探索開始です
◆◆◆探索開始です◆◆◆
「このダンジョンは宝箱とかが少ないのかな?」
財宝が近くにあるような感じがしないのです。
「実入りが悪いから討伐対象なのではないか?」
「うーん、そういうものなのかなぁ?」
「さっきの様に、他の冒険者も来ているからないという事もある。」
「それとはなんか違うような気がするんですよ。」
先ほどの冒険者さんたちが向かった先は草や木がかき分けられていましたが、こちらは奇麗なものです。
「人が通った後がないというのであれば、ダンジョンの一部となっている壁や木などは1日も経てば元通りになるからではないか?」
「え?あ、で、でも、一日は誰も通っていないって事ですよね?」
「まぁ、そうとも言える。あ、スケルトンが穴に落ちたぞ?」
先行して罠を探してもらっているスケルトンのうちの一人がすっと消えました。
どれくらい深いんだろう?
「これ、近づいてはならぬ。」
キリコさんに腕を掴まれました。
「え?どうしてですか?」
「もし落ちたのが人間の仲間であれば穴に近寄って引き上げようとするだろう?」
「はい、当たり前じゃないですか?」
「だから、落とし穴の周りも崩れやすくしてあることがある。先にそれを調べておかねばミイラ取りがミイラになってしまうのでな。」
「なるほど。罠って巧妙にできているんですね・・。」
私はスケルトンさんを増やして穴の周りをつついてもらいました。
「今回は大丈夫みたいですね。」
「とはいえ、次回も大丈夫な理由にはならぬ。気をつけるのだぞ?」
「はい、次からは気をつけますね。」
私は落とし穴を覗いてみました。
今ならキリコさんに腕を掴まれているから安心ですね!
「けっこう深い・・・3mくらい?」
底には木で出来た杭が何本か立ててあり、落ちたら串刺しになってしまいます。
スケルトンさんは刺さってないけど落ちた衝撃でバラバラになっちゃったみたいです。
「一応治してから送還してあげますね。ダークガーデン。」
「ダークガーデンというのは初めて聞いたが、何かの魔法か?」
「私が最初に覚えたスキルです。アンデッドを治せるし、アンデッド以外には攻撃になるんですよ。味方にも当たりますけど・・・。」
「便利なようで不便のようだな。」
周囲から闇の光が沸き上がり、穴に落ちたスケルトンさんを癒してくれました。
む?
白い毛玉が弓を構えてこちらに狙いをつけようとしています。
「カース!」
ヒュッ
狙いの定まっていない矢が大きく外れた所を通っていきました。
キリコさんがとっさに腕を離してくれましたが、避けるまでもありませんでしたね。
「アローラビットゆるすまじ!ハデス!」
私は指先に力を集中させながらカースで目くらましされているアローラビットに接近します!
「ああ、もう、そこはまだ罠を調べていないだろう!」
「くらえー!!」
私はアローラビットへの接近に成功した直後にハデスを叩きつけました!
勝利です!
「これ、罠を確認せずに突撃してはならぬ。」
「アローラビットは狡猾にこちらを狙ってくるので危険です。逃がしてしまえば姑息にも隙を伺い不意を突いてくるかもしれません。」
「落とし穴に落ちてはそれどころではなかろう。ましてや、落とし穴に落ちた所を穴の上から嘲笑い、矢でもいかけられたら目も当てられん。」
「うう・・・アローラビットはそんな卑怯な手も使うのですか・・・!!」
「何か良くないことでもあったのか?」
「あいつら、私がちょっとでも物陰から出ると執拗に狙ってくるんです。他の人は全然攻撃しないのに!」
「きっと、防御力が低そうなのを狙うのであろう。」
「私の装備、マジックシルバーですよ?本当に防御力低いですか?」
ふつうの服っぽい人とか、皮装備の人もいたのに。
「まぁ、狙われているという事もあるかもしれぬ。それだけ活躍したのであろう。」
「むぅ・・・。スケルトンさんたちに壁になってもらったりロイヤーに頑張ってもらったりしただけなのに。」
「きっとそれが功を奏しすぎたのであろう。とはいえ・・・何の話であったか?ああそうだ、罠の話であった。遠距離攻撃で注意を逸らして罠にハメるのも作戦のうちかもしれぬ。気をつけねばならん。」
「はい、それは気をつけます。」
罠にハメられたところをアローラビットに笑われたら、私、怒りが有頂天に達してしまいます!!
あれ、この言い回し、サリアさんが使っていたけれど、なんだか有頂天って意味が違ったような?
うーん、でも、違うとしたらなんていえばいいんでしたっけ?
ダンジョン内の敵のLvは、
そのダンジョンのLv補正 × 階数
で決まります。
たしか以前、獲得経験値を載せていたと思いますがもう一度書いておくと、
(倒した敵のLv +10 -自分のLv)×2
です。
あ、パーティーメンバーがいる場合は貢献度とかで計算するLvが変動します。
パーティーメンバーが7人以上だともらえる経験値はゼロです。Lv上がりません。
ですが、経験値はパーティーメンバー数で均等割り(切り捨て)になるので低Lvが高Lvを養殖できるという謎の事態が発生します。
やはり、パーティーのスキルはチート。
ヘンリエッタちゃんはアッティレイス村でLvが13くらい?になっているので、1階で戦ってもLvUPにはあまり期待できません。
そして、偵察用のスケルトンを下げ忘れると経験値ががが・・・。




