのは?」


「その、持ってないです…。」


「ダメじゃない、今すぐ案内して!すみませーん、ちょっと緊急で出てきますー。」


「はーい。」


奥の方で声がしました。隣のカウンターにも人がいるけど、奥にいる人が変わってくれるのかな?


「行くよ、無くなってたら仕方ないけど、あった方がいいからね。」


「はい。」


私はサリアさんを連れて急いで薬草を採取していた辺りに戻りました。


「ふぅ、まだあったわね。うーん、この辺かな。」


サリアさんがゴソゴソと冒険者証を探しています。


「あったあった。ほら見て、赤くなってるでしょ?」


「はい。」


サリアさんが取り出した冒険者証は全体が真っ赤になっていました。


「カルマっていうのがあってね、悪い人はそれが高くなるの。

身分証はちょっと悪い人のは黄色、もっと悪い人のはこんな風に真っ赤になるのよ。

この赤い身分証を持って、この人が町の外で襲い掛かってきたので返り討ちにしましたって言えば、

だいたい信じてもらえるから、ちゃんと回収してね。

でも、それより、

こんなところで見知らぬ人に近寄っちゃ絶対にダメ!」


「はい…。」


「依頼は失敗しても次頑張ればいいの。死んじゃったり、依頼ができない体になっちゃったらそれどころじゃないでしょ?」


「はい。」


「よろしい。次はちゃんと逃げるのよ?」


「はい。」


もう、あんなに怖い思いはしたくないので、すぐに逃げます!


「今日は疲れたでしょう?報酬受け取ったらすぐに休むのよ。」


「はい、わかりました。」


私はサリアさんとギルドへ戻って報酬をもらい、すぐに宿へ帰りました。


報酬は銀貨1枚と大銅貨3枚ももらえました。薬草って高いんですね。




「おはようございます!」


「おはよう、ヘンリエッタちゃん。今日はドブさらいできるけど、ドブさらいにする?」


「はい!がんばります!」


スケルトンさんの出番です!


「はい、じゃぁこれね。いってらっしゃーい。」


「行ってきまーす!」


悩んでいても仕方ありません。ごはんは待ってくれないんです!


私は元気に役場へと向かいました。




「こんにちわ。」


「いらっしゃいませ、おととい来られた…ヘンリエッタさんですね。今日もドブさらいですか?」


「はい、お願いします。」


私は依頼書を出しました。


「はい。道具はいりますか?」


おねえさんが依頼書を返してくれました。


「貸してください。」


「じゃぁ、場所はわかるね?勝手にもっていってくれていいから。今日の担当は…この辺りです。」


おねえさんが地図をとりだして場所を教えてくれました。


「ありがとうございます。いってきます!」


「がんばってねー。」


今日はスケルトンさんもいるし、いっぱいがんばります!




準備OKです、早速スケルトンさんに手伝ってもらいましょう。


「来て、スケルトンさん!」


魔法陣が現れて、スケルトンさんが出てきました。


「スケルトンさん、このみぞの、ドロを取ってここに入れて欲しいの。」


今回も剣を持ったスケルトンさんでした。だいたいのスケルトンさんは剣を持っています。


剣が好きなのかな?


「あ、待って、待って!傷が付いちゃう!」


スケルトンさんが持ってきた剣でドロを取り始めてしまいました。


剣もみぞも傷がついてしまいます。


「この、スコップを使ってね。」


ふふ、このスケルトンさん、スコップ持ってます。おもしろいです!


「そーっと、そーっとだからね?」


ガリガリガリガリ


「だめーーーー!!」


スケルトンさんが、いきなりみぞを削るようにドロを取り始めてしまいました。


「もう、貸して。こうやるの!」


まずは、ざっくりとドロを取れるところから取って、あとで丁寧に残ったドロをきれいにするんです。


スケルトンさんに任せるとまた傷ができそうなので、これはもう私がやります。


「わかった?それじゃ、あっちやってみて。」


スコップをスケルトンさんに返して、ちょっと進んだ部分をやるように促しました。


「上手、上手。さすがスケルトンさんだね!」


私も早くこっちをきれいにしなきゃ。


私は小さい方のスコップでスケルトンさんがざっくりドロを取った後をきれいにしていきました。


スケルトンさんは疲れないみたいだし、力持ちなので、とってもはやく進みました!


全部終わったことをおねえさんに報告したらびっくりしていました。


今日の報酬は、おまけも入れて小銀貨1枚と大銅貨3枚になったので、大満足です!




貨幣基準

金貨25万円 小金貨5万円 銀貨1万円 小銀貨5千円 大銅貨千円 銅貨百円

小銅貨50円 鉄貨10円 小鉄貨1円 くらいです。 後で変えるかもしれません。

何故高額の貨幣があるのかと言えば、紙幣じゃないので嵩張るからです。


町の外に出て薬草を集めただけで13000円は高いと思いませんか?

とても安いです。

町の外は魔物が徘徊しているので危険です。一般人が逃走手段や強力なスキル無しで出会ったらだいたい死にます。イメージとしては、クマが数十頭住んでいる山に猟銃も持たず松茸を取りに行く感じです。割に合いません。



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