いつの間にかダンジョンが攻略されたそうです
◆◆◆いつの間にかダンジョンが攻略されたそうです◆◆◆
コンコン
「バードリス様の配下、ドーレストランと申します。入室させていただいてよろしいでしょうか。」
宿のお部屋でくつろいでいると、なんだか堅い感じの人が訪ねてきました。
「どうぞ。」
「お初にお目にかかります、ヘンリエッタ様ですね。この度、勇者様のご活躍によりダンジョンが討伐されました。つきましてはそのご報告と今後についてのお話がありますので、広場にお集まりください。私は他の方にも伝えて参りますので、恐縮ですが失礼させていただきます。」
「はい、わかりました。おつかれさまです。」
深々と頭を下げて出て行かれました。礼儀正しい人ですね。
「それにしても、ダンジョン討伐なんてすごいですね。あんなにたくさん魔物がいたのに一人で攻略できちゃうんだ。やっぱり、勇者様ってすごいです!」
でも、この後どうするんだろう?移動?
広場で話をするって言っていたから、行けばわかりますよね?
私は一応装備を身に着けて広場へ行ってみました。
広場ではすでにたくさんの人たちが集まっています。
「ヘンリエッタおっそーい!」
「あ、アスラ。おはよう。」
「うん、おはよー。ねぇねぇ、聞いた?勇者様がダンジョン討伐したんだって。」
「うん、聞いた。すごいですよね。」
「だよねー、さすが勇者様だよね~。でも、勇者様はお忙しいからもう他の所に行っちゃったんだってー。残念だよねー。」
「えー、そうなんですか?結局ちゃんと見ることが出来ませんでした。」
「ボクもガッカリだよー。」
「静粛にお願いします。」
「あ、始まるみたいだね。」
「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。
皆様のご協力と勇者様のご尽力により、我々を苦しめていたダンジョン討伐を成し遂げることが出来ました。
ここに、感謝の意とこれまでの健闘を称え、ささやかな記念品を用意させていただきました。
どうぞお受け取り下さい。」
剣に翼の生えたちょっとカッコ良さげなバッジをもらいました。
「そちらを私共の系列店で提示いただければ各種優遇サービスが受けられますので、どうぞご利用ください。
また、クエスト完全攻略ということで、特別に追加報酬を配布させていただきました。
宿にお戻りの際は、今一度、枕元をご確認ください。」
あ、お金は結局枕元に置くんですね。
「ダンジョンの討伐のおかげで、前線の押上げが決定いたしました。
この前線の押上げは不肖この私、バードリスが担当させていただきます。
前線の押上げについては依頼内容に含まれてはおりませんので、参加をご希望される方は後ほど私の方をお尋ねください。」
「アスラは参加するの?」
私は一回町に戻ろうと思っています。
「しないしない。前線の押上げってね、魔物を調査したり、町や村を作る場所を探したり、実際に壁とか家とかを建てたりするんだよね。ぜんぜんボクたち向きの仕事じゃないんだよ。」
「そうなんですか。じゃぁ、私も町に戻ろっと。」
「すでに支給されている装備やアイテムはもう皆様のものです。
遠慮なくお持ち帰りください。
また、3日ほどアッティレイス村の各店舗はそのまま運営致しますので、この間を利用して準備をお願いいたします。
前線の押上げに参加されない方も、再び前線基地が出来た折にはその武勇を再び発揮頂けることを期待しております。
本日はご清聴頂き誠にありがとうございました。」
「ふー終わった終わったー。
さーって、ボクも久しぶりに村に帰って、家族の顔を見てくるとするよー。」
「どれくらい会ってないんですか?」
「うーん・・・どれくらい戦ってたっけ?2年か3年くらい?よくわかんないなー。
でも、結構ご無沙汰かな。
ボクは急いで支度するから、悪いけどもう行くね。
またどこかで会おうね☆」
「はい、また会いましょう。」
「あはは、その時はまた前線かな♪」
「そうかもしれませんね。」
パーティーに誘おうと思っていましたけれど、家族に会いに行くんだから仕方ありませんよね。
みんな、元気にしてるかなぁ。
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吸血の勇者様からダンジョン討伐の遠征へのご参加を表明して頂きました。
本日はそんな勇者様の素晴らしきお力の一端に触れましょう。
こちらが勇者様が公開してくださっているステータスです。
吸血の勇者 オクヤマ・ダイキ
Lv.358
HP:125万ほど
MP:213万ほど
攻:8万前後
ユニークスキル:吸血
吸血した相手からランダムで1つのスキルを受け継ぐことができる。
同じ相手に再使用不可。
我々は吸血の勇者様にスキルを提供していただける方を広く募集しております。
所持しているスキルに応じて豪華報酬をご用意しておりますので奮ってご参加ください。
なお、スキルの提供によって被ったいかなる損害も補償する用意がございます。
アッティレイス前線基地代表 エンマレ・バードリス中佐
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