今日もおしごとがんばります!
◆◆◆今日もおしごとがんばります!◆◆◆
朝ごはんを食べて、ギルドにやってきました。
お昼なのにスケルトンさんを連れているとびっくりさせてしまうので、
いったん帰ってもらう事にしました。
今日もおしごとがんばります!
「おねえさん、おはようございます。」
「おはよう、ヘンリエッタちゃん。あ、私はサリアっていうの。よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
「それで、えっと、悪いんだけど…ヘンリエッタちゃんに紹介できそうな町の仕事がちょっと見つからなくて。」
「大丈夫です、今日もドブさらいがんばります!」
「あー、そのー。ドブさらいは2日に1回しか受けられない決まりなの。健康に悪いし、お金の無い子供がなんとか食いつないでいけるのがこれくらいだから、お仕事を残しておかないといけないのよ。だから、ごめんね?」
「いいえ、大丈夫です。サリアさんは悪くありません。それでは何かほかに、私にできそうなおしごとはありませんか?」
「うーん、薬草採取があるけど、町の外は危ないし‥。」
「薬草採取ですね、私、がんばります!」
「遠くへ行っちゃダメよ?魔物に会ったらすぐに逃げて、兵士の人に助けてもらうの。いい?」
「はい!わかりました!」
「ああ、もう心配だわ。こっそりついていこうか…。」
「安心してください、私、こう見えても農業やっていたので、結構体力あるんです!」
「絶対に生きて帰って来てね。これ、見本ね。」
「はい!ありがとうございます!」
サリアさんはとっても親切で優しいです!
「ヒヒ、ウヒヒ。」
でも、お酒を飲んでいる冒険者さんたちは怖いです…。
「そんじゃ、気を付けるんだぞ、嬢ちゃん。」
「はい!」
一人で町のお外に出るのは初めてでちょっとワクワクします。
「ぎざぎざで、ちょっといいにおい。」
サリアさんにもらった薬草は、ちょっと濃いめの緑色で、小さいぎざぎざの葉っぱが5枚ついています。
「うーん、畑で見たことあるよーな・・?」
探せばきっと見つかるよね?
私は頑張って探しました。
茂みの下とか、おっきな岩の裏とかを見たらちょっとだけ見つけることができました。
でも、先に誰かが取ったみたいで、あまり残っていませんでした。残念です。
「よぉ、嬢ちゃん。何かお探しかい?」
夢中になって探していると、見知らぬおじさんが声をかけてきました。
「この辺で探しているって事はアレだ、薬草だろ?」
2人組の冒険者さんでしょうか?もう一人のおじさんがそう私に問いかけました。
「はい、ここで薬草を探しています。」
「おーやっぱり。俺さっきあっちで見たぜ?案内してやるよ。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
さすが先輩冒険者さんです。
「いいって事よ。ほら、こっちだ。」
「はい。」
こんな茂みの奥の方にあったんですね。
きっと、場所が悪いから先に取りに来た人も見逃したのです。
「おう、嬢ちゃん、あの辺りだ。」
「どの辺りですか?」
「ちょっと暗くなってるだろ?あの辺りだ。」
「えーっと、あ、これだ!痛!」
左腕を強く掴まれました。
「キヒヒ、馬鹿なお嬢ちゃんだ。」
「女の子が一人でこんなところに来たら危ないじゃないか。おじさんたちがお仕置きしてあげるよ。ヘヘっ。」
「や、やだ、やめてください!離して!」
「おらよっ!」
おじさんに押し倒されてしまいました。痛いです。
「たすけて、スケルトンさん!」
魔法陣からスケルトンさんが出てきておじさんを攻撃しました。
「うわっと。あぶねぇ。」
避けられてしまいました。
「おいおい、掴みやすいからって空いている方じゃなくて杖持ってる方の腕狙えよ。」
「わりぃわりぃ、でも、スケルトンくらい楽勝だぜ。」
おじさんが剣を振り抜き、あっさりとスケルトンさんが切られてしまいました。
「ほーら、暴れると、足、切っちまうぞ~ヒヒッ。」
おじさんが剣を持ったままゆっくりと私に近づいてきます。怖いです・・泣きそうです…。
「スケルトンさん!スケルトンさん!」
2体のスケルトンさんが現れておじさんを攻撃します。
「ちっめんどくせえな。お前、あっちやれよ。」
「まかせな。」
「スケルトンさん!スケルトンさん!もっといっぱい!」
次々とスケルトンさんが出てきて次々とおじさんに切られてしまいます。
どうしたら…。
「スキル…ダークガーデン。」
私は震えながら昨日覚えたばかりのスキルの名前を口にしました。
「なんだよ、何も起きないじゃねえか。びっくりさせるなよ。」
私を守ってくれるスケルトンさんが全部切られてしまいました。でも、間に合います。
「ヒヒ、お楽しみの時間だ。」
キラキラと光る闇の光が周囲一帯から沸き上がって切られて起き上がれないだけのスケルトンさんたちを治し立ち上がらせ、さらにおじさん2人の足元から闇のトゲが生えてダメージを与えました。
怖いから射程を最大にしたら広すぎました。
「い、痛い。くそ、魔法か。」
「ガキのくせに、ぜってー許さねぇ。命だけは助けてやろうと思ってたけどそれも辞めだ!」
起き上がった十数体のスケルトンさんがおじさんたちに襲い掛かります。
「スキル、ダークガーデン!」
「く、そ。スケルトンなんかに・・・。」
「オラァ!ぐあっ・・。アアァァアア!」
スケルトンさんたちが、弱ったおじさん二人を滅多刺しにしていきます。
「た、たすけ」
「いが、や゛」
「町の外で誰かに襲われ、これを返り討ちにした時、必ずトドメを刺さなければなりません。それを立証できず、他に裁くことのできる人がいないからです。法律でそう決められているって、お父さんが、言っていました…。」
「×××××、」
「××××××××××。」
「まだ見ぬ誰かに危害が及ぶ前に、安らかにお眠りください…。」
キラキラと光る闇の光が周囲から沸き上がってスケルトンさんたちを治し、おじさん2人の足元から闇のトゲが生えてダメージを与えました。
まだスケルトンさんたちがおじさんたちを攻撃しています。
【生者を2名討伐しました。魂を2獲得。アンデッドとして復活させますか?】
ハイゾンビ(魂消費1)
ゾンビ
ハイスケルトン(魂消費1)
スケルトン
ゴースト(魂消費1)
しません。スケルトンさん、増えすぎちゃいました…。
帰ってもらうしかないよね?
【送還しますか?】
スケルトン
送還します。
「薬草取らないと今日のご飯代が…。」
お父さんにもらったお金に頼るのは最後にしないと、すぐになくなってしまいます。
「でも、ここは怖いから向こうで探そう…。」
なんとかノルマを達成した私は町へと帰りました。
スケルトンにトドメを刺さないのは普通です。
斬撃で真っ二つにしてもHPはあまり減りませんが修復が遅く、HPを減らすのは魔法を使わないと手間だからです。火をつけても骨自体は燃えにくいので油か何かが必要となります。
蹴散らした後、術者を倒す方が圧倒的に楽なのです。
※攻撃力が高ければワンパンできるので関係ありません。




