勇者
◆◆◆勇者◆◆◆
毎日襲ってくるウォリウにも慣れてきたころ。
「ねぇねぇ聞いた?勇者様だって。」
あの後仲良くなったふつうっぽい神官のアスラが訪ねてきました。
「勇者様ですか?」
「そうそう、勇者様がダンジョンの討伐に来られたんだ。」
「え!本当ですか!」
わ、ど、どうしよう?本物の勇者様です!
「ねぇ、見に行こうよ♪」
「準備するから待ってください!」
「えー?もうその部屋着でいいじゃん。しょうがないな~、外で待ってるねー♪」
「はーい!」
そのままダンジョン討伐に行ってしまうかもしれません、鎧くらいは装備しないと!
私はしっかりと装備を整えてアスラと合流しました。
「あっちの広場らしいよ、いこっか♪」
「勇者様ってかっこいいかな?」
「そりゃカッコいいんじゃない?だって勇者様だよ?」
「たのしみ。」
「だよね☆」
広場につくと人だかりができていました。このままでは勇者様が見えません!
「これは困ったね、見えないなー。」
ぴょん ぴょん
「みえません~。」
「僕が今からダンジョンの討伐に行きます。」
「お、演説かな?」
し~っ!
勇者様が話し出したのにおしゃべりなアスラには困りものです。
「ごめんごめん。」
「僕では皆さんをお守りできないので、申し訳ありませんがここで防衛をお願いします。」
ついていけないみたいですね、残念。
「僕の力で必ずやダンジョンを討伐してきます。吉報をお待ちください。」
勇者様って、どんな力を使えるんだろう、気になります。
「フライ。」
勇者様が飛行魔法を唱えました。飛んでいます!すごいです!
「行っちゃったね、良く見えなかったな~。」
「帰ってきた時に見れたらいいなぁ。」
「だよね~。ねーねー、何か甘いもの食べていかない?」
「いいですね!」
「じゃぁ、今日は~クレープの気分かな♪」
「へへ~、クレープで決まりですね!」
私のお気に入りはいちごクレープです!
でも、ブルーベリーも侮れません!
小さな村なのですぐに目的地に着きました。
「すみませーん!抹茶クレープひとつくださーい!」
「はいよ、ちょっと待ってね。」
「私は、えっと、いちごとブルーベリーの二つ下さい!」
「はいよ。今作るからね。」
「いいのかな、ヘンリエッタ?太っちゃうぞ?」
「太りません!」
アスラは時々失礼なのです!
あー、このクレープをす~って広げるの、何度見てもいいですね。
ホイップをつけて、アイスを乗せて、抹茶パウダーをまぶして出来上がりです!
「抹茶クレープね。」
「どうもー!」
なんと、前線の冒険者は食べ放題なのです!
食費は全部国が払ってくれるんです!
ずっと前線でも良いかも・・・!!
「はい、いちごクレープね。いちごおまけしといたよ。」
「ありがとうございます!」
「ヘンリエッタだけずるーい!」
「アスラさんも、もう一個いるかい?」
「む~・・・今日はこれくらいにしておきます・・・。」
「じゃぁ仕方ないね。いつ来てくれてもいいからね。はい、ブルーベリーね。」
「えへへ、ありがとうございます。」
両手にクレープです!とってもすごいです!
私は両手に持ったクレープを高々と掲げました。
「はむっ。」
アスラが私のクレープに食いつくまねをしました。
「わっダメです!食べたいならもう一個もらってください!」
「あはははは、ヘンリエッタがもらえばいいよね~♪」
「これは私のなのですー!」
もぅ、ときどきアスラは困ったさんです。




