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ダンジョン村のダンジョン

◆◆◆ダンジョン村のダンジョン◆◆◆

翌朝。


「サリアさんおはようございます。」


迷宮前にある仮設ギルドに寄ってみると、早速働いているサリアさんを見つけました。


「おはよう、ヘンリエッタちゃん。早速今日から迷宮探索ね。気をつけていってらっしゃい。」


「はい、行ってきます!」


ダンジョン村といっても、そこそこしっかりした建物が建てられているのでしっかりと休むことが出来ました。


もちろん、おばあちゃんの宿が私には一番です!


「キリコさん、しっかりヘンリエッタちゃんを守ってあげてくださいね。」


「任せてくれ。」


「そういえば、このダンジョンってどんな魔物が出るんですか?」


「動物系ね。時々オークも出るから、キリコさんからはぐれないようにね。」


「お、オークですか・・・。」


「お姉さんも、ヘンリエッタちゃん一人だったらやめた方がいいと思うけれど、キリコさんがいるから転移の罠でも踏まない限り大丈夫じゃないかな。あ、なんかこんなこと言うとフラグになるかも。」


「こわい事言わないでください。」


「でも、ヘンリエッタちゃんなら転移の罠にかかったとしても、キリコさんを送還してすぐに召喚すれば大丈夫なんでしょう?」


「あ、それもそうですね。大丈夫かもしれません。」


「そして、転移先は魔法禁止エリアでキリコさんを呼べずなんてことに」


「やめてください・・。」


「ごめんごめん。でも、一応そういう場合も考えた方がいいんじゃないかな?要するに、罠には気を付けてね。」


「はい、気をつけます。」


私たちはサリアさんに手を振って別れました。


罠は・・・スケルトンさんたちに踏んでもらおうかな?


でも、出しっぱなしだと経験値がもらえなくなってしまいます。


戦闘の時だけひっこめるにしてもその分対応が遅れてしまうし、罠が無いと判明している場所だけで戦わないといけません。


やっぱり、罠を解除できる人がいた方がいいのかなぁ?


そんな事を考えていたらいつの間にかダンジョンの入り口についていました。


「採掘場と違って、ここはしっかりとしたダンジョンです。気を引き締めていきましょう。」


森タイプのダンジョンみたいで、多くの木々が視線を阻んでいます。


「であれば、まず中に入るべきだ。後ろがつかえておるぞ?」


「え?あ、はい!」


私はあわててダンジョンに入り、横にずれて道を譲りました。


屈強そうな冒険者さんたちがガシャガシャと鎧の音を立てながら無言で通り過ぎていきます。


「あの人たちについていけば次の階に進めるのかな?」


「おそらくは。だが、それはマナー違反というものだし、双方に緊張を強いるだろう。」


「緊張、ですか?」


ずるいからマナー違反なのはわかりますけど。


「ダンジョンで、他の冒険者に後ろからつけられているとなれば何をされるかわかったものではない。」


「あ、そうですね。」


「そして、悪意がないことを証明するのは難しい。とりあえず、このままあちらに向かってみるとしよう。」


「道も目印も無いと迷子になっちゃいそうです。」


「それがこのダンジョンの作戦の一つなのだろう、仕方あるまい。」


たとえ紙と鉛筆を持って来ていても生えている木とかをスケッチしていく時間なんてないのでお手上げです。


「他の冒険者さんたちはどうしているんだろう?」


「マップが使えるようになるスキルでも持っているのだろう。識別もランクを上げればマップが手に入るのではなかったか?」


「私の識別はまだ初級だから全然無理ですよ。」


「この辺りの木を識別しておけば入り口の方向だけはわかるのではないか?」


「あ、やってみます。うーん、なんとなくわかるようになった気がします。」


「まぁ、何もしないよりはましであろう。先へ進もうか。」


「そうですね。まだ、入ったばかりですから。」




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