次の日のアッティレイス村
◆◆◆次の日のアッティレイス村◆◆◆
「あれ?」
目が覚めると見知らぬお布団の中にいました。
「おばあちゃんの宿屋じゃないし、どこだろう?」
「お、起きたか?いきなり倒れるからびっくりしたぜ。」
昨日の冒険者さんが出てきました。
「ま、その分俺もお前もかなり休めたし、これなら今日も楽勝だな!」
「え、今日も敵が来るんですか?」
「ん?ああ、今の所毎日来ているから、たぶん今日も来るだろ。ああ、お前は新人だったな。ま、最前線なんてどこもこんなもんだ。」
「そうなのですか。」
毎日あんなにたくさんの魔物と戦っているんだ。前線の人たちってすごいなぁ。
「にしても、お前すごいな。一気にかなり倒したところは見ていたけど、その金貨の棒を見たら迫力が違うぜ。」
「金貨の棒?・・・わっすごい!」
金貨です!枕元に金貨を長いお皿にきれいに並べて棒みたいになっています!
「だいたい50枚くらいか?となると・・・1250万園だから・・・Cランククエスト並か?お前さんがすごいのかCランクがすごいのかわからなくなってきたな・・・。」
私は金貨をお財布にいれた後、アイテムポーチに入れました。
だ、誰も見ていませんよね?チラチラ
「誰もとりゃしねーよ。ここに住んで戦っていれば食費も宿泊費もタダだし、装備もそこそこいい物が支給されるし使い放題。さらには時々援助金とか言ってお金が送られてくるんだ。長くいるやつはだいたい使い道がなくて余らせてる。さっきの俺みたいに枕元にある金貨や銀貨を見て前日の成果を確認する程度だな。」
「そ、そうなんですか。」
やっぱり、お金ってあるとこにはあるんですね。
「おーい!敵が来たぞー!!」
遠くで誰かが叫ぶ声が聞こえました。
「さって、今日も一仕事頑張るか。お前も行くんだろ?用意を済ませたらさっさと来いよ?」
「はい、すぐに支度します!」
私は起きたばかりなので装備を装備していません。
さすがにこのまま向かうわけにもいきませんし、私は後方で魔法やスキルを使う係なので間に合うと思います。
直接鎖帷子を着ると痛いので丈夫な服を・・・なんだかちょっと高そうで丈夫そうな服が置いてあります。
「これ、私に支給された分・・・なのかな?」
続いて鎖帷子・・・あれ?これも何か若干色が違うし新品のような・・・?
「きっと、活躍したからいいやつに変えてもらえたんですね!」
そして、その上から・・・
「え?これ絶対高いですよ?!!」
私が着ていたウォーベアの鎧にデザインは似せてありますが、全くの別物です。
ほんのり緑掛かった金属でできています!
さすがにミスリルほどきれいじゃないのでたぶんマジックシルバーです!
魔化した銀の完全結晶がミスリルって言われていて、ものすごく高いです。
マジックシルバーは質の悪いミスリルの事で、性能は雲泥の差ですが質が悪いといってもミスリルの端くれです。普通の金属とは比べ物になりません!
「帰ったら簡易鑑定使いたいです。あ、でも、マジックシルバーだから初級以下なんてことないですよね?鑑定屋さんに行けばいいのかな?あ、もしかして鑑定もこの村で出来たりして?って、そんな事している場合じゃありません!」
私は急いで一緒に置いてあったマジックシルバーの靴と小手と兜を装備しました。
これなら弓で狙われても・・・安心とは言えないけどだいぶ良くなりました。
「・・・動きにくいです。」
ステータスがかなり上がっているので重くは無いのですが、構造的に曲がらなくなる部分が結構あるし視界が悪いです。口元を守る構造のせいで呼吸もちょっとしにくいです。
「痛っ。」
髪の毛が兜に引っかかりました・・・。(´;ω;`)
「首も回りにくいし、兜はやめよう・・・。杖、杖。あ、杖も豪華になってる。本当に戦闘以外は任せっきりでもいいんですね。」
私は準備が終わったので戦場へと向かいました。
といっても、私は後方でスケルトンを召喚して送り込むだけですけどね。
それでも、昨日みたいに地中から攻めてくる敵もいるので、気は抜けません!
「スケルトンさんたち、出番ですよ!ロイヤーもおねがい!」
続々とアンデッドさんたちを戦場へと送りました。
「お、やってるね。」
また知らない冒険者さんです。なんだかこの冒険者さんは背が高いですね。
あ、そういえば私が見た冒険者さんたちも兜を装備していません。なぜでしょう?
「そういえば、なんで誰も兜を装備していないのですか?」
「うん?ああ、そりゃそうだわな。
そこそこのLvになれば兜よりも体の方が固くなるんだぞ?
鎧とかを着ているのも、壊れにくい服っていう意味と、スキルが付いているからだわな。
その点、視界が悪くなるというデメリットを超えるような兜なんて滅多にないし、わざわざ兜を持って帰ってスキルを確認するやつも少ないからさらに数が増えないと来たもんだ。
装備なんて他にもたくさん装備できる場所があるんだからデメリット付きの装備なんて流行らないんだよね。」
「そうなのですか。だから兜を装備している人を見ないんですね。ありがとうございます。」
こんな時でも親切に教えてくれました。この村はいい人たちばかりですね!
「ああ、そうだったわな。寝て起きたら防具一式の中に兜も置いてあったんだろう?あれは、様式美って奴だわな。置いてなかったら兜も用意できないのかなんて言われると困るからなんだわな。んだらもういくわ。」
「あ、はい。お気をつけて。」
私も頑張らないといけませんね!
召喚、召喚~。
「あれ、そういえば、スケルトンさんたちが減っていないような?もしかして、今日は優勢?ちょっとだけ覗いてみようかな?」
|д゜) チラ
ふむふむ。
|)彡サッ
昨日とあまり変わりませんね。ウォリウがたくさんいて、冒険者さんたちがドカーン、バコーンって感じで戦っています。
あ、忘れてました。
「ダークブレッシング!」
足元によくわからない魔法陣が出ました。
「スケルトンさんたちの武器が強くなる効果・・・ではないですよね。私にもかかっていますし。」
そういえば、なんだか疲れてきました。
「スケルトンさんが100体くらいになったし、たぶんMPの使い過ぎだよね?」
枯渇するまで使ったら危険なので、少し休みましょう。
「ロイヤーとスケルトンさんたちはがんばってね!」
アンデッドさんたちは疲れ知らずで羨ましいです。
Cランククエストは達人以上ならクリアできるクエストです。
日本で開かれるメジャー競技の全国大会の優勝賞金がこれくらい・・・?(てきとう)
大相撲本場所の幕内最高優勝で1000万円らしい。
マイナーだとオリンピック優勝でも数百万円しかもらえないそうです・・・。
よくゲームで雑魚モンスターいっぱい出して強い!とかやっていると、範囲狩りされて\(^o^)/ってなったりしません?
私はなりました。




